作業中断によるヒヤリハットの再発防止
看護師国家試験 第108回 午前 第75問
国試問題にチャレンジ
看護師Aが患者Bの点滴ボトルに薬剤を注入しているとき、新人看護師から患者Cについて相談を受けた。看護師Aが作業を中断し新人看護師に対応した後、患者Bの点滴ボトルに患者Cの名前を記入するというヒヤリハットが発生した。 この病棟の看護師長が行う再発防止策で適切なのはどれか。
- 1.看護師Aに対策を考えさせる。
- 2.看護師Aを注射の業務から外す。
- 3.作業中断の対策を病棟チームで検討する。
- 4.再発防止カンファレンスを1か月後に計画する。
対話形式の解説
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士POINT
ヒューマンエラーに対し個人責任ではなくチーム・システムで対策を立てる医療安全の基本姿勢を問う問題です。
解答・解説
正解は3です
問題文:看護師Aが患者Bの点滴ボトルに薬剤を注入しているとき、新人看護師から患者Cについて相談を受けた。看護師Aが作業を中断し新人看護師に対応した後、患者Bの点滴ボトルに患者Cの名前を記入するというヒヤリハットが発生した。 この病棟の看護師長が行う再発防止策で適切なのはどれか。
解説:正解は 3 です。本事例はヒューマンファクター(作業中断=インタラプション)が根本原因です。人的エラーは個人の努力では防ぎきれないため、「人は誤るもの」を前提にシステム全体を改善するのが現代の医療安全の考え方です。作業中断の発生パターンと対策(中断させないルール作り、中断後の再確認手順など)を病棟チームで検討することが再発防止に直結します。
選択肢考察
- ×1. 看護師Aに対策を考えさせる。
個人責任に帰結させる対応は再発防止にならず、他のスタッフにも同様のエラーが起こり得ます。Safety-IIやジャストカルチャーの視点でも不適切です。
- ×2. 看護師Aを注射の業務から外す。
処罰的対応は当事者を萎縮させ、他者が同じエラーを起こすリスクも残ります。報告文化を阻害し医療安全上逆効果です。
- ○3. 作業中断の対策を病棟チームで検討する。
作業中断という根本原因をチーム全体で分析し、中断を減らす運用や中断後の再確認手順を検討することが、システム改善につながり再発防止に最も有効です。
- ×4. 再発防止カンファレンスを1か月後に計画する。
記憶が鮮明なうちに速やかにカンファレンスを行うのが原則です。1か月後では詳細が曖昧になり、同様のエラーが再発する可能性があります。
医療安全の基本は「To Err is Human(人は誤る)」の考え方に基づく根本原因分析(RCA)とシステム改善です。ヒヤリハット報告はSHELモデルやスイスチーズモデルで多層的に分析します。作業中断は投薬エラーの主要因として知られ、赤いエプロン着用や「邪魔しないでエリア」の設定など具体的対策が各病院で実践されています。
ヒューマンエラーに対し個人責任ではなくチーム・システムで対策を立てる医療安全の基本姿勢を問う問題です。
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