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精子形成と減数分裂 ―― 2nからnへ切り替わる瞬間を見極める

看護師国家試験 第115午後77

国試問題にチャレンジ

115午後77

精子形成の過程を図に示す。 染色体が2倍体(2n)から1倍体(n)になるのはどれか。

  1. 1.
  2. 2.
  3. 3.
  4. 4.
  5. 5.

対話形式の解説

博士博士
今日は115回午後77番、精子形成の図問題を扱おう。問題文は「染色体が2倍体(2n)から1倍体(n)になるのはどれか」だ。図には①〜⑤までの段階が並んでいるね。
サクラサクラ
はい、①始原生殖細胞→精祖細胞、②精祖細胞→一次精母細胞、③一次精母細胞→二次精母細胞、④二次精母細胞→精子細胞、⑤精子細胞→精子、と並んでいる図ですよね。
博士博士
その通り。さて、結論から言うと正解は③だ。どうしてだか説明できるかな。
サクラサクラ
③は減数分裂第1分裂が起こる段階だからです。相同染色体が分かれることで、46本だった染色体が23本ずつに分かれて二次精母細胞ができます。
博士博士
素晴らしい。減数分裂第1分裂のポイントは「相同染色体の分離」だ。父由来と母由来の染色体ペアが対合して二価染色体(テトラッド)を作り、組換えを起こしたあとに別々の細胞へと分配される。これで染色体セット数が2nからnに半減するんだ。
サクラサクラ
じゃあ④の減数分裂第2分裂では何が起こるんですか?
博士博士
第2分裂では姉妹染色分体が分離する。DNA量は半分になるけれど、染色体「本数」はnのまま変化しない。ここを混同する受験生が多いから要注意だよ。
サクラサクラ
なるほど。①や②はまだ体細胞分裂の段階で2nのままなんですね。
博士博士
そう。①は始原生殖細胞が精祖細胞へと体細胞分裂で増える段階、②は精祖細胞がDNA複製を経て一次精母細胞になる段階だ。②の時点でDNA量は4n相当になるが、染色体数としては2nのままという点も押さえておこう。
サクラサクラ
⑤の精子細胞から精子になる過程は染色体数に変化はないんですか?
博士博士
ないよ。⑤はスペルミオジェネシスと呼ばれる形態変化の段階で、核の凝縮、先体(アクロソーム)の形成、鞭毛の形成、余分な細胞質の除去などが進む。受精能を持つ精子に「成熟」するプロセスで、染色体数自体は変わらない。
サクラサクラ
精子形成って全体でどのくらい時間がかかるんですか?
博士博士
ヒトでは約74日と言われている。精細管の基底側に精祖細胞があり、分化が進むにつれて内腔側へ移動し、最終的に内腔へ放出される。途中でセルトリ細胞が栄養と支持を、ライディッヒ細胞がテストステロン分泌を担っている点も国試頻出だ。
サクラサクラ
卵子形成も同じように減数分裂第1分裂で半減するんですか?
博士博士
仕組み自体は同じだが、卵子形成では減数分裂第1分裂が胎児期から始まって排卵直前まで停止し、第2分裂は受精時まで止まっている。一度に大量に作られる精子と、長期間休眠して周期的に1個ずつ成熟する卵子では時間軸がまったく違うんだ。
サクラサクラ
臨床的にはこの知識はどんな場面で生きてきますか?
博士博士
不妊治療や遺伝カウンセリングの現場で重要だよ。減数分裂時の染色体不分離はダウン症候群(21トリソミー)などの数的異常の原因になる。特に母体の加齢で第1分裂の不分離が増えることが知られている。看護師として家族指導に関わるときの背景知識として欠かせない。
サクラサクラ
図のどこで2n→nになるかを答えるだけの問題に見えて、生殖細胞の生物学全体を問う良問なんですね。
博士博士
まさにその通り。「減数分裂第1分裂=染色体数半減」というキーワードと、精子形成の段階名をセットで覚えておけば、図問題でも文章問題でも対応できる。

POINT

精子形成の過程で染色体数が2nからnへ半減するタイミング、すなわち減数分裂第1分裂の段階を特定できるかを問う問題です。

解答・解説

正解は3です

問題文:精子形成の過程を図に示す。 染色体が2倍体(2n)から1倍体(n)になるのはどれか。

解説:正解は③です。精子形成は、精巣(精細管)内で始原生殖細胞から最終的に精子が完成するまでの一連の過程を指します。図では、①始原生殖細胞→精祖細胞(精原細胞)、②精祖細胞→一次精母細胞、③一次精母細胞→二次精母細胞、④二次精母細胞→精子細胞(精細胞)、⑤精子細胞→精子(精子完成・スペルミオジェネシス)という流れで段階が示されています。このうち染色体数が2n(46本)からn(23本)へと半減するのは、一次精母細胞が減数分裂第1分裂を経て二次精母細胞へ移行する③の段階です。減数分裂第1分裂では相同染色体が対合(二価染色体形成)し、組換え(乗換え)を経たのちに別々の細胞へと分配されるため、ここで染色体セット数が半分になります。続く減数分裂第2分裂(④)は、姉妹染色分体が分離する分裂であり、染色体数自体はnのまま変化しません。⑤の精子完成過程は形態変化(核の凝縮、先体形成、鞭毛形成、細胞質除去)にとどまり、染色体数は変動しません。したがって、2nからnへの転換点は③が正解となります。

選択肢考察

  1. ×1.  

    ①は始原生殖細胞から精祖細胞(精原細胞)が生じる体細胞分裂の段階で、染色体数は2nのままです。精祖細胞は思春期以降も自己複製を続け、精子のもとになる細胞集団を維持します。

  2. ×2.  

    ②は精祖細胞が分化・成長して一次精母細胞になる段階です。DNA複製は起こり染色体は4n相当のDNA量を持ちますが、染色体数自体は2nで変化していません。

  3. 3.  

    ③は一次精母細胞が減数分裂第1分裂を行い、二次精母細胞となる段階です。相同染色体が分離して別々の細胞に分配されるため、染色体数が2nからnへと半減します。これが正解です。

  4. ×4.  

    ④は二次精母細胞が減数分裂第2分裂により精子細胞(精細胞)になる段階です。姉妹染色分体が分離するためDNA量は半分になりますが、染色体数はnのままで変化しません。

  5. ×5.  

    ⑤は精子細胞が形態変化を経て成熟精子になる段階(スペルミオジェネシス)です。核の凝縮、先体形成、鞭毛形成などの分化が中心で、染色体数は変動しません。

減数分裂は配偶子形成に特有の分裂で、第1分裂で相同染色体が分離し染色体数が半減(2n→n)、第2分裂で姉妹染色分体が分離する2段階で進行します。卵子形成でも同じ仕組みですが、卵では第2分裂が受精時まで停止している点が異なります。精子形成全体は約74日かかり、精細管の基底側から内腔側へと細胞が分化していくのも国試頻出ポイントです。「半減するのは第1分裂」と覚えておくと確実に得点できます。

精子形成の過程で染色体数が2nからnへ半減するタイミング、すなわち減数分裂第1分裂の段階を特定できるかを問う問題です。

※公式問題・正答は厚生労働省公開資料をもとに整理しています。