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排尿の仕組み!膀胱筋は縮む、括約筋はゆるむ

看護師国家試験 第109午前78

国試問題にチャレンジ

109午前78

排尿時に収縮するのはどれか。

  1. 1.尿管
  2. 2.尿道
  3. 3.膀胱平滑筋
  4. 4.内尿道括約筋
  5. 5.外尿道括約筋

対話形式の解説

博士博士
今日は排尿のメカニズムじゃ。5つの選択肢から排尿時に収縮するものを選ぶ問題じゃよ。
サクラサクラ
排尿時に何が起きるか整理しないと混乱しそうです。
博士博士
そうじゃな。まずは蓄尿期と排尿期の2つに分けて考えるのがコツじゃ。
サクラサクラ
蓄尿期は尿をためている時ですね。
博士博士
その通り。蓄尿期は交感神経優位で、膀胱平滑筋は弛緩して膀胱容量を広げ、内尿道括約筋は収縮して尿漏れを防ぐ。外尿道括約筋も随意的に収縮しておる。
サクラサクラ
全部『ためる方向』に働くんですね。
博士博士
うむ。そして膀胱内に尿が約300〜400mL溜まると、伸展受容器が刺激され尿意を感じる。
サクラサクラ
排尿期に切り替わるとどうなりますか?
博士博士
副交感神経(骨盤神経)優位に切り替わる。骨盤神経のアセチルコリンが膀胱平滑筋のムスカリン受容体に作用し、膀胱が収縮する。
サクラサクラ
同時に内尿道括約筋は?
博士博士
交感神経の緊張が緩み、内尿道括約筋は弛緩する。外尿道括約筋も大脳からの指令で随意に弛緩じゃ。
サクラサクラ
つまり排尿時は『膀胱筋は収縮、括約筋は両方とも弛緩』ですね。
博士博士
完璧じゃ。だから選択肢3の膀胱平滑筋が正解。選択肢4・5の尿道括約筋は弛緩するので不正解じゃ。
サクラサクラ
選択肢1の尿管はどうですか?
博士博士
尿管は腎臓から膀胱に尿を送る管で、常に蠕動運動しておる。排尿時特有の収縮ではない。ちなみに排尿時は膀胱内圧が上がるから、膀胱尿管移行部が閉じて逆流を防ぐ。
サクラサクラ
選択肢2の尿道は?
博士博士
尿道は単なる通り道で、収縮する筋肉器官として独立していない。尿道を取り巻くのが内・外尿道括約筋じゃ。
サクラサクラ
内と外の尿道括約筋の違いがポイントですよね。
博士博士
うむ。内尿道括約筋は平滑筋で交感神経支配、不随意筋。外尿道括約筋は横紋筋で陰部神経(体性神経)支配、随意筋じゃ。
サクラサクラ
外尿道括約筋だけ自分でコントロールできるんですね。
博士博士
そう、だから我慢できる。脊髄損傷で陰部神経が障害されると、外尿道括約筋の随意コントロールができなくなり失禁する。
サクラサクラ
臨床で重要な排尿障害はどんなものがありますか?
博士博士
過活動膀胱、神経因性膀胱、前立腺肥大症、尿失禁などじゃな。過活動膀胱には抗コリン薬(ムスカリン受容体拮抗薬)、前立腺肥大症にはα1遮断薬を使う。
サクラサクラ
薬の作用機序も神経支配を理解していると覚えやすいですね。
博士博士
その通り。排尿は自律神経と体性神経が絶妙に協調する複雑な運動じゃが、基本の蓄尿期と排尿期の対比が理解の柱になる。

POINT

排尿時と蓄尿時の筋肉の収縮・弛緩パターンを問う基本問題。『排尿時は膀胱筋が収縮、尿道括約筋は弛緩』と逆の動きをすることを理解するのがポイント。

解答・解説

正解は3です

問題文:排尿時に収縮するのはどれか。

解説:正解は 3 です。排尿時には、仙髄の排尿中枢からの指令で副交感神経(骨盤神経)が働き、膀胱平滑筋(排尿筋、Detrusor muscle)が収縮して膀胱内圧が上昇する。同時に内尿道括約筋(交感神経支配の平滑筋)は弛緩し、外尿道括約筋(陰部神経支配の横紋筋、随意筋)も随意に弛緩することで尿が尿道から排出される。つまり排尿時は『膀胱平滑筋は収縮、両尿道括約筋は弛緩』が基本である。

選択肢考察

  1. ×1.  尿管

    尿管は腎臓と膀胱をつなぐ管で、蠕動運動によって尿を常時膀胱に送り続けている。排尿時特有に収縮するものではない。排尿中は膀胱内圧上昇により膀胱尿管移行部が閉じ、尿の逆流を防ぐ。

  2. ×2.  尿道

    尿道そのものは尿の通過路であり、収縮する筋肉器官として『尿道』という独立組織はない。尿道を取り巻くのが内・外尿道括約筋である。

  3. 3.  膀胱平滑筋

    膀胱平滑筋(排尿筋)は副交感神経(骨盤神経)のアセチルコリン作用で収縮し、膀胱内の尿を尿道方向へ押し出す。蓄尿時には交感神経優位で弛緩して膀胱容量を拡大する。

  4. ×4.  内尿道括約筋

    内尿道括約筋は膀胱頸部にある平滑筋で、交感神経(下腹神経)のノルアドレナリン作用で蓄尿時に収縮し、排尿時には副交感神経優位となり弛緩する。排尿時には『弛緩』するのが正しい。

  5. ×5.  外尿道括約筋

    外尿道括約筋は尿道を取り巻く横紋筋で、陰部神経(体性神経)支配の随意筋である。蓄尿時に収縮して尿失禁を防ぎ、排尿時には大脳の指令で随意に弛緩する。

排尿メカニズムは、蓄尿期(膀胱充満時)と排尿期(空虚時)で交感・副交感・体性神経の働きが入れ替わる巧妙な協調運動である。蓄尿期:交感神経優位で膀胱平滑筋弛緩+内尿道括約筋収縮、体性神経(陰部神経)で外尿道括約筋収縮。排尿期:副交感神経優位で膀胱平滑筋収縮+内尿道括約筋弛緩、随意的に外尿道括約筋弛緩。脊髄損傷や脳卒中、多発性硬化症などではこの協調が崩れ、神経因性膀胱(排尿筋外尿道括約筋協調不全=DSD等)を生じる。抗コリン薬(オキシブチニン等)は過活動膀胱治療に、α1遮断薬(タムスロシン等)は前立腺肥大症の排尿障害治療に用いられる。

排尿時と蓄尿時の筋肉の収縮・弛緩パターンを問う基本問題。『排尿時は膀胱筋が収縮、尿道括約筋は弛緩』と逆の動きをすることを理解するのがポイント。

※公式問題・正答は厚生労働省公開資料をもとに整理しています。