知恵か瞬発力か?結晶性知能と流動性知能を見分けよう
看護師国家試験 第115回 午後 第9問 / 必修問題
国試問題にチャレンジ
結晶性知能はどれか。
- 1.外国語の単語を暗記する。
- 2.制限時間内に暗算をする。
- 3.新しいパソコンの使い方を覚える。
- 4.よく利用する病院から自宅への近道を考える。
対話形式の解説
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
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サクラ
博士
サクラ
博士POINT
結晶性知能(経験・学習で蓄積された知識を活用する能力)と流動性知能(新規場面での処理・推論能力)の違いを理解し、具体例から判別できるかを問う問題である。
解答・解説
正解は4です
問題文:結晶性知能はどれか。
解説:正解は4「よく利用する病院から自宅への近道を考える」である。結晶性知能(crystallized intelligence)とは、米国の心理学者キャッテル(R. B. Cattell)が提唱し、ホーン(J. L. Horn)が発展させた知能理論において、長年の経験・学習・教育を通じて獲得・蓄積される知識や言語能力、判断力、社会的スキルなどを指す。具体的には語彙力、一般常識、習慣化された問題解決パターン、土地勘などがこれにあたる。「よく利用する病院から自宅への近道」を考える行為は、過去に何度も通った経験から得た土地の知識(地理的記憶)を活用して最適なルートを判断するという、まさに蓄積された経験知の応用であり結晶性知能の典型例である。結晶性知能は加齢の影響を受けにくく、60〜70歳代まで比較的維持または向上することが知られており、高齢者の強みとして臨床的にも重要な概念である。これに対して、新規場面での処理速度や論理的推論、暗算、新しい機器の使い方の習得などは「流動性知能(fluid intelligence)」に分類され、20代をピークに加齢とともに低下していく。
選択肢考察
- ×1. 外国語の単語を暗記する。
新規の情報を機械的に記銘する作業であり、短期記憶や符号化の処理速度に依存する。これは流動性知能の要素が強く、結晶性知能の典型例ではない。すでに習得した語彙を運用する場面ではなく、新しい言語材料を覚える段階のため誤り。
- ×2. 制限時間内に暗算をする。
制限時間内での計算は、ワーキングメモリと情報処理速度を必要とする課題で、流動性知能の代表例である。加齢とともに低下しやすい能力であり、結晶性知能には該当しない。
- ×3. 新しいパソコンの使い方を覚える。
未知の機器に対する新規学習であり、新しい操作ルールへの適応・推論を要する。これは流動性知能が中心的に働く課題であり、過去の経験知を活用する結晶性知能とは異なる。
- ○4. よく利用する病院から自宅への近道を考える。
正解。「よく利用する」という表現から、過去の通院経験で蓄積された地理的知識・土地勘を活用していることが分かる。経験と学習に基づいて形成された知識を用いて判断する典型的な結晶性知能の発揮場面である。
キャッテル・ホーンの知能理論では、知能を流動性知能(Gf)と結晶性知能(Gc)に大別する。流動性知能は新規場面での推論・問題解決能力で、20歳前後をピークに30歳以降は緩やかに低下する。一方、結晶性知能は語彙・一般知識・社会的判断など経験で蓄積される能力で、60〜70代まで維持・上昇することが多い。覚え方として「流動=若さの瞬発力・処理速度」「結晶=積み重ねた経験知・語彙」と対比して整理するとよい。高齢者看護では、流動性知能の低下を補う形で結晶性知能(人生経験・知恵)が発揮される点を踏まえ、本人の強みを活かした関わりが重要となる。
結晶性知能(経験・学習で蓄積された知識を活用する能力)と流動性知能(新規場面での処理・推論能力)の違いを理解し、具体例から判別できるかを問う問題である。
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