胆汁は酵素じゃない 脂肪を乳化する縁の下の力持ち
看護師国家試験 第114回 午後 第12問 / 必修問題
国試問題にチャレンジ
胆汁の作用はどれか。
- 1.脂肪の乳化
- 2.蛋白質の分解
- 3.胃酸分泌の促進
- 4.炭水化物の分解
対話形式の解説
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士POINT
胆汁の機能を正確に理解する問題。胆汁は消化酵素を含まないが、脂肪を乳化することで脂肪消化を補助するという点が核心。
解答・解説
正解は1です
問題文:胆汁の作用はどれか。
解説:正解は 1 の脂肪の乳化です。胆汁は肝臓で1日約500〜1000mL産生され、胆嚢で濃縮・貯蔵された後、食物(特に脂肪)が十二指腸に到達するとコレシストキニンの作用で胆嚢が収縮し、総胆管を経てファーター乳頭から十二指腸へ排出されます。胆汁中の胆汁酸塩は水に溶けやすい部分と脂質に親和性のある部分の両方をもつ両親媒性の物質で、大きな脂肪滴を細かい微粒子に分散させる「乳化作用」をもちます。乳化により脂肪と消化酵素(膵リパーゼ)の接触面積が拡大し、消化吸収が効率よく進みます。胆汁自体には消化酵素は含まれていない点に注意が必要です。
選択肢考察
- ○1. 脂肪の乳化
胆汁酸塩がもつ界面活性作用により、大きな脂肪粒子を微細なミセルに分散させる。これによって膵リパーゼによる脂肪分解が促進される。
- ×2. 蛋白質の分解
蛋白質はまず胃液中のペプシン、続いて膵液中のトリプシン・キモトリプシンなどの蛋白分解酵素により分解される。胆汁は蛋白質の分解には関与しない。
- ×3. 胃酸分泌の促進
胃酸分泌は胃幽門部のG細胞から分泌されるガストリン、迷走神経刺激、ヒスタミンなどによって促進される。胆汁は十二指腸で作用する物質であり、胃酸分泌の制御は行わない。
- ×4. 炭水化物の分解
炭水化物は唾液および膵液に含まれるアミラーゼによってデキストリンや麦芽糖まで分解され、最終的に小腸刷子縁の二糖類分解酵素によって単糖となる。胆汁は炭水化物の分解には関与しない。
胆汁の主成分は胆汁酸(コール酸・ケノデオキシコール酸など)、ビリルビン、コレステロール、リン脂質である。胆汁酸は小腸末端の回腸で約95%が再吸収され門脈を経て肝臓に戻る「腸肝循環」を行う。ビリルビンは赤血球が破壊されて生じるヘモグロビン由来の代謝物で、胆汁を介して便中に排泄される。便の褐色は胆汁色素由来であり、胆道閉塞では灰白色便(無胆汁便)と黄疸が同時に出現することを臨床所見として押さえておくとよい。
胆汁の機能を正確に理解する問題。胆汁は消化酵素を含まないが、脂肪を乳化することで脂肪消化を補助するという点が核心。
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