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朝日が体内時計をリセット!夜更かし学童の生活リズム改善の第一歩

看護師国家試験 第114午後105(状況設定問題)

国試問題にチャレンジ

114午後105

状況設定

A君(12歳、男児)は、肥満を心配した保護者に連れられて来院した。A君と保護者は、医師から「1日の食事内容を毎日記録し、1週後に再診してください」と説明された。 既往歴と家族歴:特記すべきことはない。 生活歴:スナック菓子などの間食を好む。時間があればポータブル型のゲーム機でサッカーゲームばかりして、就寝時刻は毎晩午前0時を過ぎる。A君は、学校生活は楽しく思っているが朝起きられず遅刻して登校することが多い。また、運動することが嫌いなため運動の習慣はない。 身体所見:身長153.0cm(標準152.4cm)、体重61.7kg(標準44.1kg)。血圧100/60mmHg。心音と呼吸音に異常はない。腹部は平坦、軟で、肝臓と脾臓を触知しない。

A君の保護者は「この機会に、Aの生活リズムの乱れも改善したいと思います。どんなことから始めるのが良いですか」と看護師に尋ねた。 看護師の説明で適切なのはどれか。

  1. 1.「ゲーム機で遊ぶのを禁止しましょう」
  2. 2.「起床したら朝日を浴びると良いでしょう」
  3. 3.「サッカークラブに所属すると良いでしょう」
  4. 4.「しばらく学校を休ませて自宅で生活リズムを整えましょう」

対話形式の解説

博士博士
A君の保護者から『生活リズムを直したい、何から始めれば?』と相談された場面じゃ。さて何を勧める?
サクラサクラ
ゲームを禁止すれば早く寝てくれそうですけど…。
博士博士
気持ちはわかるが、12歳の子に全面禁止は反発を招きやすい。続かないし親子関係もこじれるのじゃ。
サクラサクラ
じゃあサッカークラブに入れるのは?運動不足も解消できそう。
博士博士
A君は運動嫌いと明記されておる。本人の意思を無視した提案は適切ではないし、最初の一歩としては重すぎるのう。
サクラサクラ
学校をしばらく休ませて家でリズムを整えるとか…?
博士博士
それは逆効果じゃ。学校は社会的な時刻の縛りがある貴重な機会。休めば昼夜逆転がもっと進む。それに学校生活はA君自身が楽しんでおる。
サクラサクラ
残ったのは『起床したら朝日を浴びる』ですね。これで本当にリズムが整うんですか?
博士博士
整うのじゃ。ヒトの体内時計、つまり概日リズムは約24時間より少し長くて、毎朝の光でリセットしないと後ろにずれていくのじゃ。
サクラサクラ
どこで光をキャッチしてるんですか?
博士博士
網膜から脳の視交叉上核という場所に信号が伝わる。光刺激でメラトニンの分泌が止まり、体が『朝だ』と認識する仕組みじゃ。
サクラサクラ
じゃあ夜の眠気はどうなるんですか?
博士博士
朝に光を浴びてから約14〜16時間後にメラトニンが再分泌される。すると自然と眠気が訪れるのじゃ。
サクラサクラ
だから朝の光って大事なんですね!カーテンを開けるだけでもいいんですか?
博士博士
うむ、明るい窓辺で朝食を取るだけでも違うぞ。屋外なら数千〜数万ルクス、室内でも窓際なら効果はある。
サクラサクラ
A君みたいな夜更かしの子は、夜のスマホやゲームのブルーライトも問題ですか?
博士博士
鋭いのう。就寝前の強い光はメラトニン分泌を抑えてしまう。寝る1〜2時間前は画面を控えるのが理想じゃ。
サクラサクラ
朝日を浴びる、夜は光を控える。両方セットなんですね。
博士博士
その通りじゃ。睡眠が整えば肥満や気分にも良い影響が出る。看護師としてはまず取り組みやすい一歩を提案するのが大切じゃよ。

POINT

学童期の生活リズム改善の第一歩として、最も実行しやすく効果的な指導を選ぶ問題。体内時計と光刺激の関係を理解しているかが鍵。

解答・解説

正解は2です

問題文:A君の保護者は「この機会に、Aの生活リズムの乱れも改善したいと思います。どんなことから始めるのが良いですか」と看護師に尋ねた。 看護師の説明で適切なのはどれか。

解説:正解は 2 です。生活リズムの乱れの根本には、就寝時刻が午前0時を過ぎることによる睡眠相後退と、朝の覚醒困難がある。ヒトの体内時計(概日リズム)は約24時間より少し長いため、毎朝の光刺激でリセットしないと徐々に後退してしまう。起床直後に2,500〜10,000ルクス程度の強い光(朝日)を浴びると視床下部の視交叉上核が活性化し、メラトニン分泌が抑制されて覚醒が促進される。同時に約14〜16時間後にメラトニンが再分泌されることで、夜間の自然な眠気を引き起こす。家庭ですぐに実行でき、A君の本人意思や運動嫌いといった背景にも干渉せずに始められる、最も適切な助言である。

選択肢考察

  1. ×1.  「ゲーム機で遊ぶのを禁止しましょう」

    全面禁止は思春期前の子どもには反発を招きやすく継続困難。時間や時刻を決めての段階的制限が現実的で、いきなり禁止する助言は不適切。

  2. 2.  「起床したら朝日を浴びると良いでしょう」

    朝の光刺激で体内時計をリセットし、夜の自然な眠気を促す方法。家庭で即実行でき、本人の意思に過度な負担をかけない最も適切な指導。

  3. ×3.  「サッカークラブに所属すると良いでしょう」

    A君は運動が嫌いと明記されており、本人の意思を確認せず一方的にクラブ加入を勧めるのは適切でない。まずは抵抗の少ない生活習慣の改善から始める。

  4. ×4.  「しばらく学校を休ませて自宅で生活リズムを整えましょう」

    学校生活はA君が楽しんでおり、社会的時刻を維持する貴重な機会。休ませると逆に昼夜逆転を助長し、登校再開も難しくなる。

概日リズム障害には睡眠相後退症候群、睡眠相前進症候群、不規則睡眠覚醒型、非24時間睡眠覚醒型などがある。学童・思春期では睡眠相後退症候群が多く、対策の柱は(1)朝の高照度光療法(朝日浴)、(2)就寝前のブルーライト制限、(3)起床・就寝時刻の固定、(4)日中の運動習慣の4本。睡眠不足は肥満、抑うつ、学業不振との関連も指摘されており、A君のような肥満児では睡眠改善が体重管理にも好影響をもたらす。

学童期の生活リズム改善の第一歩として、最も実行しやすく効果的な指導を選ぶ問題。体内時計と光刺激の関係を理解しているかが鍵。

※公式問題・正答は厚生労働省公開資料をもとに整理しています。