肝細胞癌に対するTAEを理解しよう
看護師国家試験 第115回 午後 第49問
国試問題にチャレンジ
肝動脈塞栓術〈TAE〉の適応となる疾患はどれか。
- 1.肝嚢胞
- 2.脂肪肝
- 3.肝細胞癌
- 4.急性A型肝炎
対話形式の解説
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラPOINT
肝細胞癌が肝動脈優位の血流支配を受ける hypervascular な腫瘍であり、その栄養動脈を遮断するTAEが代表的な局所治療となることを理解しているかが問われています。
解答・解説
正解は3です
問題文:肝動脈塞栓術〈TAE〉の適応となる疾患はどれか。
解説:正解は 3 です。肝動脈塞栓術(TAE:Transcatheter Arterial Embolization)は、大腿動脈などからカテーテルを挿入し、肝臓の腫瘍を栄養している肝動脈の枝にゼラチンスポンジなどの塞栓物質を注入して血流を遮断する治療法です。正常な肝細胞が門脈と肝動脈の両方から血液供給を受けているのに対し、肝細胞癌は主に肝動脈から栄養を受けるという特徴を利用しており、腫瘍部分のみを選択的に虚血壊死させることが可能です。抗がん剤と併用する肝動脈化学塞栓術(TACE)も含めて、手術不能例や多発性病変に対する代表的な局所療法として位置付けられています。
選択肢考察
- ×1. 肝嚢胞
肝嚢胞は肝臓内に液体がたまった袋状の良性病変であり、無症状であれば経過観察、症状を伴う巨大嚢胞では穿刺吸引やエタノール注入、開窓術などが選択されます。腫瘍への動脈血流遮断を目的とするTAEの適応疾患ではありません。
- ×2. 脂肪肝
脂肪肝は肝細胞に中性脂肪が過剰に蓄積した状態で、生活習慣病やアルコール摂取が背景にあります。治療は食事療法・運動療法・原疾患の管理が中心で、血管内治療であるTAEの適応とはなりません。
- ○3. 肝細胞癌
肝細胞癌は主に肝動脈から血液供給を受ける hypervascular な腫瘍であり、その性質を利用して栄養動脈を塞栓するTAEが標準的治療の一つとされています。切除不能例や肝予備能が保たれた多発例で広く行われ、抗がん剤を併用するTACEもあります。
- ×4. 急性A型肝炎
急性A型肝炎はHAVウイルス感染による急性の肝炎で、安静と対症療法で自然軽快することが多い疾患です。腫瘍ではなく炎症性疾患であり、血流遮断によるTAEの適応にはなりません。
TAEの合併症として、塞栓後症候群(発熱・腹痛・嘔気)、肝機能の一時的悪化、胆嚢炎、まれに肝膿瘍や腎機能障害(造影剤による)が知られています。看護では、術後の穿刺部出血と下肢の血流障害、バイタルの変動、疼痛や発熱への対応が重要です。肝細胞癌の治療選択肢としては、肝切除、ラジオ波焼灼術(RFA)、肝移植、分子標的薬、TAE/TACEなどがあり、腫瘍の大きさ・個数・肝予備能(Child-Pugh分類)によって決まることを押さえておきましょう。
肝細胞癌が肝動脈優位の血流支配を受ける hypervascular な腫瘍であり、その栄養動脈を遮断するTAEが代表的な局所治療となることを理解しているかが問われています。
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