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ABO式血液型のオモテ検査とウラ検査――凝集パターンからAB型を見抜く

看護師国家試験 第115午後28

国試問題にチャレンジ

115午後28

ABO式血液型におけるオモテ検査とウラ検査の結果を表に示す。 表の+は凝集あり、-は凝集なしを示す。 血液型判定の結果がAB型となるのはどれか。

  1. 1.
  2. 2.
  3. 3.
  4. 4.

対話形式の解説

博士博士
今日はABO式血液型の判定方法を学ぶぞ。オモテ検査とウラ検査、この2つの仕組みをきちんと理解しているかがポイントじゃ。
サクラサクラ
オモテ検査とウラ検査……名前は聞いたことがありますが、何が違うんでしょうか?
博士博士
良い質問じゃ。オモテ検査は『血球側の検査』で、被検者の赤血球膜上にA抗原やB抗原があるかを、既知の抗A血清・抗B血清を加えて凝集するかどうかで調べる。ウラ検査はその逆で、被検者の血清に既知のA型血球とB型血球を加え、血清中に抗A抗体や抗B抗体が存在するかを見るのじゃ。
サクラサクラ
なるほど、赤血球の表面にある抗原を見るのがオモテ、血清の中にある抗体を見るのがウラなんですね。
博士博士
その通り。ここで大切なのが、健常人の血清にはランツシュタイナーの法則に従って『自分の持っていない抗原に対する抗体』が自然に存在することじゃ。A型なら抗B抗体、B型なら抗A抗体、O型なら抗Aと抗B両方、そしてAB型は抗体を持たない。
サクラサクラ
だからAB型の人にA型やB型の血を輸血しても大丈夫なんですね……ってあれ、輸血は同型輸血が原則じゃなかったでしたっけ?
博士博士
鋭い指摘じゃ。理論上はAB型は『万能受血者』と呼ばれることもあるが、実臨床ではあくまで同型輸血が大原則。亜型や不規則抗体の問題もあるからな。さて本題に戻ろう。AB型のオモテ検査とウラ検査はどうなると思う?
サクラサクラ
えーと、AB型は赤血球にA抗原もB抗原も両方ある。だからオモテ検査は抗A血清でも抗B血清でも凝集する、つまり両方+。そして血清には抗A抗体も抗B抗体もないから、ウラ検査ではA型血球ともB型血球とも凝集しない、両方-……ですか?
博士博士
お見事!まさにその通りじゃ。問題の④はオモテが(+/+)、ウラが(-/-)。これがAB型のサインじゃ。
サクラサクラ
他の選択肢も整理してみますね。①はオモテで抗A血清だけ凝集、ウラでB型血球と凝集……A型。②はその逆でB型。③はオモテ両方-、ウラ両方+でO型ですね。
博士博士
完璧じゃ。O型は『抗原はないが抗体は両方持っている』という、AB型とちょうど鏡像の関係になっておるな。
サクラサクラ
そう考えると、覚えやすいですね。ところで、オモテ検査とウラ検査が食い違うことってあるんですか?
博士博士
あるとも。これを『オモテウラ不一致』というのじゃ。新生児は規則抗体がまだ作られていないからウラ検査が出ない。高齢者や免疫不全患者では抗体価が低下する。逆に白血病や多発性骨髄腫、寒冷凝集素症などでは余計な抗体が出てしまう。亜型のA2型でも紛らわしい結果になることがある。
サクラサクラ
だから両方の検査を必ずセットで行って、一致したときだけ確定するんですね。
博士博士
その通り。ABO不適合輸血は急性溶血性輸血反応を起こし、ショックやDIC、急性腎不全から死に至ることもある重大事故じゃ。判定ミスは絶対に許されん。看護師としても、輸血前のダブルチェックや患者確認には細心の注意を払うのじゃぞ。
サクラサクラ
血液型ひとつでも、看護の現場では命に直結する知識なんですね。しっかり覚えます。

POINT

ABO式血液型判定における『オモテ検査(赤血球抗原を抗A・抗B血清で調べる)』と『ウラ検査(血清中の規則抗体をA型・B型既知血球で調べる)』の凝集パターンを正しく読み取れるかを問う問題。AB型は『オモテ両方+/ウラ両方-』が特徴である。

解答・解説

正解は4です

問題文:ABO式血液型におけるオモテ検査とウラ検査の結果を表に示す。 表の+は凝集あり、-は凝集なしを示す。 血液型判定の結果がAB型となるのはどれか。

解説:正解は 4 です。ABO式血液型判定は、被検者の赤血球膜上に発現するA抗原・B抗原を調べる『オモテ検査(血球側検査)』と、被検者の血清中に存在する規則抗体(抗A抗体・抗B抗体)を調べる『ウラ検査』を組み合わせて行います。AB型は赤血球膜上にA抗原とB抗原の両方を持つため、オモテ検査では既知の抗A血清・抗B血清の両方と凝集反応を示します。さらに血清中には抗A抗体も抗B抗体も保有していないため、ウラ検査では既知のA型血球・B型血球のいずれとも凝集を起こしません。したがって、抗A血清(+)・抗B血清(+)/A型血球(-)・B型血球(-)というパターンを示す④がAB型と判定されます。

選択肢考察

  1. ×1.  

    オモテ検査で抗A血清にのみ凝集し、ウラ検査ではB型血球とのみ凝集するパターンはA型を示します。A型は赤血球にA抗原を持ち、血清中に抗B抗体を保有しているためです。

  2. ×2.  

    オモテ検査で抗B血清にのみ凝集し、ウラ検査ではA型血球とのみ凝集するパターンはB型です。B型は赤血球にB抗原を持ち、血清中に抗A抗体を保有しています。

  3. ×3.  

    オモテ検査で抗A血清・抗B血清のいずれにも凝集せず、ウラ検査ではA型血球・B型血球の両方と凝集するパターンはO型です。O型は赤血球にA抗原・B抗原を持たず、血清中には抗A抗体と抗B抗体の両方を保有します。

  4. 4.  

    オモテ検査で抗A血清・抗B血清の両方と凝集し、ウラ検査ではA型血球・B型血球のいずれとも凝集しないパターンはAB型です。赤血球膜上にA抗原・B抗原の両方を持ち、血清中には規則抗体を持たないことを示しています。

ABO式血液型は、赤血球膜上の糖鎖抗原の違い(A抗原・B抗原・H抗原)と、生後数か月以降に自然に産生される規則抗体(抗A・抗B)の組み合わせで決まる。日本人の頻度はおよそA型40%・O型30%・B型20%・AB型10%。オモテ検査とウラ検査の結果が一致しない『オモテウラ不一致』は、新生児(規則抗体が未産生)、高齢者や免疫不全患者(抗体価低下)、亜型(A2型など)、白血病や多発性骨髄腫、輸血直後、寒冷凝集素症などで生じうる。臨床ではオモテとウラを必ず両方実施し、結果が一致した場合にのみ確定診断とするのが原則。輸血時のABO不適合は致死的な溶血性輸血反応を引き起こすため、判定ミスは絶対に許されない領域である。

ABO式血液型判定における『オモテ検査(赤血球抗原を抗A・抗B血清で調べる)』と『ウラ検査(血清中の規則抗体をA型・B型既知血球で調べる)』の凝集パターンを正しく読み取れるかを問う問題。AB型は『オモテ両方+/ウラ両方-』が特徴である。

※公式問題・正答は厚生労働省公開資料をもとに整理しています。