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民生委員の法的位置づけを正確に押さえる—115回午後86問の徹底解説

看護師国家試験 第115午後86

国試問題にチャレンジ

115午後86

民生委員について正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 1.児童委員を兼ねる。
  2. 2.任期は5年である。
  3. 3.厚生労働大臣から委嘱される。
  4. 4.社会福祉法に基づいて置かれる。
  5. 5.全国で約50万人が活動している。

対話形式の解説

博士博士
今日は第115回午後86問、民生委員に関する問題を扱うぞ。地域福祉の分野では頻出のテーマで、正答は選択肢1と3の二つじゃ。
サクラサクラ
民生委員って名前は聞きますが、ボランティアなのか公務員なのか曖昧でした…。
博士博士
良い疑問じゃな。民生委員は『非常勤の特別職地方公務員』という位置づけで、給与は出ないが守秘義務などの公務員としての義務は課されておる。いわば、公的な身分を持った無給の民間奉仕者というわけじゃ。
サクラサクラ
なるほど、ボランティアだけど公務員という二面性があるんですね。では選択肢1の『児童委員を兼ねる』はどうして正しいのですか?
博士博士
これは児童福祉法第16条第2項に『民生委員法による民生委員は、児童委員に充てられたものとする』と明記されておるからじゃ。民生委員になると同時に自動的に児童委員も兼ねる仕組みになっておる。さらに、その中から特に児童福祉を担当する『主任児童委員』が厚生労働大臣によって指名されるのじゃよ。
サクラサクラ
兼務というより、最初からセットなんですね。選択肢3の『厚生労働大臣から委嘱される』も正しいとのことですが、誰が候補者を選ぶのですか?
博士博士
流れはこうじゃ。まず市町村に置かれた『民生委員推薦会』が候補者を推薦し、それを受けた都道府県知事がさらに推薦する。最終的に厚生労働大臣が委嘱する、という三段階構造になっておる。委嘱権者は国の大臣である点がポイントじゃな。
サクラサクラ
選択肢2の任期5年は誤りで、正しくは何年でしょうか?
博士博士
民生委員法第10条で任期は3年と定められておる。再任は可能で、全国一斉改選が3年ごとに行われる。直近では2022年12月に一斉改選があったぞ。3年というのは確実に覚えておきたい数字じゃ。
サクラサクラ
選択肢4の『社会福祉法に基づいて置かれる』が誤りなのは、根拠法が違うからですね?
博士博士
その通り。根拠法はあくまで『民生委員法』じゃ。社会福祉法は社会福祉協議会や福祉サービスの利用援助事業など、社会福祉の枠組み全般を定めるもので、民生委員そのものを規定する法律ではない。混同しやすいので要注意じゃ。
サクラサクラ
選択肢5の『全国で約50万人』も誤りですよね。実際は何人くらいなのですか?
博士博士
全国の定数は約24万人で、実際に委嘱されておるのは概ね23万人前後じゃ。50万人は過大すぎる数字で、覚え方としては『約23万人=20万人台』と押さえておけば良いぞ。近年は担い手不足が課題で、欠員も生じておる。
サクラサクラ
民生委員の具体的な仕事はどんな内容ですか?
博士博士
民生委員法第14条に職務が定められており、住民の生活状態の把握、相談・助言、必要な情報提供、社会福祉事業者や活動者との連携、福祉事務所等の関係機関への協力などが主な業務じゃ。高齢者の見守り、子育て家庭の支援、生活困窮者の発見と支援機関へのつなぎなど、地域福祉の最前線で活動しておる。なお、退任後も守秘義務は継続するのじゃよ。
サクラサクラ
わかりました。法律名、委嘱権者、任期、兼務関係をセットで覚えれば応用が利きそうですね。

POINT

民生委員制度の根拠法(民生委員法)、委嘱権者(厚生労働大臣)、任期(3年)、児童委員との兼務関係といった基本的な法的位置づけを正確に理解しているかが問われています。

解答・解説

正解は1です

問題文:民生委員について正しいのはどれか。2つ選べ。

解説:正解は1と3です。民生委員は民生委員法(昭和23年法律第198号)に基づいて市町村の区域に置かれる民間奉仕者であり、地域住民の生活状態の把握、相談助言、関係機関へのつなぎ役を担います。法的位置づけとしては、都道府県知事の推薦に基づき厚生労働大臣が委嘱する非常勤の地方公務員(特別職)と位置づけられ、給与は支給されない無給のボランティアです。また、児童福祉法第16条により、民生委員は児童委員を兼ねることが規定されており、地域における子どもや妊産婦の福祉に関する相談・支援も担います。任期は3年で再任が可能、全国の定数はおおむね約23万人前後(2024年時点)です。

選択肢考察

  1. 1.  児童委員を兼ねる。

    正しい記述です。児童福祉法第16条第2項において「民生委員法による民生委員は、児童委員に充てられたものとする」と定められており、民生委員は自動的に児童委員を兼ねます。さらに、民生委員・児童委員の中から厚生労働大臣が指名する主任児童委員が置かれ、児童福祉に特化した活動を担当します。

  2. ×2.  任期は5年である。

    誤りです。民生委員法第10条により、民生委員の任期は3年と定められており、再任は可能です。補欠で委嘱された場合は前任者の残任期間となります。5年は誤りで、3年と覚えておく必要があります。

  3. 3.  厚生労働大臣から委嘱される。

    正しい記述です。民生委員法第5条において、民生委員は市町村に置かれた民生委員推薦会が推薦した者について、都道府県知事の推薦により厚生労働大臣が委嘱すると定められています。委嘱権者は厚生労働大臣である点が重要です。

  4. ×4.  社会福祉法に基づいて置かれる。

    誤りです。民生委員の根拠法は社会福祉法ではなく民生委員法(昭和23年法律第198号)です。社会福祉法は社会福祉事業全般や社会福祉協議会、福祉サービスの利用援助等の枠組みを定める法律で、民生委員制度そのものを規定する法律ではありません。

  5. ×5.  全国で約50万人が活動している。

    誤りです。民生委員の全国定数は約24万人で、実際の委嘱者数はおおむね23万人前後です。約50万人という数字は過大であり、規模感としても整合しません。なお、定数は厚生労働大臣が定める基準に従い、市町村の区域ごとに条例で定められます。

民生委員・児童委員に関する整理ポイントを以下にまとめます。【根拠法】民生委員法(1948年)。児童委員の根拠は児童福祉法第16条。【委嘱】市町村の推薦会→都道府県知事推薦→厚生労働大臣委嘱、の三段階。【身分】非常勤特別職の地方公務員で無給(活動費は支給)、守秘義務あり(退任後も継続)。【任期】3年で再任可能。一斉改選は3年ごと(直近は2022年12月)。【人数】全国定数は約24万人。【主な職務】住民の生活状態の把握、相談・助言、必要な情報提供、関係機関との連絡、福祉事務所等への協力(民生委員法第14条)。【主任児童委員】1994年に創設、児童福祉に関する事項を主に担当する民生委員・児童委員。【覚え方】「ミンタイ3年、コウロウ大臣、ジドウもケン任、ミンセイ法」とゴロで整理すると混同しにくいです。

民生委員制度の根拠法(民生委員法)、委嘱権者(厚生労働大臣)、任期(3年)、児童委員との兼務関係といった基本的な法的位置づけを正確に理解しているかが問われています。

※公式問題・正答は厚生労働省公開資料をもとに整理しています。