筋肉内注射はどこに打つ?三角筋が選ばれる解剖学的な理由
看護師国家試験 第115回 午後 第21問 / 必修問題
国試問題にチャレンジ
筋肉内注射を行う部位で適切なのはどれか。
- 1.三角筋
- 2.大殿筋
- 3.上腕二頭筋
- 4.大腿二頭筋
対話形式の解説
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士POINT
成人で筋肉内注射を行う際に、神経・血管損傷のリスクが少なく安全に施行できる部位はどこかを問う問題。臀部の第一選択が大殿筋から中殿筋へ変更されている点も含め、解剖学的安全性の観点から部位を選べるかが鍵となる。
解答・解説
正解は1です
問題文:筋肉内注射を行う部位で適切なのはどれか。
解説:正解は 1 です。筋肉内注射は、皮下組織よりも血流が豊富な筋肉に薬液を注入し、皮下注射よりも速やかな吸収を期待する投与経路である。注射部位を選ぶ際に最も重視されるのは「神経・血管を損傷せず、十分な筋厚があり、患者に苦痛を与えにくい部位」である点で、肩関節周囲にある三角筋はその条件を満たす代表的な部位の1つとされる。三角筋には肩峰から指3本(約5cm)下方の中央部に注射するのが標準的で、ワクチン接種など比較的少量(1〜2mL以下)の薬液投与で第一選択として用いられる。
選択肢考察
- ○1. 三角筋
肩峰の下方に位置する三角筋は、皮下から触知しやすく、橈骨神経や腋窩神経などの主要な神経からも一定の距離があるため安全性が高い。ワクチン接種を中心に少量投与で広く用いられる標準的な筋注部位である。
- ×2. 大殿筋
かつては臀部の筋注部位として用いられたが、深部を坐骨神経が走行し、誤穿刺による神経麻痺の事故が報告されてきた。現在は安全性の観点から、臀部に注射する場合でも大殿筋ではなく中殿筋(クラークの点・四分三分法)が推奨されている。
- ×3. 上腕二頭筋
上腕前面の上腕二頭筋には、内側を上腕動脈・正中神経・尺骨神経などが走行しており、これらを損傷するリスクが高い。筋肉内注射の標準的な部位としては推奨されない。
- ×4. 大腿二頭筋
大腿後面の大腿二頭筋は坐骨神経が近接しており、神経損傷のリスクが高い。大腿で筋注を行う場合は前外側の外側広筋(大腿四頭筋の外側部)が選択されるため、大腿二頭筋は適切ではない。
成人の筋肉内注射で安全性が確立されている代表的な部位は、(1) 三角筋(肩峰下約3横指中央)、(2) 中殿筋(クラークの点、ホッホシュテッターの部位、四分三分法)、(3) 外側広筋(大腿前外側)の3か所である。注射針は通常23〜25G、長さ25〜38mmで、皮膚に対して90度(三角筋では筋層が薄いため45〜90度)に穿刺する。注入前には逆血の確認を行い、血管内への誤注入を防ぐ。COVID-19ワクチンやインフルエンザワクチンが三角筋接種で広く実施されたことで、看護師が筋注を行う機会はますます増えている。
成人で筋肉内注射を行う際に、神経・血管損傷のリスクが少なく安全に施行できる部位はどこかを問う問題。臀部の第一選択が大殿筋から中殿筋へ変更されている点も含め、解剖学的安全性の観点から部位を選べるかが鍵となる。
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