加齢で体はどう変わる?『閾値』の意味も要チェック
看護師国家試験 第107回 午前 第8問 / 必修問題
国試問題にチャレンジ
老年期の身体的な特徴はどれか。
- 1.総水分量が増加する。
- 2.胸腺の重量が増加する。
- 3.嗅覚の閾値が低下する。
- 4.高音域における聴力が低下する。
対話形式の解説
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博士POINT
加齢に伴う生理機能変化の方向性を正しく理解しているかを問う問題。特に『閾値』の意味と加齢変化の向きに注意。
解答・解説
正解は4です
問題文:老年期の身体的な特徴はどれか。
解説:正解は 4 です。老年期(65歳以上)では、加齢に伴う生理機能の低下(老化)が全身に生じる。聴覚では、内耳の蝸牛の有毛細胞や聴神経の変性により、高音域から聴力が低下する『加齢性難聴(老人性難聴)』が特徴である。高周波音(2000Hz以上)から聞き取りにくくなり、子音(『さ・し・す・せ・そ』など)が聞き取りにくくなることで会話の聞き取り困難につながる。このため、老年期の患者への説明では、低めの声でゆっくり、正面から口元を見せて話す配慮が求められる。
選択肢考察
- ×1. 総水分量が増加する。
加齢に伴い体内総水分量は減少する。成人で体重の約60%だが、高齢者では約50~55%に低下し、脱水になりやすい。
- ×2. 胸腺の重量が増加する。
胸腺は思春期にピークを迎え、その後退縮して脂肪組織に置き換わる。老年期には機能も重量も著しく低下しT細胞産生能が減少し、免疫機能が低下する。
- ×3. 嗅覚の閾値が低下する。
加齢により嗅覚は鈍くなり、感じ取るのに必要な刺激量が増えるため『閾値は上昇』する。『閾値が低下』は逆であり誤り。
- ○4. 高音域における聴力が低下する。
加齢性難聴の典型的な特徴で、高周波音から聞き取りにくくなる。
老年期の身体的変化はほぼすべての臓器機能低下を伴う。水分量減少(脱水リスク)、胸腺退縮(免疫低下)、腎機能低下(薬物蓄積リスク)、肺活量減少、骨密度低下(骨折リスク)、視力(老視・白内障)、聴力(加齢性難聴)、味覚・嗅覚の閾値上昇、皮膚の弾力低下などが代表的。『閾値』は感覚刺激を感じ取るのに必要な最小刺激量のこと。感覚が鈍くなると閾値は『上がる』と覚える。
加齢に伴う生理機能変化の方向性を正しく理解しているかを問う問題。特に『閾値』の意味と加齢変化の向きに注意。
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