全身に広がる淡紅色の発疹、薔薇疹の正体は?梅毒の臨床像を読み解く
看護師国家試験 第114回 午後 第53問
国試問題にチャレンジ
梅毒(syphilis)について正しいのはどれか。
- 1.ワクチンによる予防が可能である。
- 2.パートナーの検査は不要である。
- 3.ウイルス感染症である。
- 4.ばら疹を認める。
対話形式の解説
博士
サクラ
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博士
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サクラ
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サクラPOINT
梅毒の病原体・臨床経過・予防の基本知識を問う問題。第2期に出現する薔薇疹の特徴と、細菌感染症であることを正確に押さえることがポイント。
解答・解説
正解は4です
問題文:梅毒(syphilis)について正しいのはどれか。
解説:正解は 4 です。梅毒は梅毒トレポネーマ(Treponema pallidum)というスピロヘータ科の細菌による性感染症で、感染症法では5類感染症に位置づけられ、診断した医師は7日以内に届け出る義務がある。臨床経過は第1期(感染部位の硬性下疳・無痛性リンパ節腫脹)、第2期(感染後数か月、全身に薔薇疹と呼ばれる淡紅色の発疹や扁平コンジローマ)、潜伏梅毒、晩期梅毒(ゴム腫・心血管梅毒・神経梅毒)と進行する。第2期に出現する薔薇疹は手掌・足底を含む全身に分布し、痛みや痒みを伴わないのが特徴である。
選択肢考察
- ×1. ワクチンによる予防が可能である。
現在のところ梅毒に有効なワクチンは存在しない。予防はコンドームの正しい使用、不特定多数との性交渉を避けること、早期診断・早期治療が中心となる。
- ×2. パートナーの検査は不要である。
梅毒は主に性的接触で感染するため、パートナーが無症状でも感染している可能性が高い。再感染(ピンポン感染)防止のためにもパートナーの検査・治療は必須である。
- ×3. ウイルス感染症である。
梅毒の原因病原体である梅毒トレポネーマはらせん菌(スピロヘータ)であり細菌の一種。治療にはペニシリン系抗菌薬が第一選択となり、ウイルス感染症ではない。
- ○4. ばら疹を認める。
薔薇疹は感染後3か月前後の第2期に出現する淡紅色の小斑状発疹で、体幹・手掌・足底などに左右対称性に広がる。痛みや掻痒を伴わない点が他の発疹疾患との鑑別点である。
梅毒は近年、男女ともに国内報告数が急増しており、特に若年女性での増加が顕著で先天梅毒のリスクも高まっている。診断はTPHA・FTA-ABS(特異的検査)とRPR・VDRL(非特異的検査)を組み合わせて評価し、治療はベンジルペニシリン筋注または経口アモキシシリンが用いられる。治療開始数時間以内にJarisch-Herxheimer反応(発熱・悪寒)が起こることがあり患者への事前説明が必要となる。妊婦の感染では経胎盤感染による先天梅毒を起こすため妊娠初期のスクリーニング検査が法定的に行われている。
梅毒の病原体・臨床経過・予防の基本知識を問う問題。第2期に出現する薔薇疹の特徴と、細菌感染症であることを正確に押さえることがポイント。
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