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精神保健福祉法の入院形態を完全整理!任意入院でも処遇改善請求はできる

看護師国家試験 第115午後68

国試問題にチャレンジ

115午後68

精神保健及び精神障害者福祉に関する法律〈精神保健福祉法〉による入院で正しいのはどれか。

  1. 1.応急入院は患者の保護者等の同意が必要である。
  2. 2.任意入院をした患者は処遇改善の請求が可能である。
  3. 3.緊急措置入院は2名の精神保健指定医の判断が必要である。
  4. 4.措置入院は72時間以内に他の入院形態へ切り替える必要がある。

対話形式の解説

博士博士
今回は精神保健福祉法の入院形態じゃ。看護師国試では毎年のように形を変えて出題される最頻出テーマじゃぞ。
サクラサクラ
任意入院、医療保護入院、応急入院、措置入院、緊急措置入院…5つもあって混乱します。何を基準に分けて覚えればいいですか?
博士博士
覚え方のコツは5つの軸じゃ。(1)本人の同意、(2)家族等の同意、(3)指定医は何人、(4)期間制限、(5)誰が入院を決めるか。これを表にして整理すると一気に見通せるぞ。
サクラサクラ
じゃあ任意入院から教えてください。
博士博士
任意入院は本人の同意で入院する最も基本の形じゃ。原則は開放処遇で、本人が退院したいと申し出れば退院できる。ただし指定医が必要と判断すれば72時間に限り退院を制限できる。これが第20条と第21条じゃ。
サクラサクラ
え、任意入院でも退院制限されることがあるんですね。じゃあ処遇に不満があったら泣き寝入りですか?
博士博士
いやいや、ここが今回の正解の核心じゃ。第38条の4によって、任意入院を含むすべての入院患者は都道府県知事に処遇改善請求や退院請求ができる。任意入院だから請求できないということはないのじゃ。
サクラサクラ
なるほど!では選択肢2が正解なんですね。請求するとどうなるんですか?
博士博士
知事は精神医療審査会に審査を依頼する。これは精神科医・法律家・有識者などで構成される第三者機関で、患者の権利擁護の要じゃ。審査結果を受けて知事が病院管理者に必要な改善を命じる流れになる。
サクラサクラ
残りの選択肢も整理したいです。応急入院ってどんなときに使うんですか?
博士博士
応急入院は第33条の7。直ちに入院が必要なのに家族等の同意が「得られない」ときの制度じゃ。指定医1名の診察で、応急入院指定病院に限り、72時間が上限。家族同意が必要というのはむしろ医療保護入院の話で、選択肢1は逆になっておる。
サクラサクラ
措置入院と緊急措置入院の違いも紛らわしいです。
博士博士
措置入院は第29条。自傷他害のおそれがある場合に都道府県知事が命じる入院で、指定医2名の判定が一致することが要件じゃ。期間制限はなく、要件が解消するまで続く。一方、緊急措置入院は第29条の2で、急を要するため指定医1名で済ませる代わりに72時間限定となる。
サクラサクラ
ということは選択肢3は指定医の人数が逆、選択肢4は72時間制限が措置入院ではなく応急入院や緊急措置入院に当てはまる、ということですね。
博士博士
その通り!見事に整理できたのう。さらに2022年改正では医療保護入院の見直しが行われ、入院期間の更新手続きの厳格化や、孤立を防ぐための「入院者訪問支援事業」が創設された。患者の権利擁護がますます重視されておるのじゃ。
サクラサクラ
退院請求と処遇改善請求って似ているけど、別物ですか?
博士博士
目的が違うぞ。退院請求は入院そのものの解除を求めるもの、処遇改善請求は隔離・身体拘束・通信制限など院内の扱いの改善を求めるものじゃ。どちらも精神医療審査会で審査される点は共通しておる。
サクラサクラ
権利擁護の仕組みがしっかり用意されているんですね。看護師としても患者にきちんと伝える義務がありそうです。
博士博士
その通り。入院時には書面で権利が告知されるが、患者が理解できているか、必要なら何度でも説明し、請求の窓口や方法をサポートするのが看護師の重要な役割じゃ。

