StudyNurse

人工股関節置換術後の夜間環境

看護師国家試験 第107午後35

国試問題にチャレンジ

107午後35

Aさん( 85歳、女性 )。左側の人工股関節置換術後10日である。日中は看護師の援助によって車椅子でトイレまで行くことは可能であるが、夜間はポータブルトイレを使用している。 Aさんの夜間の療養環境を整える上で適切なのはどれか。

  1. 1.足側のベッド柵は下げておく。
  2. 2.着脱しやすいスリッパを用意する。
  3. 3.ポータブルトイレはAさんのベッドの右側に置く。
  4. 4.移動時につかまれるようにオーバーテーブルを整える。

対話形式の解説

博士博士
Aさんは左の人工股関節置換術後10日目じゃ。どちらが患側かわかるかのう?
サクラサクラ
手術をした左側が患側ですね
博士博士
その通り。夜間のポータブルトイレはどちらに置けばよいかのう?
サクラサクラ
移乗は健側を軸にするので…右側ですね
博士博士
正解じゃ。健側の右で立ち上がれば最短距離で安全に移れるんじゃ
サクラサクラ
足側のベッド柵を下げておくのはどうですか?
博士博士
夜間は覚醒も不十分で転落リスクが高いから、足側も上げておくのが安全じゃな
サクラサクラ
スリッパは着脱しやすい方がよさそうに思えますが…
博士博士
着脱しやすいとは脱げやすいということじゃ。85歳で術後、転倒は骨折の再発につながるぞ
サクラサクラ
かかと付きで足にフィットする履物がよいのですね
博士博士
その通り。オーバーテーブルはどうじゃ?
サクラサクラ
キャスター付きで動いてしまうので、つかまると危ないですね
博士博士
まさにそれじゃ。安定した支持物、たとえばベッド柵や手すりを使うべきじゃ
サクラサクラ
THAの脱臼予防も大切ですね、屈曲90度以上や内転内旋は避ける
博士博士
よく勉強しておるのう。正解は3のポータブルトイレを右側に置く、じゃ

POINT

患側が左のため健側である右側にポータブルトイレを配置し、健側を軸にした安全な移乗環境を整える。

解答・解説

正解は3です

問題文:Aさん( 85歳、女性 )。左側の人工股関節置換術後10日である。日中は看護師の援助によって車椅子でトイレまで行くことは可能であるが、夜間はポータブルトイレを使用している。 Aさんの夜間の療養環境を整える上で適切なのはどれか。

解説:正解は 3 です。Aさんは左側の人工股関節置換術後であり、左下肢が患側です。移乗では健側である右側を軸にして最短距離で動くことが安全であるため、ポータブルトイレは健側のベッド右側に設置するのが適切です。

選択肢考察

  1. ×1.  足側のベッド柵は下げておく。

    高齢で術後10日、夜間は視界も悪く転落リスクが高い状況です。足側柵も上げて転落を防ぐべきです。

  2. ×2.  着脱しやすいスリッパを用意する。

    脱げやすい履物は転倒の原因となります。踵まで包むかかと付きの靴やフィットする履物を選ぶべきです。

  3. 3.  ポータブルトイレはAさんのベッドの右側に置く。

    左側が患側のため、健側の右側にポータブルトイレを置くことで、健側を軸に短距離で安全に移乗できます。

  4. ×4.  移動時につかまれるようにオーバーテーブルを整える。

    オーバーテーブルはキャスター付きで動いてしまい、体重を支えると転倒につながります。支持物としては不適切です。

人工股関節置換術(THA)後は脱臼予防が最重要で、屈曲90度以上、内転、内旋を避けます。後方アプローチでは特に「しゃがみこみ」「足を組む」「内股」動作が禁忌です。移乗は健側から、起立・着座はゆっくり、ベッドの高さは足底が床にしっかり着く高さに調整するのが原則です。夜間は視界不良・覚醒不十分のため、足元照明や柵、転倒予防グッズの活用が推奨されます。

患側が左のため健側である右側にポータブルトイレを配置し、健側を軸にした安全な移乗環境を整える。

※公式問題・正答は厚生労働省公開資料をもとに整理しています。