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チーム医療の合言葉は『目標を共有せよ』

看護師国家試験 第115午後10 / 必修問題

国試問題にチャレンジ

115午後10

チーム医療で適切なのはどれか。

  1. 1.目標は医師の方針が優先される。
  2. 2.チームメンバー間で目標を共有する。
  3. 3.チームリーダーは看護職に固定する。
  4. 4.詳細な目的が毎日変わるのでチームを構成する。

対話形式の解説

博士博士
今日はチーム医療について学ぼう。第115回看護師国家試験の午後10問目だ。『チーム医療で適切なのはどれか』という問題だね。
サクラサクラ
博士、チーム医療って言葉はよく聞きますが、具体的にどういう意味なんですか?
博士博士
チーム医療とは、医師・看護師・薬剤師・理学療法士・作業療法士・管理栄養士・MSW(医療ソーシャルワーカー)など、専門性の異なる職種が一人の患者を中心に据えて協働する医療のことだよ。厚生労働省も2010年に『チーム医療の推進について』という報告書で、この考え方を強く推進しているんだ。
サクラサクラ
へぇ、たくさんの職種が関わるんですね。じゃあ、その中で一番偉い医師の方針が優先されるんですか?
博士博士
それは古い考え方だね。選択肢1の『目標は医師の方針が優先される』は誤りだよ。確かに医師の医学的判断は重要だけど、現代のチーム医療は『患者中心』が原則で、各職種が対等な立場で意見を出し合うんだ。
サクラサクラ
なるほど、医師がトップダウンで決めるんじゃないんですね。じゃあ正解は何ですか?
博士博士
正解は選択肢2の『チームメンバー間で目標を共有する』だよ。患者さんに対して『退院後に自宅で自立した生活を送る』のような共通の目標を全員で共有することで、看護師は日常生活援助、理学療法士は歩行訓練、栄養士は食事指導、MSWは社会資源の調整、と各専門職が同じ方向を向いて動けるんだ。
サクラサクラ
なるほど、目標がバラバラだとみんな違うことをやってしまいますもんね。でも、リーダーは必要ですよね?看護師が一番患者さんに近いから看護師がリーダーじゃないんですか?
博士博士
いい質問だね。選択肢3の『チームリーダーは看護職に固定する』は誤りなんだ。リーダーは患者さんの病期や課題によって柔軟に変わるんだよ。急性期治療なら医師、退院支援ならMSWや看護師、リハビリ期なら理学療法士、というように、その時々で最も適した職種がリーダーシップを発揮するのが理想なんだ。
サクラサクラ
職種ごとに『この場面では私の出番』っていうのがあるんですね。じゃあ選択肢4の『詳細な目的が毎日変わるのでチームを構成する』はどうですか?
博士博士
これも誤りだね。チーム医療は短期的・その場限りで作るものではなく、継続的・計画的に連携するものだよ。もちろん日々の細かな変化はカンファレンスで共有するけれど、根本的な目標やメンバー構成が毎日変わるわけじゃないんだ。
サクラサクラ
わかりました!ところで、実際の病院ではどんなチームがあるんですか?
博士博士
代表的なものに、栄養サポートチーム(NST)、感染制御チーム(ICT)、緩和ケアチーム、褥瘡対策チーム、呼吸ケアサポートチーム(RST)、認知症ケアチームなどがあるよ。これらは診療報酬でも加算が認められていて、病院運営の柱になっているんだ。
サクラサクラ
そんなにたくさんあるんですね!看護師の役割は何ですか?
博士博士
看護師は24時間患者さんのそばにいる職種だから、各職種をつなぐ調整役(コーディネーター)を担うことが多いんだ。患者さんの状態変化をいち早くキャッチして、必要な職種に橋渡しする『ハブ』のような存在だよ。
サクラサクラ
看護師の役割って、医療チームの中心なんですね。試験対策としてはどう覚えればいいですか?
博士博士
キーワードは『患者中心』『目標共有』『情報共有』『多職種協働』『対等な関係』の5つだよ。これらが含まれる選択肢は正解の可能性が高い。逆に『医師優先』『リーダー固定』『単一職種で完結』といったヒエラルキー的・閉鎖的な表現は誤答パターンだと覚えておこう。

POINT

チーム医療の基本原則を問う問題です。『患者中心』と『多職種間での目標・情報の共有』がキーワードであることを押さえましょう。

解答・解説

正解は2です

問題文:チーム医療で適切なのはどれか。

解説:正解は2「チームメンバー間で目標を共有する」です。チーム医療とは、医師・看護師・薬剤師・理学療法士・作業療法士・管理栄養士・medical social worker(MSW)など、専門性の異なる多職種が一人の患者を中心に据え、それぞれの専門知識と技術を持ち寄って協働する医療提供の形を指します。厚生労働省「チーム医療の推進について」(2010年)でも、チーム医療の基本要件として『患者中心の医療』『専門職の自律性』『情報・目標の共有』『相互理解と尊重』が掲げられており、目標の共有はチーム医療の根幹をなす原則です。共通の目標がなければ、各職種の介入がバラバラになり、患者・家族にとって一貫したケアが提供できなくなります。逆に目標が共有されていれば、各専門職は自らの役割を明確にしながらも他職種と整合した介入を行うことができ、相乗効果(シナジー)が生まれます。

選択肢考察

  1. ×1.  目標は医師の方針が優先される。

    誤りです。従来型のヒエラルキー的医療(医師主導型)と異なり、現代のチーム医療は『患者中心』を原則とし、多職種が対等な立場で意見を出し合います。医師の医学的判断はもちろん重要ですが、目標設定は患者本人の価値観や生活背景、各職種の評価を統合して決定するもので、医師の方針が一方的に優先されるわけではありません。

  2. 2.  チームメンバー間で目標を共有する。

    正解です。チーム医療では、患者の治療・ケアに関する目標を全メンバーで共有することが必須条件です。カンファレンスや電子カルテ、クリニカルパスなどを通じて目標を可視化し、各職種が同じ方向を向いて介入することで、ケアの質と安全性が向上します。

  3. ×3.  チームリーダーは看護職に固定する。

    誤りです。チームリーダーは特定の職種に固定されるものではなく、患者の病期や課題に応じて柔軟に変わります。急性期治療では医師、退院支援ではMSWや看護師、リハビリテーション期では理学療法士など、状況に最も適した職種がリーダーシップを発揮します。

  4. ×4.  詳細な目的が毎日変わるのでチームを構成する。

    誤りです。チーム医療は短期的・場当たり的に構成されるものではなく、患者の経過に応じて継続的・計画的に連携することが基本です。日々の細かな変化には情報共有で対応しますが、チームの根本的な目標やメンバー構成が毎日入れ替わるわけではありません。

チーム医療の代表例として、栄養サポートチーム(NST)、感染制御チーム(ICT)、緩和ケアチーム、褥瘡対策チーム、呼吸ケアサポートチーム(RST)、認知症ケアチームなどがあり、これらは診療報酬上も評価されています。チーム医療を機能させるためには、(1)患者中心、(2)目標と情報の共有、(3)役割分担と相互補完、(4)対等なコミュニケーション、(5)定期的なカンファレンス、(6)記録の共有(電子カルテ・クリニカルパス)が重要です。看護師は患者に最も近い職種としてチーム内の調整役(コーディネーター)を担うことが多く、各職種をつなぐハブの役割が期待されています。

チーム医療の基本原則を問う問題です。『患者中心』と『多職種間での目標・情報の共有』がキーワードであることを押さえましょう。

※公式問題・正答は厚生労働省公開資料をもとに整理しています。