高齢者は暑さ寒さに弱い?体温調節能低下の仕組み
看護師国家試験 第106回 午前 第8問 / 必修問題
国試問題にチャレンジ
老年期の身体的な特徴で正しいのはどれか。
- 1.尿量の増加
- 2.味覚の感度の向上
- 3.体温調節能の低下
- 4.外来抗原に対する抗体産生の亢進
対話形式の解説
博士
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サクラPOINT
老年期の生理機能は全体的に『予備能低下』が特徴。個別の機能変化(体温調節能↓、味覚感度↓、抗体産生↓、尿量↓)を正しく覚える問題。
解答・解説
正解は3です
問題文:老年期の身体的な特徴で正しいのはどれか。
解説:正解は 3 です。加齢に伴い、自律神経機能や骨格筋量が低下し、体温調節能は低下する。暑い時の発汗は減り、寒い時の皮膚血管収縮や熱産生も弱くなるため、うつ熱(熱中症)や低体温に陥りやすい。老年期には他に、腎機能低下による尿濃縮力低下(夜間頻尿)、味蕾の減少による味覚低下、T細胞機能低下による細胞性免疫の減衰などが生じる。
選択肢考察
- ×1. 尿量の増加
高齢者は糸球体濾過率(GFR)低下と尿濃縮力低下があり、1日総尿量は概ね減少〜同等だが、夜間尿量比が増え頻尿となる。単純な『尿量増加』とは言えない。
- ×2. 味覚の感度の向上
加齢により味蕾が減少し、特に塩味・甘味の感度が低下する。味が濃いものを好むようになり、高血圧や糖尿病のリスクとなりうる。
- ○3. 体温調節能の低下
発汗機能・皮膚血流調節・震え熱産生が衰えるため、暑熱・寒冷ストレスに脆弱になる。高齢者の熱中症・低体温のリスクの本質である。
- ×4. 外来抗原に対する抗体産生の亢進
免疫老化により、特にT細胞機能とB細胞の抗体産生が低下する。そのためワクチン応答の低下や感染症の重症化リスクが上がる。
老年期の生理的変化の代表例として、①呼吸:残気量増加・肺活量低下、②循環:血管弾性低下→収縮期高血圧、③腎:GFR低下・夜間多尿、④消化:胃酸分泌低下・嚥下反射低下、⑤感覚:視覚(白内障・老視)・聴覚(高音域から低下)、⑥骨:骨密度低下、⑦造血:貧血傾向、⑧免疫:T細胞機能低下などがある。これらの変化は薬物動態(分布容積・排泄半減期)にも影響するため、老年期の与薬には慎重さが求められる。
老年期の生理機能は全体的に『予備能低下』が特徴。個別の機能変化(体温調節能↓、味覚感度↓、抗体産生↓、尿量↓)を正しく覚える問題。
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