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代謝の基本『同化』と『異化』を見抜く!第115回看護師国家試験 午前83

看護師国家試験 第115午前83

国試問題にチャレンジ

115午前83

エネルギー代謝を示す反応はどれか。2つ選べ。

  1. 1.異化
  2. 2.角化
  3. 3.石灰化
  4. 4.同化
  5. 5.瘢痕化

対話形式の解説

博士博士
今日は第115回午前83番、『エネルギー代謝を示す反応はどれか。2つ選べ』という基礎医学の問題じゃ。選択肢は異化・角化・石灰化・同化・瘢痕化の5つ。さて、どれがエネルギー代謝に当たるかのう?
サクラサクラ
えーっと、『〜化』ばかりで紛らわしいです……。代謝といえば食べ物をエネルギーに変えるイメージなので、異化と同化な気がします!
博士博士
おお、よい直感じゃ。正解はその通り、1の異化と4の同化じゃよ。生体内で起こる化学反応の総体を『代謝(metabolism)』と呼び、これは大きく異化と同化の二つに分かれるのじゃ。
サクラサクラ
異化と同化の違いをもう一度整理したいです。どちらがエネルギーを作る方でしたっけ?
博士博士
異化が『分解してエネルギーを取り出す』反応、同化が『エネルギーを使って組み立てる』反応じゃ。たとえばグルコースを解糖系・TCA回路・電子伝達系で水と二酸化炭素にまで分解するとATPが約30〜32分子作られる。これが典型的な異化じゃな。逆にアミノ酸からタンパク質を作ったり、グルコースからグリコーゲンを蓄えたりするのが同化で、こちらはATPを消費する側じゃ。
サクラサクラ
なるほど、エネルギーを取り出すか使うかで真逆なんですね。では角化、石灰化、瘢痕化はどう違うのでしょうか?
博士博士
どれも『組織や細胞の構造的変化』を示す用語で、エネルギー代謝の分類には入らんのじゃ。角化は表皮のケラチノサイトが分化して角質層になる現象、石灰化はカルシウム塩が組織に沈着する現象、瘢痕化は創傷治癒の最終段階で肉芽組織がコラーゲン主体の瘢痕に置き換わる現象じゃな。いずれも病理学・組織学の用語で、ATP産生や栄養素の合成とは別物じゃ。
サクラサクラ
『〜化』に惑わされず、代謝=同化+異化と覚えておけばよさそうですね。ホルモンとの関係も知りたいです!
博士博士
よい質問じゃ。同化を促すホルモンはインスリン・成長ホルモン・テストステロンなどで、いわゆる『アナボリックホルモン』と呼ばれる。一方、異化を促すのはグルカゴン・コルチゾール・アドレナリン・甲状腺ホルモンなどで、空腹時やストレス時に優位になるのじゃ。臨床では、術後・熱傷・敗血症などで異化が亢進すると体タンパクが分解されて筋萎縮や創傷治癒遅延を招くから、十分な栄養補給が重要になるのじゃよ。
サクラサクラ
だから侵襲が大きい患者さんでは高タンパク・高エネルギーの栄養管理が必要なんですね。基礎代謝量についても国試で出ますか?
博士博士
よく出るぞ。基礎代謝量(BMR)は早朝空腹時・安静仰臥位・快適室温下で生命維持に必要な最小エネルギーで、成人で1日約1,200〜1,500kcalじゃ。除脂肪体重に比例するため筋肉量が多い人ほど高く、加齢で低下する。甲状腺機能亢進症では上昇、低下症では低下するという関連も押さえておくとよい。
サクラサクラ
同化と異化のバランスが体組成や栄養状態に直結しているんですね。代謝という言葉の意味がしっかり理解できました!
博士博士
その通り。代謝は『同化と異化のせめぎ合い』であり、健康とはこの動的平衡が保たれている状態じゃ。栄養・運動・ホルモン・ストレスがどちらに傾けるかを意識すれば、糖尿病・甲状腺疾患・低栄養・サルコペニアなど多くの疾患の理解にもつながるぞ。

