NPPV導入後の訪問介護で見逃せない観察ポイント
看護師国家試験 第110回 午後 第116問(状況設定問題)
国試問題にチャレンジ
状況設定
Aさん( 37歳、男性)は妻( 40歳、会社員)と2人暮らし。筋強直性ジストロフィー( myotonic dystrophy )で週5回の訪問介護を利用していた。1か月前に傾眠傾向が著明となり入院して精査した結果、睡眠時無呼吸に対して夜間のみフェイスマスクを用いた非侵襲的陽圧換気療法が導入された。Aさんは四肢遠位筋に筋萎縮と筋力低下があるが、室内の移動は電動車椅子を操作して自力で行え、食事も準備すれば妻と同じものを摂取できる。退院後、週1回午後に訪問看護が導入されることになった。
退院前カンファレンスで、訪問介護の担当者から、これまでと同様に退院後も昼食の準備と後始末、口腔ケア、入浴介助を行う予定と発言があった。訪問看護師は訪問介護の担当者に、Aさんの状態の変化に気付いたら連絡がほしいと協力を求めた。 訪問介護の担当者に説明するAさんの状態の変化で、特に注意が必要なのはどれか。
- 1.傾眠傾向
- 2.眼の充血
- 3.口腔内の乾燥
- 4.食事摂取量の低下
対話形式の解説
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラPOINT
NPPV導入患者で最も早期に気づくべき状態悪化のサインとして、導入契機となった症状を再認識できるかを問う問題です。
解答・解説
正解は1です
問題文:退院前カンファレンスで、訪問介護の担当者から、これまでと同様に退院後も昼食の準備と後始末、口腔ケア、入浴介助を行う予定と発言があった。訪問看護師は訪問介護の担当者に、Aさんの状態の変化に気付いたら連絡がほしいと協力を求めた。 訪問介護の担当者に説明するAさんの状態の変化で、特に注意が必要なのはどれか。
解説:正解は1の傾眠傾向です。Aさんが入院・NPPV導入に至った直接のきっかけが傾眠傾向の著明化であり、再出現は換気不全や病状進行のサインとなるため、訪問介護担当者に注視を依頼する最優先の観察項目です。
選択肢考察
- ○1. 傾眠傾向
傾眠傾向はNPPV導入のきっかけとなった症状で、再出現すれば換気不足による二酸化炭素貯留(CO2ナルコーシス)や筋強直性ジストロフィーの進行が疑われます。最も早期発見したい変化です。
- ×2. 眼の充血
筋強直性ジストロフィーでは白内障の合併はありますが、眼の充血は呼吸状態や現在の病勢を直接示すサインではなく、優先度は高くありません。
- ×3. 口腔内の乾燥
NPPV使用により口腔乾燥は起こり得るため口腔ケアで対応しますが、全身状態悪化の早期サインという位置づけではなく、最も優先すべき観察項目とはいえません。
- ×4. 食事摂取量の低下
Aさんは現状で妻と同じ食事を摂れており、摂食状況は観察すべき項目ではありますが、現在の主要問題である呼吸・意識レベル変化ほどの緊急性はありません。
筋強直性ジストロフィーは呼吸筋と横隔膜が徐々に弱り、肺胞低換気によるCO2貯留が日中の眠気として現れます。これが放置されると意識障害、頭痛、心肺停止に至ることもあり、傾眠傾向は早期介入の指標として極めて重要です。NPPV使用中は装着状況と日中覚醒度を併せて評価します。
NPPV導入患者で最も早期に気づくべき状態悪化のサインとして、導入契機となった症状を再認識できるかを問う問題です。
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