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止血のカギは血漿にあり!凝固因子と血小板が織りなす生体防御のしくみ

看護師国家試験 第115午前11 / 必修問題

国試問題にチャレンジ

115午前11

止血機構を有するのはどれか。

  1. 1.血 漿
  2. 2.細胞内液
  3. 3.脳脊髄液
  4. 4.リンパ液

対話形式の解説

博士博士
今回は「止血機構を担う体液は何か」というテーマじゃ。出血したときに血が止まる仕組み、ちゃんと説明できるかの?
サクラサクラ
えっと…血が固まる、ですよね。でも具体的にどの体液が関わっているのかは曖昧かもしれません。
博士博士
選択肢には血漿、細胞内液、脳脊髄液、リンパ液とあるが、どれだと思う?
サクラサクラ
血漿、ですかね?血液に関係しそうだから…でも自信ないです。
博士博士
正解じゃ!血漿が止血機構を担う本体じゃよ。血漿は血液の液性成分で、フィブリノゲンやプロトロンビンをはじめ、凝固因子のほとんどを含んでおる。
サクラサクラ
凝固因子って、よく聞きますけど何種類くらいあるんですか?
博士博士
第Ⅰ因子から第ⅩⅢ因子まで番号が振られておる。第Ⅰ因子がフィブリノゲン、第Ⅱ因子がプロトロンビン、というふうにな。これらが連鎖的に活性化していくのを「凝固カスケード」と呼ぶのじゃ。
サクラサクラ
ドミノ倒しみたいなイメージですか?
博士博士
まさにそれじゃ。最終的にトロンビンがフィブリノゲンをフィブリンに変換し、網目状の構造で血球を絡め取って強固な血栓を作る。これが二次止血じゃよ。
サクラサクラ
じゃあ一次止血は何ですか?
博士博士
一次止血は血小板の仕事じゃ。血管が傷つくと露出したコラーゲンにvWF(フォン・ヴィレブランド因子)を介して血小板が粘着し、活性化・凝集して血小板血栓を作る。これが応急処置のような役割じゃな。
サクラサクラ
なるほど、まず血小板でフタをして、そのあと凝固因子でガッチリ固める二段構えなんですね。他の選択肢はどうしてダメなんですか?
博士博士
細胞内液は細胞の中の水分で、血管外の閉じた区画。凝固因子はないし、出血の場に出てこないのじゃ。脳脊髄液は脳と脊髄を守るクッションのような体液で、これも凝固には関わらん。リンパ液はリンパ球を運んだり脂肪を吸収したりするのが主な役割じゃ。
サクラサクラ
どれも別の仕事をしているんですね。ところで、ビタミンKと凝固因子の関係って国試でよく出ますよね?
博士博士
よく気づいたの。ⅡⅦⅨⅩ因子はビタミンK依存性で、肝臓で合成される。だからワルファリンというビタミンK拮抗薬を使うと、これらの因子が作られにくくなり、抗凝固効果が出るのじゃ。
サクラサクラ
新生児にビタミンKシロップを飲ませるのも、出血予防のためでしたよね。
博士博士
その通り!新生児はビタミンKが不足しがちで、特発性乳児ビタミンK欠乏症(頭蓋内出血)を起こすことがある。それを防ぐためにK2シロップを投与するのじゃ。
サクラサクラ
臨床ではDICとかも出てきますよね。あれはどう理解すればいいですか?
博士博士
DIC(播種性血管内凝固症候群)は、全身で過剰に凝固が起こって凝固因子と血小板が消費され、逆に出血しやすくなる病態じゃ。線溶系も亢進してフィブリン分解産物(FDPやDダイマー)が上昇する。これも血漿中の因子が主役の病態じゃな。
サクラサクラ
止血機構って、ただ血を止めるだけじゃなくて、止めすぎないバランスも大事なんですね。
博士博士
その通りじゃ。止血と線溶のバランスが崩れると、血栓症や出血傾向につながる。看護師は採血後の止血確認、抗凝固薬服用患者の観察、創傷部位の出血量評価など、日常的に止血機構と向き合っておるのじゃ。

POINT

止血に関与するのは血液(特に血小板と血漿中の凝固因子)であることを問う基礎問題。体液の種類とそれぞれの役割を区別し、凝固因子を含むのが血漿である点を押さえることがポイント。

解答・解説

正解は1です

問題文:止血機構を有するのはどれか。

解説:正解は 1 です。止血機構は、出血した部位を速やかに塞いで失血を防ぐ生体防御反応であり、大きく「一次止血(血小板による血栓形成)」と「二次止血(凝固因子によるフィブリン網形成)」の二段階に分けられる。血漿は血液の液性成分であり、フィブリノゲン(第Ⅰ因子)、プロトロンビン(第Ⅱ因子)、第Ⅴ・Ⅶ・Ⅷ・Ⅸ・Ⅹ・Ⅺ・Ⅻ因子といった多数の凝固因子を含むため、止血機構の主要な担い手となる。一次止血で血小板が損傷部位に粘着・凝集して血小板血栓を作った後、血漿中の凝固因子がカスケード反応を起こし、最終的にフィブリンが析出して強固な二次血栓を形成することで止血が完成する。

選択肢考察

  1. 1.  血 漿

    血漿は血液の約55%を占める液性成分で、水・電解質・血漿タンパク(アルブミン、グロブリン、フィブリノゲン)に加え、プロトロンビンをはじめとする凝固因子をほぼすべて含む。これら凝固因子が連鎖反応(凝固カスケード)を起こしフィブリンを生成することで、二次止血を担う。よって止血機構を有する体液として最も適切である。

  2. ×2.  細胞内液

    細胞内液は細胞膜の内側に存在する体液で、カリウムやリン酸などを多く含み、細胞代謝の場として機能する。凝固因子は含まれておらず、また血管外の閉じた区画にあるため、止血機構には直接関与しない。

  3. ×3.  脳脊髄液

    脳脊髄液は脈絡叢で産生され、脳室・くも膜下腔を循環して中枢神経を物理的・化学的に保護する役割を担う体液である。タンパク濃度は極めて低く凝固因子も含まないため、止血機構には関与しない。

  4. ×4.  リンパ液

    リンパ液は組織間液がリンパ管に取り込まれたもので、脂肪の運搬や老廃物の回収、リンパ球による免疫応答などに関与する。血漿に似た成分を含むが、凝固因子は少なく止血機構を担う体液とはいえない。

止血機構は3段階で理解すると整理しやすい。①血管収縮:損傷血管が反射的に収縮して血流を減らす。②一次止血:血小板が露出したコラーゲンにvWF(フォン・ヴィレブランド因子)を介して粘着し、活性化・凝集して血小板血栓を作る。③二次止血:内因系・外因系の凝固カスケードが進行し、最終的にトロンビンがフィブリノゲンをフィブリンに変換して強固な血栓を形成する。これらに加え、線溶系(プラスミンによるフィブリン分解)が血栓の過剰形成を防ぎバランスを保っている。血漿中の凝固因子の多くは肝臓で合成され、ⅡⅦⅨⅩ因子はビタミンK依存性であるため、ワルファリン服用や肝機能障害では出血傾向が生じる点も国試頻出である。

止血に関与するのは血液(特に血小板と血漿中の凝固因子)であることを問う基礎問題。体液の種類とそれぞれの役割を区別し、凝固因子を含むのが血漿である点を押さえることがポイント。

※公式問題・正答は厚生労働省公開資料をもとに整理しています。