StudyNurse

医療事故発生時の初動対応を押さえよう

看護師国家試験 第113午前90

国試問題にチャレンジ

113午前90

薬剤投与に関する重大な医療事故が発生した。このときの看護師の対応で適切なのはどれか。2つ選べ。

  1. 1.患者の状況を確認して安全を確保する。
  2. 2.事故発生状況の詳細を看護記録に残す。
  3. 3.薬剤投与に使用した物品は直ちに処分する。
  4. 4.患者の容態が落ち着いてから上司に報告する。
  5. 5.患者および家族に事故状況を説明するのは、原因が判明した後にする。

対話形式の解説

博士博士
今回は医療事故が起きたときの対応じゃ。最優先にすべきことは何だと思う。
サクラサクラ
やはり患者の安全確保でしょうか。
博士博士
その通りじゃ。バイタルサインを確認し応援を呼んで救急対応を進める。
サクラサクラ
記録はいつ書けばよいですか。
博士博士
事実が鮮明なうちに時系列で客観的に残すのじゃ。あとからの改ざんは厳禁じゃぞ。
サクラサクラ
使用した物品はどうしますか。
博士博士
廃棄してはいかん。原因究明の証拠として保全するのが原則じゃ。
サクラサクラ
上司への報告はタイミングをどう考えますか。
博士博士
容態の落ち着きを待つのではなく速やかに報告せよ。組織対応が早いほど被害は小さく済む。
サクラサクラ
家族への説明は原因が判明してからでよいのでしょうか。
博士博士
いや、わかっている範囲で早期に誠実に説明し謝罪することが信頼維持に繋がる。
サクラサクラ
隠蔽は絶対にダメなのですね。
博士博士
隠蔽は法的にも倫理的にも重大な過失じゃ。透明性が鉄則じゃよ。
サクラサクラ
医療事故調査制度というのはどんな仕組みですか。
博士博士
予期せぬ死亡が起きた場合にセンターへ届け出て院内調査を行う制度じゃ。
サクラサクラ
インシデントレポートは個人の責任追及ではないのですね。
博士博士
組織として学び再発を防ぐためのものじゃ。そこを間違えてはならぬ。

POINT

医療事故発生時の初動対応(安全確保・記録・速報・誠実説明・証拠保全)の原則を理解しているかを問う問題です。

解答・解説

正解は1です

問題文:薬剤投与に関する重大な医療事故が発生した。このときの看護師の対応で適切なのはどれか。2つ選べ。

解説:正解は1と2です。重大な医療事故が発生した場合、患者の安全確保を最優先とし、事故の事実関係を正確に看護記録に残して原因究明と再発防止につなげることが基本原則です。

選択肢考察

  1. 1.  患者の状況を確認して安全を確保する。

    医療事故発生時は患者の生命と安全が最優先課題です。バイタルサインと意識レベルを確認し、医師への応援要請と救急対応を並行して行います。

  2. 2.  事故発生状況の詳細を看護記録に残す。

    発生日時・経緯・患者の反応・実施した処置を時系列で客観的に記録します。これは原因分析と再発防止策立案の基礎資料となるほか、法的にも重要な証拠となります。

  3. ×3.  薬剤投与に使用した物品は直ちに処分する。

    薬剤・アンプル・シリンジ・投与経路に関連する物品は原因究明のための重要な証拠です。安易に廃棄せず、所定の方法で保全して調査に用いる必要があります。

  4. ×4.  患者の容態が落ち着いてから上司に報告する。

    重大事故は発生直後に速やかに上司や医療安全管理者へ報告することが原則です。組織的対応により迅速な治療と情報共有が可能となり、被害拡大を防げます。

  5. ×5.  患者および家族に事故状況を説明するのは、原因が判明した後にする。

    原因判明を待たず、わかっている範囲で誠実に説明・謝罪することが求められます。説明が遅れると信頼関係を損ない紛争化するリスクが高まります。

医療法では医療事故調査制度が定められ、予期しなかった死亡・死産は医療事故調査・支援センターへの届出と院内調査が義務付けられています。インシデント・アクシデントレポートは個人の責任追及ではなく組織学習の材料として活用することが大切です。

医療事故発生時の初動対応(安全確保・記録・速報・誠実説明・証拠保全)の原則を理解しているかを問う問題です。

※公式問題・正答は厚生労働省公開資料をもとに整理しています。