壮年期は『下がる』がキーワード!加齢で変わる身体機能を整理しよう
看護師国家試験 第115回 午後 第8問 / 必修問題
国試問題にチャレンジ
壮年期の身体的変化はどれか。
- 1.残気量の減少
- 2.柔軟性の向上
- 3.基礎代謝の低下
- 4.視機能の調節力の向上
対話形式の解説
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラPOINT
壮年期に起こる加齢に伴う身体的変化を正しく理解しているかを問う問題で、代謝・呼吸・運動機能・視機能それぞれの加齢変化の方向(増加か低下か)を整理できているかがポイントです。
解答・解説
正解は3です
問題文:壮年期の身体的変化はどれか。
解説:正解は3の「基礎代謝の低下」です。壮年期は一般に30歳代後半から60歳代前半までを指す時期で、加齢に伴う身体機能の変化が徐々に顕在化してくる年代です。基礎代謝量は身体が生命維持のために安静時に消費するエネルギー量を指し、おおむね10歳代後半をピークに加齢とともに低下していきます。低下の主な要因は、加齢に伴う除脂肪体重(特に骨格筋量)の減少です。筋肉は安静時にもエネルギーを多く消費する代謝活性の高い組織であるため、筋肉量の減少はそのまま基礎代謝の低下に直結します。さらに、ホルモン分泌の変化(成長ホルモンや性ホルモンの低下)や活動量の減少も基礎代謝低下に拍車をかけます。壮年期に同じ食事量を続けていると太りやすくなり、メタボリックシンドロームや生活習慣病のリスクが高まるのはこのためです。
選択肢考察
- ×1. 残気量の減少
誤りです。残気量とは最大呼出後に肺内に残る空気の量で、加齢に伴って肺の弾性収縮力が低下し、終末細気管支が早期に閉塞しやすくなるため、残気量はむしろ増加します。同時に肺活量は低下し、機能的残気量も増加するのが加齢変化の特徴です。
- ×2. 柔軟性の向上
誤りです。加齢とともに関節周囲の結合組織のコラーゲン架橋形成が進み、靱帯や腱、関節包の弾性が低下します。さらに筋肉量と水分量の減少により、柔軟性(関節可動域)は低下していきます。壮年期以降、肩や腰の動きづらさを感じやすくなるのはこのためです。
- ○3. 基礎代謝の低下
正解です。加齢に伴い骨格筋量が減少することで基礎代謝量は低下します。男性では18歳前後、女性でも10歳代後半に基礎代謝量のピークを迎え、以降は徐々に減少していきます。壮年期にはこの低下が顕在化し、体重管理や生活習慣病予防が重要な課題となります。
- ×4. 視機能の調節力の向上
誤りです。水晶体は加齢により弾力性を失い、近くにピントを合わせる調節力が低下します。一般に40歳代から老視(老眼)が自覚されるようになり、新聞や手元の文字が見づらくなります。壮年期の代表的な身体変化の一つで、調節力は低下するため誤りです。
壮年期(おおむね30〜60歳代前半)の身体的変化は「下がる・低下する」がキーワードです。基礎代謝低下、筋力低下、骨密度低下(特に女性は閉経後に急減)、柔軟性低下、視力の調節力低下(老視)、聴力低下(高音域から)、肺活量低下、皮膚の弾力低下などが代表的です。一方で、結晶性知能(経験に基づく知識・判断力)はむしろ向上または維持される点も国試で頻出です。臨床では生活習慣病、メタボリックシンドローム、更年期障害などへの対応が中心となります。
壮年期に起こる加齢に伴う身体的変化を正しく理解しているかを問う問題で、代謝・呼吸・運動機能・視機能それぞれの加齢変化の方向(増加か低下か)を整理できているかがポイントです。
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