胎児循環の秘密 〜臍静脈が最も酸素豊富〜
看護師国家試験 第108回 午前 第6問 / 必修問題
国試問題にチャレンジ
胎児循環で酸素を最も多く含む血液が流れているのはどれか。
- 1.肺動脈
- 2.肺静脈
- 3.臍動脈
- 4.臍静脈
対話形式の解説
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
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サクラPOINT
胎児循環の特殊性を理解し、臍静脈に最も酸素飽和度の高い血液が流れることを判別できるかを問うています。
解答・解説
正解は4です
問題文:胎児循環で酸素を最も多く含む血液が流れているのはどれか。
解説:正解は4です。胎児は肺呼吸をしていないため、酸素と栄養は母体の胎盤から臍帯を通じて供給されます。臍帯には臍静脈1本と臍動脈2本が含まれ、臍静脈は胎盤で酸素化された動脈血を胎児に運ぶ血管で、胎児循環の中で最も酸素飽和度の高い血液(約80%)が流れています。この酸素化血は臍静脈→静脈管(アランチウス管)→下大静脈→右心房へ流入し、その大部分が卵円孔を通って左心房→左心室→上行大動脈へと送られ、脳や上肢を優先的に灌流します。一方、右心室からの血液は肺動脈へ送られますが、肺が機能していないため大部分は動脈管(ボタロー管)を通って下行大動脈へバイパスされ、下半身を灌流した後、臍動脈を経て胎盤へ戻ります。つまり臍動脈は胎児が使い終わった静脈血(老廃物と二酸化炭素を含む低酸素血)を運ぶ血管で、名前の「動脈」とは裏腹に最も酸素飽和度が低い点に注意が必要です。出生後は肺呼吸開始により卵円孔・動脈管・静脈管が閉鎖し、成人循環へ移行します。
選択肢考察
- ×1. 肺動脈
胎児の肺動脈には右心室からの静脈血が流れていますが、肺が機能していないため大部分は動脈管を経て下行大動脈へバイパスされます。酸素飽和度は低めです。
- ×2. 肺静脈
胎児期は肺呼吸をしていないため、肺静脈の血流はごくわずかで、しかも肺でのガス交換が行われていないため酸素化はほとんど行われていません。
- ×3. 臍動脈
臍動脈は胎児から胎盤へ静脈血(使い終わった低酸素血)を運ぶ血管で、名前と役割が逆転しています。胎児循環で最も酸素飽和度が低い血管です。
- ○4. 臍静脈
臍静脈は胎盤で酸素化された動脈血を胎児へ運ぶ血管で、胎児循環で最も酸素飽和度が高い(約80%)血液が流れます。静脈という名前でも役割は動脈血の運搬です。
胎児循環の三大短絡(シャント):静脈管(アランチウス管、臍静脈→下大静脈)、卵円孔(右心房→左心房)、動脈管(ボタロー管、肺動脈→下行大動脈)。動脈管は出生後48〜72時間で機能的閉鎖、卵円孔も同時期に閉鎖し、2〜3か月で解剖学的閉鎖します。動脈管が開存したままの状態が動脈管開存症(PDA)で、インドメタシンで閉鎖を促す治療があります。名前の紛らわしさ:動脈=心臓から出る血管、静脈=心臓に戻る血管という定義で、動脈血・静脈血の酸素含量とは別概念です。肺動脈は静脈血、肺静脈は動脈血、臍動脈は静脈血、臍静脈は動脈血が流れる代表例です。
胎児循環の特殊性を理解し、臍静脈に最も酸素飽和度の高い血液が流れることを判別できるかを問うています。
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