StudyNurse

リパーゼは膵臓の脂肪分解職人——消化酵素を基質別に総整理

看護師国家試験 第109午後13 / 必修問題

国試問題にチャレンジ

109午後13

脂肪分解酵素はどれか。

  1. 1.ペプシン
  2. 2.リパーゼ
  3. 3.マルターゼ
  4. 4.ラクターゼ

対話形式の解説

博士博士
今日のテーマは消化酵素じゃ。脂肪を分解する酵素はどれかわかるかの?
サクラサクラ
リパーゼ…だったと思います!
博士博士
正解じゃ。リパーゼは膵臓から分泌されて十二指腸に注がれ、胆汁酸で乳化された中性脂肪を脂肪酸とモノグリセリドに分解する。
サクラサクラ
胆汁酸と膵リパーゼがコンビで働くんですね。どっちが欠けても脂肪の消化は難しそう。
博士博士
その通り。だから胆石で胆汁の流れが滞ったり、膵炎でリパーゼが出なかったりすると脂肪便(脂臭い白っぽい便)が出るのじゃ。
サクラサクラ
他の選択肢も整理したいです。ペプシンは?
博士博士
ペプシンは胃で働く蛋白質分解酵素じゃ。ペプシノーゲンという不活性型で分泌され、胃酸で活性化する。酸性pHでしか働かないのがポイント。
サクラサクラ
じゃあマルターゼとラクターゼは?
博士博士
どちらも糖質分解酵素で、小腸上皮の刷子縁膜に存在する。マルターゼは麦芽糖をグルコース2つに、ラクターゼは乳糖をグルコースとガラクトースに分ける。
サクラサクラ
ラクターゼが足りないと乳糖不耐症になるんですよね?
博士博士
よく知っておる。乳製品を摂ると下痢や腹部膨満を起こすのは、分解されない乳糖が大腸まで届いて浸透圧性下痢を起こすからじゃ。
サクラサクラ
消化酵素って基質ごとにちゃんと分担されているんですね。
博士博士
そう。糖質・蛋白質・脂質ごとに酵素系統が違う。糖質はアミラーゼ+小腸二糖類酵素、蛋白質はペプシン+膵トリプシン系、脂質はリパーゼという三本柱じゃ。
サクラサクラ
急性膵炎ではリパーゼが上がるって聞きました。
博士博士
血中アミラーゼとリパーゼの両方が上昇するが、リパーゼの方が特異度が高く、腹痛の原因鑑別で重要な検査項目じゃ。
サクラサクラ
酵素の働きを知ると、病態や検査の意味までつながって見えますね!
博士博士
まさにその視点が臨床じゃ。基礎の消化酵素を侮ると、栄養アセスメントも薬理の理解も浅くなるぞ。

POINT

消化酵素を基質別に分類する基本知識を問う。リパーゼは膵臓由来で脂質を分解するという基本を確実にする。

解答・解説

正解は2です

問題文:脂肪分解酵素はどれか。

解説:正解は 2 です。脂肪(トリグリセリド)を脂肪酸とモノグリセリドに分解する酵素をリパーゼと総称する。臨床で最も重要なのは膵リパーゼで、十二指腸に分泌されて胆汁酸で乳化された脂肪滴に作用する。急性膵炎では血中・尿中の膵リパーゼ値が上昇するため、診断の重要指標となる。

選択肢考察

  1. ×1.  ペプシン

    ペプシンは胃主細胞から分泌されるペプシノーゲンが胃酸により活性化された蛋白質分解酵素。酸性環境下で蛋白質をポリペプチドに分解する。

  2. 2.  リパーゼ

    膵臓から分泌される脂肪分解酵素。中性脂肪を加水分解して脂肪酸とモノグリセリドにする。舌リパーゼや胃リパーゼもわずかに存在するが、大部分の脂肪消化は膵リパーゼが担う。

  3. ×3.  マルターゼ

    小腸上皮の刷子縁膜に存在する二糖類分解酵素。麦芽糖(マルトース)を2分子のグルコースに分解する糖質分解酵素である。

  4. ×4.  ラクターゼ

    小腸上皮の刷子縁膜に存在する酵素で、乳糖(ラクトース)をグルコースとガラクトースに分解する。欠乏すると乳糖不耐症を呈し、乳製品摂取で下痢や腹部膨満を起こす。

消化酵素は基質ごとに分類して整理すると覚えやすい。糖質分解:アミラーゼ(唾液・膵)、マルターゼ・スクラーゼ・ラクターゼ(小腸上皮)。蛋白質分解:ペプシン(胃)、トリプシン・キモトリプシン(膵)、アミノペプチダーゼ(小腸)。脂質分解:リパーゼ(膵)+胆汁酸による乳化。急性膵炎ではアミラーゼとリパーゼの血中濃度上昇がみられるが、リパーゼのほうが特異度が高い。

消化酵素を基質別に分類する基本知識を問う。リパーゼは膵臓由来で脂質を分解するという基本を確実にする。

※公式問題・正答は厚生労働省公開資料をもとに整理しています。