高齢者の排尿を読み解く ― 残尿が増える理由
看護師国家試験 第112回 午前 第84問
国試問題にチャレンジ
老化による尿の生成と排尿機能の変化はどれか。
- 1.排尿回数の減少
- 2.膀胱容量の増加
- 3.夜間尿量の減少
- 4.残尿量の増加
- 5.尿比重の上昇
対話形式の解説
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
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サクラ
博士POINT
加齢による泌尿器機能の変化を正しく理解しているか。膀胱容量減少・残尿増加・尿比重低下・夜間多尿の方向性を問う。
解答・解説
正解は4です
問題文:老化による尿の生成と排尿機能の変化はどれか。
解説:正解は 4 です。加齢に伴い膀胱平滑筋の弾性低下・膀胱容量減少・排尿筋収縮力低下が起こり、尿を出し切れず残尿量が増加する。男性では前立腺肥大による尿道圧迫、女性では骨盤底筋群の弛緩も重なる。残尿は尿路感染や溢流性尿失禁の原因となるため、高齢者ケアで特に注意すべき変化である。
選択肢考察
- ×1. 排尿回数の減少
膀胱容量減少と尿の濃縮能低下により、むしろ排尿回数は増加する。夜間頻尿も高齢者で頻発する。
- ×2. 膀胱容量の増加
加齢に伴い膀胱壁の線維化・弾性低下が進み、膀胱容量は減少する。若年成人で400〜500mL程度が、高齢者では250〜300mL程度まで減る。
- ×3. 夜間尿量の減少
抗利尿ホルモン(ADH)の夜間分泌ピーク低下や概日リズムの乱れにより、夜間尿量はむしろ増加する。夜間頻尿の主要因。
- ○4. 残尿量の増加
排尿筋収縮力低下と膀胱弾性低下で尿を出し切れず、残尿が増える。50mL以上で尿路感染や溢流性失禁のリスク。
- ×5. 尿比重の上昇
腎の濃縮能低下により尿比重は低下し、薄い尿が多量に生成される。脱水時でも濃縮しきれないため脱水検出が難しくなる点に注意。
高齢者の排尿機能変化は『出しきれない・ためられない・夜間に多い』の三拍子で覚える。具体的には、膀胱容量低下で尿意までの時間が短い、排尿筋収縮力低下で残尿増加、ADHリズム乱れで夜間多尿、尿濃縮能低下で頻回多量の希釈尿となる。尿失禁は腹圧性・切迫性・溢流性・機能性に分類され、残尿増加は溢流性失禁の原因。排尿日誌の活用、骨盤底筋訓練、排尿誘導、適切な水分摂取、転倒予防を含めた夜間トイレ環境整備が看護のポイントとなる。
加齢による泌尿器機能の変化を正しく理解しているか。膀胱容量減少・残尿増加・尿比重低下・夜間多尿の方向性を問う。
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