POINT

代謝の二本柱『同化(合成)』と『異化(分解)』を正しく選び分ける問題で、角化・石灰化・瘢痕化のような『〜化』というダミー選択肢に惑わされないことがポイントです。

解答・解説

正解は1です

問題文:エネルギー代謝を示す反応はどれか。2つ選べ。

解説:正解は1(異化)と4(同化)です。生体は外界から取り込んだ栄養素を絶えず化学的に変換し、生命活動に必要なエネルギーを獲得・利用しています。この一連の化学反応の総体を『代謝(metabolism)』と呼び、大きく『異化(catabolism)』と『同化(anabolism)』の2つに分類されます。異化は高分子の有機物(糖質・脂質・タンパク質など)を低分子に分解し、その過程で化学エネルギーをATPとして取り出す反応です。代表例には解糖系・クエン酸回路(TCA回路)・電子伝達系・β酸化などがあり、これらによってグルコース1分子から最大約30〜32分子のATPが産生されます。一方、同化はATPのエネルギーを消費して低分子から高分子を合成する反応で、糖新生、脂肪酸合成、タンパク質合成、グリコーゲン合成などが代表例です。つまり『異化=エネルギーを取り出す』『同化=エネルギーを使って組み立てる』という対の関係にあり、両者が動的に釣り合うことで体組成や恒常性が維持されています。したがってエネルギー代謝を示す反応として正しいのは異化と同化の2つです。

選択肢考察

  1. 1.  異化

    正解。異化(catabolism)はグルコースや脂肪酸、アミノ酸といった有機物を分解してATPなどの化学エネルギーを取り出す反応の総称です。解糖系、クエン酸回路、電子伝達系、β酸化などが該当し、好気的代謝では水と二酸化炭素にまで分解されながら多量のATPが産生されます。空腹時や運動時、感染・外傷などのストレス下では交感神経・コルチゾール・グルカゴン優位となり、異化が亢進します。

  2. ×2.  角化

    不正解。角化(keratinization)は表皮の基底層で生まれたケラチノサイトが分化しながら表層へ押し上げられ、最終的に核を失って角質細胞となり、ケラチンと細胞間脂質からなるバリアを形成する過程です。皮膚のターンオーバーや上皮の構造変化に関わる現象であり、エネルギー代謝の分類とは別の概念です。

  3. ×3.  石灰化

    不正解。石灰化(calcification)はリン酸カルシウムなどのカルシウム塩が組織に沈着する現象です。骨形成のような生理的石灰化と、動脈硬化巣・結核病巣・壊死組織にみられる異所性(病的)石灰化があります。組織変化を示す病理学的な用語であり、エネルギーの産生・利用とは関係しません。

  4. 4.  同化

    正解。同化(anabolism)はATPのエネルギーを消費して、アミノ酸からタンパク質を、グルコースからグリコーゲンを、アセチルCoAから脂肪酸を合成するなど、低分子から高分子を組み立てる反応の総称です。食後の同化はインスリンや成長ホルモン、テストステロンなどの同化ホルモンによって促進され、体組織の構築・修復・成長に寄与します。

  5. ×5.  瘢痕化

    不正解。瘢痕化(scarring)は損傷した組織が修復される過程で、肉芽組織が線維化しコラーゲン主体の瘢痕組織に置き換わる現象を指します。創傷治癒の最終段階で起こる組織学的変化であり、エネルギー代謝の分類には含まれません。

代謝=同化+異化の二本柱という構図を押さえると、関連問題にも応用が利きます。臨床的には、外傷・熱傷・敗血症・術後などでは異化が著しく亢進し、体タンパクが分解されて窒素出納が陰性に傾くため、十分な栄養投与(特にエネルギーとタンパク質)が予後を左右します。一方、廃用症候群や低栄養では同化が追いつかず筋萎縮が進行します。ホルモン面では、インスリン・成長ホルモン・テストステロンが同化ホルモン、グルカゴン・コルチゾール・カテコールアミン・甲状腺ホルモンが異化ホルモンとして整理しておくと覚えやすいです。また、基礎代謝量(BMR)は安静・空腹・快適温度下で生命維持に必要な最小エネルギー量で、成人では1日約1,200〜1,500kcal、体表面積・除脂肪体重・甲状腺機能などに影響されます。

代謝の二本柱『同化(合成)』と『異化(分解)』を正しく選び分ける問題で、角化・石灰化・瘢痕化のような『〜化』というダミー選択肢に惑わされないことがポイントです。

※公式問題・正答は厚生労働省公開資料をもとに整理しています。