母子保健統計の死亡率を完全整理!乳児・新生児・周産期・妊産婦の違いを一発理解
看護師国家試験 第115回 午前 第64問
国試問題にチャレンジ
日本の人口動態統計における死亡率と計算式の組合せで正しいのはどれか。
- 1.周産期死亡率 ───── (妊娠満12週以後の死産数+早期新生児死亡数)÷出生数×1,000
- 2.新生児死亡率 ───── 新生児死亡数÷(出生数+死産数)×1,000
- 3.乳児死亡率 ───── 乳児死亡数÷出生数×1,000
- 4.妊産婦死亡率 ───── 妊産婦死亡数÷出生数×100,000
対話形式の解説
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士POINT
母子保健の主要な死亡率について、「分子・分母・乗数」の組合せを正確に区別できるかを問う問題。乳児死亡率=乳児死亡数÷出生数×1,000という最も基本的な定義を確実に押さえているかが鍵となる。
解答・解説
正解は3です
問題文:日本の人口動態統計における死亡率と計算式の組合せで正しいのはどれか。
解説:正解は 3 です。乳児死亡率とは、生後1年未満で死亡した乳児の数を、その年の出生数で割り、1,000を掛けて算出する指標である。式で表すと「乳児死亡数 ÷ 出生数 × 1,000」となり、地域や国の母子保健水準・社会経済状況・医療水準を総合的に反映する代表的な保健統計として国際的に用いられている。日本の乳児死亡率は近年1.8前後(出生1,000対)で推移し、世界でも有数の低水準を維持している。設問にある「乳児死亡数÷出生数×1,000」は、まさにこの定義どおりの計算式であり、4つの選択肢の中で唯一、用語と分子・分母・乗数の組合せが正確に一致している。
選択肢考察
- ×1. 周産期死亡率 ───── (妊娠満12週以後の死産数+早期新生児死亡数)÷出生数×1,000
周産期死亡率の現行の日本の定義は「(妊娠満22週以後の死産数+早期新生児死亡数)÷(出生数+妊娠満22週以後の死産数)×1,000」である。本選択肢は分子の死産の起算週が「満12週」となっている点(正しくは満22週以後)と、分母が「出生数」のみで満22週以後の死産数を加えていない点の2か所が誤り。なお1995年以降、日本の定義はWHO国際比較の基準に合わせて満22週以後となっている(旧定義は満28週以後)。
- ×2. 新生児死亡率 ───── 新生児死亡数÷(出生数+死産数)×1,000
新生児死亡率は「新生児死亡数(生後4週=28日未満の死亡数)÷出生数×1,000」で計算する。本選択肢は分母に死産数を加えている点が誤り。新生児死亡率は出生児のうち生後28日未満で亡くなった割合を示す指標であり、分母は出生数のみが正しい。日本の新生児死亡率は約0.8(出生千対)と世界トップクラスの低さである。
- ○3. 乳児死亡率 ───── 乳児死亡数÷出生数×1,000
乳児死亡率は「生後1年未満の死亡数 ÷ その年の出生数 × 1,000」で算出する。式・乗数とも定義どおりで正しい。乳児死亡率は母子保健・公衆衛生水準を反映する重要な指標として国際的に比較され、日本は約1.8(出生千対)と世界最低水準である。新生児死亡(生後28日未満)と乳児死亡(生後1年未満)の区別を混同しないよう注意。
- ×4. 妊産婦死亡率 ───── 妊産婦死亡数÷出生数×100,000
厚生労働省の人口動態統計における妊産婦死亡率の定義は「妊産婦死亡数 ÷ 出産数(=出生数+死産数)× 100,000」であり、分母は出生数のみではなく死産数を加えた「出産数」が用いられる。本選択肢は分母が「出生数」のみとなっている点で誤り。なお妊産婦死亡は妊娠中または妊娠終了後42日未満の死亡を指し、乗数が10万単位である点も他の指標と異なる特徴。日本の妊産婦死亡率は近年3〜4(出産10万対)前後である。
母子保健に関する主要な死亡率は、分子(誰の死亡か)・分母(出生数か出産数か)・乗数(1,000か10万か)の3点セットで覚えるのがコツ。①周産期死亡率:分子=妊娠満22週以後の死産+早期新生児(生後1週未満)死亡、分母=出生数+満22週以後の死産数、×1,000。②新生児死亡率:生後28日未満死亡÷出生数×1,000。③早期新生児死亡率:生後7日未満死亡÷出生数×1,000。④乳児死亡率:1歳未満死亡÷出生数×1,000。⑤妊産婦死亡率:妊産婦死亡÷出産数(出生数+死産数)×100,000。妊産婦死亡率だけが分母に死産を含み、乗数が10万である点を必ず押さえる。日本の現在の概数では、乳児死亡率1.8前後、新生児死亡率0.8前後、周産期死亡率3.2前後、妊産婦死亡率3〜4で、世界的にも極めて低い水準を保っている。
母子保健の主要な死亡率について、「分子・分母・乗数」の組合せを正確に区別できるかを問う問題。乳児死亡率=乳児死亡数÷出生数×1,000という最も基本的な定義を確実に押さえているかが鍵となる。
「公衆衛生・人口統計」の関連問題
2060年の日本、人口はどこまで減る?将来推計人口を読み解く
本問は、令和5年推計の日本の将来推計人口について、2060年時点のおおよその総人口(約9,600万人)を把握しているかを問うている。
115回
男は腰、女は肩 国民生活基礎調査の鉄板パターンを攻略
国民生活基礎調査における男女別の有訴者症状の順位を問う問題で、男性は腰痛が第1位、女性は肩こりが第1位という頻出の組合せが問われている。
115回
自殺の原因・動機トップは何?最新統計から読み解く現代日本のメンタルヘルス
警察庁統計における自殺の原因・動機の最多区分が『健康問題』であることを問う、公衆衛生・精神保健領域の頻出統計問題です。
115回
核家族世帯はどのくらい?国民生活基礎調査で読み解く日本の家族のかたち
国民生活基礎調査における世帯構造の最新の割合、特に核家族世帯がおおむね6割を占めているという基本数値を問う統計問題です。
115回
日本の生産年齢人口は今どれくらい?令和4年の最新データで学ぶ人口構造
日本の人口構造における生産年齢人口(15〜64歳)の最新の構成割合を問う問題。少子高齢化によりかつての約7割から約6割まで低下している現状を押さえる。
114回
