老化で減るもの増えるもの、体の中で起きている変化を整理しよう
看護師国家試験 第109回 午後 第55問
国試問題にチャレンジ
老化によって減少または低下するのはどれか。
- 1.重心の動揺
- 2.糸球体の数
- 3.嗅覚の閾値
- 4.前立腺の重量
対話形式の解説
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士POINT
加齢による臓器・機能の変化の方向性を問う基本問題。糸球体数は減少、感覚閾値・前立腺・重心動揺は増加、というパターンを整理して覚えることが重要。
解答・解説
正解は2です
問題文:老化によって減少または低下するのはどれか。
解説:正解は2の糸球体の数である。腎臓は加齢とともに腎重量が低下し、糸球体硬化や線維化によりネフロン(糸球体+尿細管)の数が徐々に減少していく。一般に30〜40歳をピークに糸球体数・糸球体濾過量(GFR)ともに減少し、高齢者では腎血流量も若年者の約半分程度に低下する。この結果、薬物排泄能の低下(腎排泄性薬剤の蓄積リスク)、尿濃縮力低下による夜間頻尿、水・電解質異常の起こりやすさが生じ、看護では高齢者の水分管理と薬剤投与量の調整が重要となる。
選択肢考察
- ×1. 重心の動揺
加齢により下肢筋力・前庭機能・視覚・深部感覚が低下し、静止立位でも重心動揺は大きくなる。つまり「増加」する指標であり、低下はしない。転倒リスクを高める要因となる。
- ○2. 糸球体の数
加齢に伴い糸球体硬化と腎実質の萎縮が進行し、機能的糸球体数は減少する。これにより糸球体濾過量が低下し、腎機能全体が緩やかに落ちていく。
- ×3. 嗅覚の閾値
閾値とは感知できる最小の刺激強度のこと。加齢で嗅神経や嗅上皮が変性すると、においを感じるのに必要な濃度が高くなる=閾値は「上昇」する(感覚は鈍くなる)。
- ×4. 前立腺の重量
前立腺は40歳以降肥大し、多くの高齢男性で良性前立腺肥大症となる。重量・体積ともに増加する臓器で、尿閉や排尿障害の原因となる。
加齢による生理機能の変化は臓器ごとに方向性が異なる。減少・低下するもの:腎糸球体数、GFR、心拍出量予備、肺活量、骨密度、筋量(サルコペニア)、免疫機能、唾液分泌、皮下脂肪以外の脂肪を除く体重、記憶の一部。増加・上昇するもの:感覚閾値(視・聴・味・嗅覚すべて)、前立腺重量、収縮期血圧、血管壁の硬さ、体脂肪率、残気量、重心動揺。減少・増加の方向性を体系的に整理すると国試での応用が効く。
加齢による臓器・機能の変化の方向性を問う基本問題。糸球体数は減少、感覚閾値・前立腺・重心動揺は増加、というパターンを整理して覚えることが重要。
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