エストロゲンが身長を止める?性ホルモンと骨端線の意外な関係
看護師国家試験 第115回 午前 第62問
国試問題にチャレンジ
ホルモンとその働きの組合せで正しいのはどれか。
- 1.エストロゲン ───── 骨端軟骨板閉鎖
- 2.成長ホルモン ───── 子宮の増大
- 3.テストステロン ───── 乳房の発育
- 4.プロゲステロン ───── 排卵
対話形式の解説
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士POINT
代表的な性ホルモン(エストロゲン・プロゲステロン・テストステロン)と下垂体ホルモン(成長ホルモン・LH)の作用を正しく結びつけられるかを問う問題。特に「エストロゲン=骨端線閉鎖・子宮内膜増殖・乳房発育」「排卵=LHサージ」「プロゲステロン=黄体期・妊娠維持」という整理がポイント。
解答・解説
正解は1です
問題文:ホルモンとその働きの組合せで正しいのはどれか。
解説:正解は 1 です。エストロゲンは卵巣(思春期以降は主として顆粒膜細胞)から分泌される女性ホルモンで、子宮内膜の増殖、乳房の発育、皮下脂肪の沈着など第二次性徴の発現を担うと同時に、長管骨の骨端軟骨板(成長板)に作用してその閉鎖(骨化)を促進します。思春期にエストロゲン分泌が急増すると一時的に身長の伸び(成長スパート)が加速しますが、その後骨端線が閉鎖することで身長の伸びは停止します。男性でもテストステロンの一部が芳香化酵素(アロマターゼ)によりエストロゲンへ変換され、同じく骨端線閉鎖に寄与することが知られています。したがって「エストロゲン ─ 骨端軟骨板閉鎖」の組合せは正しいといえます。
選択肢考察
- ○1. エストロゲン ───── 骨端軟骨板閉鎖
エストロゲンは骨端軟骨板(成長板)に直接作用して軟骨細胞の増殖を抑制し、骨化を進めて骨端線を閉鎖させる。これにより思春期後の身長増加は停止する。男性でもアロマターゼによってテストステロンから変換されたエストロゲンが同様の役割を果たすため、エストロゲン受容体やアロマターゼの欠損例では骨端線が閉鎖せず高身長となることが知られている。
- ×2. 成長ホルモン ───── 子宮の増大
成長ホルモン(GH)は下垂体前葉から分泌され、肝臓でのIGF-1産生を介して骨・軟部組織の成長や脂質・糖代謝の調節を行う。子宮の発育・増大を担うのはエストロゲンであり、成長ホルモンの直接的な作用ではない。
- ×3. テストステロン ───── 乳房の発育
テストステロンは主に精巣のライディッヒ細胞から分泌される男性ホルモンで、筋肉量増加・体毛・声変わり・外性器発育など男性的第二次性徴を担う。乳房(乳腺・乳管・脂肪組織)の発育を促進するのはエストロゲンおよびプロゲステロンであり、テストステロンはむしろ乳腺発育を抑制的に働く。
- ×4. プロゲステロン ───── 排卵
排卵は下垂体前葉から分泌される黄体形成ホルモン(LH)が急激に増加するLHサージによって誘発される。プロゲステロンは排卵後の卵胞が変化してできた黄体から分泌され、子宮内膜を分泌期へ移行させて受精卵の着床・妊娠維持に働くホルモンであり、排卵そのものを起こす作用はない。
性ホルモンに関する基礎として、視床下部のGnRH→下垂体前葉のFSH/LH→卵巣・精巣の性ホルモン分泌という「視床下部-下垂体-性腺軸」の流れを押さえておきたい。月経周期では、卵胞期にFSH優位で卵胞からエストロゲンが分泌され子宮内膜が増殖、排卵直前のエストロゲンピークが視床下部にポジティブフィードバックをかけてLHサージを誘発し排卵に至る。排卵後の黄体期はプロゲステロン優位となり、内膜は分泌期に入る。妊娠が成立しなければ黄体は退縮し、エストロゲン・プロゲステロンが急減することで月経が起こる。タナー段階では乳房発育(M2)→陰毛発生(PH2)→初経(M4頃)という女性の第二次性徴の順序も国試で頻出。
代表的な性ホルモン(エストロゲン・プロゲステロン・テストステロン)と下垂体ホルモン(成長ホルモン・LH)の作用を正しく結びつけられるかを問う問題。特に「エストロゲン=骨端線閉鎖・子宮内膜増殖・乳房発育」「排卵=LHサージ」「プロゲステロン=黄体期・妊娠維持」という整理がポイント。
「消化器・代謝・内分泌」の関連問題
ステロイドホルモンと細胞内受容体の関係を整理しよう
ホルモンの化学的性質(脂溶性か水溶性か)と受容体の局在の対応関係を問う基本問題です。ステロイドホルモンは細胞内受容体、ペプチド・カテコールアミンは細胞膜受容体という原則を理解できているかが問われています。
115回
代謝の基本『同化』と『異化』を見抜く!第115回看護師国家試験 午前83
代謝の二本柱『同化(合成)』と『異化(分解)』を正しく選び分ける問題で、角化・石灰化・瘢痕化のような『〜化』というダミー選択肢に惑わされないことがポイントです。
115回
朝、身体を起こすホルモン—コルチゾールの概日リズム
ホルモンの概日リズムを問う問題。起床時最高=コルチゾールという基本パターンを押さえる。
114回
ごっくんの瞬間に起きる4つの動き—嚥下反射の精密な仕組み
嚥下反射に伴う身体の動きを問う問題。喉頭挙上に伴う甲状腺の動きを押さえる。
114回
肝臓は人体の化学工場!代表機能「糖の貯蔵」を押さえよう
肝臓の代表的機能を、他臓器(胆嚢・腎臓・肺・内分泌腺)の機能と区別して理解しているかを問う基本問題。
114回
