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自殺の原因・動機トップは何?最新統計から読み解く現代日本のメンタルヘルス

看護師国家試験 第115午前2 / 必修問題

国試問題にチャレンジ

115午前2

警察庁の「令和4年中における自殺の状況」の自殺者の原因・動機のうち最も多いのはどれか。

  1. 1.家庭問題
  2. 2.勤務問題
  3. 3.健康問題
  4. 4.経済・生活問題

対話形式の解説

博士博士
今日は『令和4年中における自殺の状況』、つまり警察庁が毎年公表している自殺統計の話をしよう。自殺者の原因・動機で最も多い区分は何だと思う?
サクラサクラ
えーと、ニュースでよく『過労死』とか『ブラック企業』って聞くので、勤務問題ですか?
博士博士
気持ちはわかるけど、実は違うんだ。最も多いのは『健康問題』だよ。これは長年変わらない傾向なんだ。
サクラサクラ
意外です!健康問題って、がんとか心臓病みたいな身体の病気のことですか?
博士博士
身体疾患ももちろん含まれるけれど、健康問題の中で圧倒的に多いのは『うつ病』をはじめとする精神疾患なんだ。慢性的な痛み、不眠、依存症なんかも入るよ。
サクラサクラ
なるほど…うつ病が自殺の最大の背景なんですね。じゃあ家庭問題や経済問題はどうなんですか?
博士博士
順位としては、健康問題に次いで家庭問題、経済・生活問題、勤務問題と続くことが多い。ただし令和4年からは1人につき原因・動機を最大4つまで計上する方式に変わったので、過去データと単純比較できない点には注意が必要だ。
サクラサクラ
計上方法が変わったんですね。ちなみに自殺者の総数はどれくらいなんですか?
博士博士
令和4年は約2万1,881人で、前年より若干増加した。ピークだった平成15年は約3万4千人だったから、減ってはいるものの、まだまだ多い状況なんだ。
サクラサクラ
2万人超…交通事故死の何倍もですよね。特に増えている層ってあるんですか?
博士博士
鋭いね。令和4年は特に小中高生の自殺者が過去最多水準となり社会問題化した。女性の自殺も近年増加傾向にある。一方で中高年男性は依然として全体の自殺率が高い層だよ。
サクラサクラ
じゃあ看護師として、患者さんのうつ病サインを見逃さないことが大事なんですね。
博士博士
その通り。睡眠障害、食欲不振、興味の喪失、希死念慮の有無などを丁寧に聞くこと。そして『ゲートキーパー』として、悩む人に気づき、声をかけ、必要な支援につなぐ役割が看護職には期待されている。自殺対策基本法と自殺総合対策大綱もぜひ覚えておこう。
サクラサクラ
統計の数字の裏に、たくさんの命の物語があるんですね。しっかり覚えます!

POINT

警察庁統計における自殺の原因・動機の最多区分が『健康問題』であることを問う、公衆衛生・精神保健領域の頻出統計問題です。

解答・解説

正解は3です

問題文:警察庁の「令和4年中における自殺の状況」の自殺者の原因・動機のうち最も多いのはどれか。

解説:正解は3の「健康問題」です。警察庁が公表する『令和4年中における自殺の状況』によれば、原因・動機が特定された自殺者のうち、最も多く挙げられているのは「健康問題」であり、全体の中で群を抜いて高い割合を占めています。健康問題には、うつ病をはじめとする精神疾患のほか、身体疾患、慢性疼痛、不眠などが含まれ、特にうつ病が背景にあるケースが多いことが知られています。日本ではWHOの分類にあわせて、自殺の原因・動機は「家庭問題」「健康問題」「経済・生活問題」「勤務問題」「男女問題」「学校問題」「その他」に区分され、1人につき最大4つまで計上される方式に令和4年から変更されました。健康問題が最多であるという傾向は近年一貫しており、自殺予防対策としてうつ病スクリーニングや精神科医療へのアクセス改善、ゲートキーパー養成などが重視されています。

選択肢考察

  1. ×1.  家庭問題

    家庭問題(夫婦不和、親子関係の不和、家族の死亡など)は自殺の原因・動機として確かに重要な区分ですが、件数としては健康問題に次ぐ規模であり、最多ではありません。

  2. ×2.  勤務問題

    勤務問題(仕事の失敗、職場の人間関係、過労、職場環境の変化など)も自殺の背景として注目されていますが、全体の中での比率は健康問題や家庭問題、経済・生活問題よりも低く、最多ではありません。

  3. 3.  健康問題

    正解。令和4年中の自殺者の原因・動機で最も多いのは健康問題です。特にうつ病をはじめとする精神疾患の影響が大きく、身体疾患の苦痛や将来不安なども含まれます。

  4. ×4.  経済・生活問題

    経済・生活問題(負債、生活苦、失業など)はバブル崩壊後や2008年のリーマンショック後に大きく増加した区分で、現在も重要な要因ですが、健康問題ほどの件数には達していません。

自殺者総数は平成10年(1998年)以降長らく年間3万人台で推移し、対策の効果もあって近年は2万人台前半まで減少しましたが、令和4年は約2万1,881人で前年より増加し、特に小中高生の自殺者数は過去最多水準となりました。原因・動機の集計方法は令和4年分から見直され、それまで上限3つだったところ最大4つまでカウント可能となったため、過去データとの単純比較には注意が必要です。自殺対策基本法(平成18年制定)と自殺総合対策大綱に基づき、医療・労働・教育・地域が連携した取り組みが続けられています。

警察庁統計における自殺の原因・動機の最多区分が『健康問題』であることを問う、公衆衛生・精神保健領域の頻出統計問題です。

※公式問題・正答は厚生労働省公開資料をもとに整理しています。