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ドナベディアンの3要素モデル|看護の質はどう測る?

看護師国家試験 第115午後70

国試問題にチャレンジ

115午後70

看護サービスの質でストラクチャーを評価するための情報はどれか。

  1. 1.看護師の離職率
  2. 2.患者教育の方法
  3. 3.有害事象の発生数
  4. 4.ケアに対する患者・家族の満足度

対話形式の解説

博士博士
今日は看護管理学の超頻出テーマ、医療の質評価について学ぶぞ。問題は「看護サービスの質でストラクチャーを評価する情報はどれか」じゃ。
サクラサクラ
ストラクチャーって「構造」ですよね…。選択肢には離職率、患者教育の方法、有害事象の発生数、患者・家族の満足度がありますけど、どれが構造なんでしょう?
博士博士
まずは大きな枠組みから整理しよう。米国の医師アベディス・ドナベディアンが提唱した医療の質評価モデルでは、評価の視点を3つに分けるんじゃ。ストラクチャー(構造)、プロセス(過程)、アウトカム(結果)の3つじゃな。
サクラサクラ
3つに分かれているんですね。それぞれどういう意味ですか?
博士博士
ストラクチャーは医療やケアを提供する「体制・資源」そのもの。施設・設備、医療機器、看護師数、認定看護師の配置、教育体制、そして職員の定着度を示す離職率などが入る。プロセスは実際に行われた「ケアの中身・手順」で、患者教育の方法、看護計画、アセスメントの実施状況などじゃ。アウトカムは医療を受けた「結果」で、治癒率、合併症発生率、患者満足度、QOLなどじゃな。
サクラサクラ
なるほど…!その分類で考えると、選択肢1の「看護師の離職率」は人員の安定性だからストラクチャーですね。
博士博士
その通りじゃ。離職率が高い病棟では熟練看護師が育たず、教育投資が積み重ならない。だから組織が安定したケア提供体制を保てているかを示す重要な構造指標なんじゃよ。
サクラサクラ
ということは、選択肢2の「患者教育の方法」はケアの中身だからプロセス、選択肢3の「有害事象の発生数」と選択肢4の「患者・家族の満足度」は結果だからアウトカム、ということですね。
博士博士
完璧な整理じゃ!特に満足度はアウトカムに入る点は受験生が間違えやすいので注意するんじゃぞ。患者の主観的評価も「ケアを受けた結果」として扱うんじゃ。
サクラサクラ
ストラクチャー指標って、ほかにはどんなものがありますか?
博士博士
例えば7対1や10対1といった看護配置基準、専門看護師・認定看護師の配置数、看護師1人あたりの患者数、平均勤続年数、クリニカルラダーなどの教育研修体制も全部ストラクチャーじゃ。逆に褥瘡発生率や転倒・転落発生率、院内感染率、平均在院日数、再入院率などはアウトカム指標として頻出じゃな。
サクラサクラ
病院の質を評価するときって、3つを組み合わせて見るんですか?
博士博士
その通りじゃ。良い構造があっても適切なプロセスがなければ良い結果は出ないし、結果だけ見ても原因がどこにあるか分からん。看護管理者はQI(質改善)活動として3要素をバランス良くモニタリングし、PDCAサイクルで継続的に改善していくのじゃ。
サクラサクラ
米国では「マグネット・ホスピタル」って制度もあると聞きました。
博士博士
よく知っておるな。磁石のように優秀な看護師を引きつけ定着させる病院を認定する仕組みで、ストラクチャー・プロセス・アウトカムを総合的に評価する代表例じゃ。日本でも日本看護協会が看護の質評価に取り組んでおる。
サクラサクラ
看護師の離職率を下げることが、結果的に患者さんへのケアの質を高めることにつながるんですね。管理の視点って大事だなあ。

POINT

ドナベディアンの「ストラクチャー・プロセス・アウトカム」モデルに基づき、各選択肢がどの評価区分に該当するかを判別できるかを問う、看護管理学の頻出問題。

解答・解説

正解は1です

問題文:看護サービスの質でストラクチャーを評価するための情報はどれか。

解説:正解は 1 です。医療・看護サービスの質評価は、米国の医師アベディス・ドナベディアン(Avedis Donabedian)が提唱した「ストラクチャー(構造)」「プロセス(過程)」「アウトカム(結果)」の3要素モデルで整理されます。このうちストラクチャー評価は、医療・看護を提供するために整えられている資源や体制そのものを対象とし、施設・設備、医療機器、人員配置(看護師数、医師数、認定看護師・専門看護師の配置数)、教育・研修体制、看護師の経験年数、そして人員の安定性を示す離職率などが代表的な指標となります。看護師の離職率は、組織が働き続けられる職場環境を整備できているか、十分な人員でケアを提供できる体制が継続的に維持されているかを反映する重要な構造指標であり、ストラクチャー評価の情報に該当します。

選択肢考察

  1. 1.  看護師の離職率

    看護師の離職率は、看護を提供する組織体制・人的資源の安定性を示す指標であり、ドナベディアンモデルにおけるストラクチャー(構造)評価の代表的情報。離職率が高ければ熟練看護師が定着せず、教育投資の蓄積も困難になるため、ケア提供体制の質を測る上で重要となる。

  2. ×2.  患者教育の方法

    患者教育の方法は、看護師が実際に行うケアの実施過程に関する情報であり、プロセス(過程)評価に位置づけられる。どのような手順・内容で教育が行われたか、ガイドラインや看護基準に沿っているかが評価対象となる。

  3. ×3.  有害事象の発生数

    有害事象(インシデント・アクシデント、転倒、院内感染、褥瘡発生など)の発生数は、提供されたケアの結果として患者に生じた事象であり、アウトカム(結果)評価に該当する。

  4. ×4.  ケアに対する患者・家族の満足度

    患者・家族の満足度は、医療・看護サービスを受けた結果としての主観的な評価であり、アウトカム評価に分類される。QOLや治療成績などと並んで重要な結果指標となる。

ドナベディアンの3要素モデルは看護管理学の基本概念であり、国試で繰り返し出題される。ストラクチャー指標としては、7対1看護配置などの看護配置基準、認定看護師・専門看護師の配置数、看護師1人あたりの患者数、平均勤続年数、新人教育プログラム(クリニカルラダー)の整備状況などが挙げられる。プロセス指標には看護計画立案率、アセスメント実施率、標準看護手順の遵守率、患者教育の実施方法など、アウトカム指標には褥瘡発生率、転倒・転落発生率、院内感染率、患者満足度、ADL改善度、平均在院日数、再入院率などが含まれる。米国の「マグネット・ホスピタル(磁石病院)」認証制度は、看護師が定着し質の高いケアが提供される組織を認定するもので、ストラクチャー・プロセス・アウトカムを総合的に評価する仕組みとして有名である。

ドナベディアンの「ストラクチャー・プロセス・アウトカム」モデルに基づき、各選択肢がどの評価区分に該当するかを判別できるかを問う、看護管理学の頻出問題。

※公式問題・正答は厚生労働省公開資料をもとに整理しています。