POINT

精神保健福祉法に規定された5つの入院形態について、同意要件・指定医人数・期間制限・患者の権利(処遇改善請求)の知識を正確に区別できるかを問う問題。

解答・解説

正解は2です

問題文:精神保健及び精神障害者福祉に関する法律〈精神保健福祉法〉による入院で正しいのはどれか。

解説:正解は 2 です。精神保健福祉法では、入院形態を本人の同意の有無、家族等の同意の要否、精神保健指定医の関与の仕方、入院期間の制限などで区別しており、任意入院・医療保護入院・応急入院・措置入院・緊急措置入院の5形態が規定されています。同法第38条の4では、入院形態を問わずすべての入院患者およびその家族等が、都道府県知事に対して退院請求や処遇改善請求を行うことができると定められています。任意入院は本人の同意に基づく入院形態(第20条・第21条)ですが、処遇改善請求の対象から除外されているわけではなく、隔離・拘束・通信制限などの処遇に不服があれば請求が可能です。請求を受けた都道府県知事は、精神医療審査会に審査を依頼し、その結果に基づいて病院管理者へ必要な措置を命じる仕組みになっています。

選択肢考察

  1. ×1.  応急入院は患者の保護者等の同意が必要である。

    誤り。応急入院(第33条の7)は、急速を要して直ちに入院が必要であるにもかかわらず、家族等の同意を得ることが「できない」場合に行う制度です。精神保健指定医1名の診察に基づき、応急入院指定病院に限り、72時間を限度として入院させることができます。家族等の同意が前提となるのは医療保護入院(第33条)で、入院形態を取り違えないように注意が必要です。

  2. 2.  任意入院をした患者は処遇改善の請求が可能である。

    正しい。精神保健福祉法第38条の4は、入院中の患者またはその家族等が、都道府県知事に対して退院請求や処遇改善請求を行えると規定しており、任意入院患者もその対象に含まれます。任意入院は本人の同意に基づく入院ですが、隔離・身体拘束・通信や面会の制限などの処遇については不服を申し立てる権利が保障されており、請求は精神医療審査会で審査されます。

  3. ×3.  緊急措置入院は2名の精神保健指定医の判断が必要である。

    誤り。緊急措置入院(第29条の2)は、自傷他害のおそれがあり急速を要する場合に、精神保健指定医「1名」の診察で都道府県知事が72時間に限り入院させる制度です。指定医2名の一致した判定を要するのは通常の措置入院(第29条)であり、緊急措置入院は1名で足りる代わりに期間が72時間に制限される点が特徴です。

  4. ×4.  措置入院は72時間以内に他の入院形態へ切り替える必要がある。

    誤り。72時間という期間制限は応急入院と緊急措置入院に適用されるもので、措置入院(第29条)は自傷他害のおそれという要件が解消されたと指定医が判断するまで継続される入院形態です。措置解除後は、引き続き医療が必要な場合に医療保護入院や任意入院など他形態へ移行することはありますが、72時間で必ず切り替えるという規定はありません。

入院形態の比較で押さえたいポイントは、(1)本人の同意の有無、(2)家族等の同意の要否、(3)指定医の人数、(4)期間制限、(5)入院決定者です。任意入院は本人同意で原則開放処遇、退院申し出があれば原則退院、指定医診察により72時間に限り退院制限可能。医療保護入院は指定医1名と家族等の同意で本人同意なく入院でき、2022年改正で入院期間の更新手続きや「入院者訪問支援事業」が新設され、権利擁護が強化されました。応急入院は指定医1名・家族等同意不可・72時間限定・指定病院でのみ。措置入院は知事命令で指定医2名一致、要件解消まで。緊急措置入院は指定医1名で72時間限定。処遇改善請求と退院請求はいずれも精神医療審査会で審査される点も重要です。

精神保健福祉法に規定された5つの入院形態について、同意要件・指定医人数・期間制限・患者の権利(処遇改善請求)の知識を正確に区別できるかを問う問題。

※公式問題・正答は厚生労働省公開資料をもとに整理しています。