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尿素回路とアンモニア代謝を整理しよう

看護師国家試験 第111午後26

国試問題にチャレンジ

111午後26

生体内でタンパク質が分解され、アミノ酸の代謝が進んで生じたアンモニアは肝臓で( )に変換される。 ( )に入るのはどれか。

  1. 1.尿酸
  2. 2.尿素
  3. 3.亜硝酸
  4. 4.一酸化窒素

対話形式の解説

博士博士
今日はタンパク質代謝の問題じゃ。アミノ酸の代謝で生じるアンモニアの行方を追っていくぞ。
サクラサクラ
博士、アンモニアは肝臓で何に変換されるのですか?
博士博士
正解は2の尿素じゃ。アンモニアは神経毒性が強いため、肝臓の尿素回路(オルニチン回路)で無毒な尿素に変換されるのじゃ。
サクラサクラ
なぜアンモニアは毒性が強いのですか?
博士博士
アンモニアは中枢神経に蓄積すると神経伝達物質のバランスを崩し、意識障害や羽ばたき振戦を引き起こす。これが肝性脳症の本態じゃ。
サクラサクラ
尿素回路はどのような反応ですか?
博士博士
オルニチン→シトルリン→アルギニノコハク酸→アルギニン→オルニチンと回る反応じゃ。1分子のアンモニアと1分子のCO2から1分子の尿素が作られる。
サクラサクラ
1の尿酸はどう違うのですか?
博士博士
尿酸はプリン体の代謝産物じゃ。核酸の分解から生じる物質で、痛風の原因となる高尿酸血症の主成分じゃ。アンモニアとは別経路じゃな。
サクラサクラ
3の亜硝酸は?
博士博士
亜硝酸は土壌の細菌が硝酸を還元してできる物質で、ヒトの肝臓での代謝とは関係ない。食品中の発色剤としても使われる。
サクラサクラ
4の一酸化窒素はどうですか?
博士博士
一酸化窒素(NO)はアルギニンから一酸化窒素合成酵素により作られる血管拡張因子じゃ。狭心症でニトログリセリンを使うのも、最終的にNOを生成するからじゃ。
サクラサクラ
肝硬変の患者では尿素回路に問題が起きるのですね。
博士博士
その通りじゃ。肝機能低下で尿素回路が機能不全になると血中アンモニアが上昇し、肝性脳症を起こす。羽ばたき振戦や意識障害が典型症状じゃ。
サクラサクラ
肝性脳症の治療はどうするのですか?
博士博士
ラクツロースで腸内のアンモニア産生を抑え、分岐鎖アミノ酸(BCAA)製剤で肝臓の代謝を補助する。タンパク質制限も必要じゃな。
サクラサクラ
尿素はその後どうなるのですか?
博士博士
血液を介して腎臓に運ばれ、糸球体で濾過されて尿中に排泄される。だから血中尿素窒素(BUN)の測定が腎機能や肝機能、脱水の指標になるのじゃぞ。

POINT

アミノ酸代謝で生じるアンモニアが肝臓の尿素回路で尿素に変換されることを問う基礎的な人体機能の問題。肝性脳症の病態理解にもつながる。

解答・解説

正解は2です

問題文:生体内でタンパク質が分解され、アミノ酸の代謝が進んで生じたアンモニアは肝臓で( )に変換される。 ( )に入るのはどれか。

解説:正解は 2 です。タンパク質が分解されてできたアミノ酸は脱アミノ反応によりアンモニアを生じます。アンモニアは神経毒性が強いため、肝臓の尿素回路(オルニチン回路)で無毒な尿素に変換され、腎臓を経て尿中に排泄されます。肝硬変などで尿素回路が機能しなくなると血中アンモニアが上昇し、肝性脳症を引き起こします。

選択肢考察

  1. ×1.  尿酸

    尿酸はプリン体代謝の最終産物で、核酸(DNA・RNA)の分解物。アンモニアからは生成されない。

  2. 2.  尿素

    アンモニアは肝臓の尿素回路(オルニチン回路)で無毒な尿素に変換され、腎臓で尿中に排泄される。

  3. ×3.  亜硝酸

    亜硝酸は硝酸菌による硝酸還元で生じる物質で、ヒトの肝臓での代謝経路には関係しない。

  4. ×4.  一酸化窒素

    一酸化窒素(NO)はアルギニンから生成される血管拡張因子。アンモニアの代謝産物ではない。

尿素回路はオルニチン→シトルリン→アルギニノコハク酸→アルギニン→オルニチンと回る反応経路で、1分子のアンモニアと1分子のCO2から1分子の尿素が合成されます。肝不全では尿素回路機能低下により高アンモニア血症を来し、羽ばたき振戦・意識障害(肝性脳症)を生じます。治療にはラクツロース(アンモニア産生抑制)や分岐鎖アミノ酸製剤が用いられます。

アミノ酸代謝で生じるアンモニアが肝臓の尿素回路で尿素に変換されることを問う基礎的な人体機能の問題。肝性脳症の病態理解にもつながる。

※公式問題・正答は厚生労働省公開資料をもとに整理しています。