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MMSEとHDS-Rの違いを一発で見抜く!3段階命令はどっち?

看護師国家試験 第115午後55

国試問題にチャレンジ

115午後55

認知機能の評価で、高齢者に3段階の命令で行動を促す項目が含まれるのはどれか。

  1. 1.Clinical Dementia Rating〈CDR〉
  2. 2.Functional Assessment Staging〈FAST〉
  3. 3.改訂長谷川式簡易知能評価スケール〈HDS-R〉
  4. 4.Mini-Mental State Examination〈MMSE〉

対話形式の解説

博士博士
今回は認知機能の評価スケールについて学ぶぞ。看護師国家試験では毎年のように出題される重要分野じゃ。
サクラサクラ
認知機能の検査って、長谷川式とMMSEの2つがあるって聞いたことがあります。
博士博士
うむ、その2つがスクリーニングの代表格じゃな。改訂長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)は日本で開発されたもので、MMSEは1975年にアメリカのFolsteinらが開発した世界標準の検査じゃ。
サクラサクラ
どっちも30点満点ですよね。何が違うんですか?
博士博士
ここが今日のキモじゃ。HDS-Rは「言葉だけ」で完結する検査なんじゃ。年齢を聞いたり、3つの単語を覚えてもらったり、100から7を引いてもらったり、野菜の名前を言ってもらったり…全部口頭でのやり取りじゃな。
サクラサクラ
じゃあMMSEは違うんですか?
博士博士
MMSEには「動作」を伴う課題が入っておる。具体的には、図形(五角形が2つ重なった図)を書き写してもらう模写課題、文章を読んで指示に従う読字課題、文章を書く書字課題、そして今回の問題のキーである「3段階命令」じゃ。
サクラサクラ
3段階命令って、具体的にはどんなものですか?
博士博士
例えば「右手にこの紙を取ってください、それを半分に折りたたんでください、そして私に渡してください」と一度に3つの動作を指示するんじゃ。これに正しく従えるかを見る。
サクラサクラ
なるほど!記憶だけじゃなくて、聞いて理解して体を動かす力もまとめて評価できるんですね。
博士博士
その通り。聴覚的理解、ワーキングメモリ、運動の実行(行為)が同時に評価できる優れた課題なんじゃ。失行や失語があると引っかかりやすい。
サクラサクラ
ちなみに残りの選択肢のCDRとFASTって何ですか?
博士博士
良い質問じゃ。CDR(Clinical Dementia Rating)とFAST(Functional Assessment Staging)はスクリーニングではなく「重症度判定」のツールじゃ。CDRは記憶・見当識・判断力など6領域を家族や本人への面接で評価し、0から3の5段階で重症度を出す。FASTはアルツハイマー型認知症の進行を日常生活の様子から7段階で評価するんじゃ。
サクラサクラ
つまり、HDS-RとMMSEは「認知症かどうかを見つける検査」、CDRとFASTは「どのくらい進んでいるかを評価する検査」ってことですね。
博士博士
その整理でバッチリじゃ。さらにカットオフ値も覚えておくとよい。MMSEは23点以下、HDS-Rは20点以下で認知症が疑われる。MMSEの27点以下は軽度認知障害(MCI)の可能性じゃな。
サクラサクラ
臨床で使い分けるときのポイントはありますか?
博士博士
視覚障害や運動麻痺がある人にはHDS-Rの方が施行しやすい。逆に視空間認知や行為機能まで評価したいならMMSEを選ぶとよい。両者を併用して比較することもあるぞ。
サクラサクラ
看護師として高齢者をアセスメントするときの基礎知識ですね。しっかり覚えます!

POINT

認知機能スクリーニングテストの構成項目の違いを問う問題。MMSEに特徴的な「3段階命令」を識別できるかがポイント。

解答・解説

正解は4です

問題文:認知機能の評価で、高齢者に3段階の命令で行動を促す項目が含まれるのはどれか。

解説:正解は 4 です。Mini-Mental State Examination(MMSE)は、1975年にFolsteinらによって開発された認知機能のスクリーニング検査で、30点満点で構成されています。MMSEには「右手にこの紙を持ち、それを半分に折りたたみ、私に渡してください」といった3段階の命令(3-step command)に従って行動してもらう項目が含まれており、聴覚的理解力・記憶保持・運動実行(行為)の統合機能を評価できます。一般に23点以下で認知症が疑われ、27点以下で軽度認知障害(MCI)の可能性が示唆されます。

選択肢考察

  1. ×1.  Clinical Dementia Rating〈CDR〉

    CDRは認知症の重症度を「記憶」「見当識」「判断力と問題解決」「社会適応」「家庭生活と趣味・関心」「介護状況」の6領域から半構造化面接で評価する尺度で、患者本人や家族からの情報をもとに判定する。0(健常)から3(高度認知症)の5段階で表現され、本人に課題を実施させる検査ではないため、3段階命令は含まれない。

  2. ×2.  Functional Assessment Staging〈FAST〉

    FASTはReisbergらが開発したアルツハイマー型認知症の進行段階を7段階で評価する尺度で、日常生活動作(ADL)や行動の様子から重症度を判断する。観察に基づく評価であり、本人に課題を出して回答を求める形式ではないため、3段階命令の項目はない。

  3. ×3.  改訂長谷川式簡易知能評価スケール〈HDS-R〉

    HDS-Rは日本で広く用いられる30点満点の認知機能評価で、年齢・見当識・3単語の記銘・計算(100-7)・数字の逆唱・3単語の遅延再生・物品記銘・言葉の流暢性(野菜の名前を言う)の9項目で構成される。言語性課題が中心で、3段階命令や図形模写などの動作課題は含まれない。

  4. 4.  Mini-Mental State Examination〈MMSE〉

    MMSEは30点満点の認知機能評価で、時間と場所の見当識、即時再生、注意と計算、遅延再生、言語(呼称・復唱・3段階命令・読字・書字)、図形模写の11項目を含む。3段階の命令に従って紙を扱う課題が含まれており、これがHDS-Rとの大きな違いとなる。

MMSEとHDS-Rは認知機能スクリーニングの2大ツールとして頻出。両者の決定的な違いは「動作性課題の有無」で、MMSEには3段階命令・図形模写(五角形二つの模写)・読字・書字といった動作課題が含まれるのに対し、HDS-Rは口頭課題のみで構成される。そのため失語・失書・運動麻痺がある患者ではHDS-Rの方が施行しやすい一方、MMSEは視空間認知や行為機能まで評価できる利点がある。カットオフはMMSE 23/24点、HDS-R 20/21点が認知症疑いの目安。CDRやFASTは「重症度判定」のツールで、スクリーニングのHDS-R・MMSEとは目的が異なる点も整理しておきたい。

認知機能スクリーニングテストの構成項目の違いを問う問題。MMSEに特徴的な「3段階命令」を識別できるかがポイント。

※公式問題・正答は厚生労働省公開資料をもとに整理しています。