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幼児期の形態的・生理的特徴を整理しよう(第115回看護師国家試験 午後88)

看護師国家試験 第115午後88

国試問題にチャレンジ

115午後88

幼児期の形態的・生理的特徴について正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 1.胸囲は頭囲より大きい。
  2. 2.大泉門は3歳ころに閉鎖する。
  3. 3.乳歯は5歳ころに生えそろう。
  4. 4.1分間の心拍数は乳児期よりも減少する。
  5. 5.体重あたりの必要水分量は乳児期よりも多い。

対話形式の解説

博士博士
今日は幼児期の形態的・生理的特徴に関する問題を扱うぞ。選択肢は5つあり、2つ選ぶ形式じゃ。幼児期と乳児期を比較する視点が大事になる。
サクラサクラ
博士、まず幼児期って何歳から何歳までを指すんでしたっけ?よく曖昧になってしまって…。
博士博士
良い質問じゃ。幼児期は満1歳から6歳(小学校入学前)までを指す。0歳までが乳児期、6〜12歳が学童期、12〜18歳が思春期と続くんじゃよ。発達段階ごとの境目をまず押さえておこう。
サクラサクラ
なるほど。それでは選択肢1の『胸囲は頭囲より大きい』はどう判断すればよいですか?新生児は頭が大きいイメージがあるんですが…。
博士博士
鋭い視点じゃ。確かに出生時は頭囲が約33cm、胸囲が約32cmで頭囲が胸囲よりわずかに大きいんじゃ。しかし生後1年で両者はほぼ等しくなり、それ以降は胸郭の発育が進んで胸囲が頭囲を上回るようになる。だから幼児期では選択肢1は正しいんじゃよ。
サクラサクラ
そうなんですね。じゃあ選択肢2の大泉門が3歳ごろ閉鎖というのは違うんですか?
博士博士
違うのう。大泉門は通常1歳半ごろまでに閉鎖するんじゃ。3歳まで開いていたら閉鎖遅延と判断し、くる病や水頭症、甲状腺機能低下症などを疑う必要が出てくる。小泉門は生後2〜3か月で閉鎖することもあわせて覚えておくとよい。
サクラサクラ
では選択肢3の乳歯が5歳ごろ生えそろう、というのも違いますね。乳歯は確か2歳半〜3歳ごろでしたか?
博士博士
その通りじゃ。乳歯は生後6〜8か月ごろから下の前歯から生え始め、2歳半〜3歳ごろに上下20本が生えそろう。5歳ごろは逆に乳歯から永久歯への生え替わりが始まる時期で、6歳ごろには第一大臼歯(いわゆる6歳臼歯)が萌出してくるんじゃ。
サクラサクラ
選択肢4の心拍数は乳児期より減少する、これは正しそうですね。年齢が上がるほどバイタルが落ち着いてくる印象があります。
博士博士
その理解で正しい。乳児期は120〜140回/分、幼児期は90〜120回/分、学童期は80〜100回/分と段階的に減少していく。これは心臓が発育して1回拍出量が増えるため、少ない回数で必要な血流を確保できるようになるからじゃ。呼吸数も同様に減少していくぞ。
サクラサクラ
最後の選択肢5、体重あたりの必要水分量は乳児期より幼児期の方が多い、というのは逆ですね?
博士博士
その通り、逆じゃ。体重あたりで見ると乳児期が最も多く、1日120〜150mL/kg、幼児期は100mL/kg前後、学童期は80mL/kg程度となる。乳児は体重あたりの体表面積が大きく不感蒸泄が多いこと、腎濃縮力が未熟で薄い尿しか作れず尿量が多くなることが理由じゃ。だからこそ乳児は脱水になりやすく、観察が重要になる。
サクラサクラ
整理できました!正解は1と4ですね。乳児期と幼児期を比較する視点で覚えることが大事だと分かりました。
博士博士
その通りじゃ。小児看護では『発達段階ごとの正常値』を体系的に覚えることが攻略の鍵じゃ。頭囲と胸囲の逆転、大泉門と小泉門の閉鎖時期、乳歯と永久歯の萌出時期、バイタルサインの年齢変化、水分必要量の比較などはセットで整理しておくと臨床でも役立つぞ。

POINT

幼児期(1〜6歳未満)の形態的・生理的特徴を乳児期と比較して理解しているかを問う問題。頭囲と胸囲の逆転時期、大泉門閉鎖時期、乳歯萌出完了時期、心拍数・必要水分量の年齢変化など、小児看護の基本データを正確に把握することが求められる。

解答・解説

正解は1です

問題文:幼児期の形態的・生理的特徴について正しいのはどれか。2つ選べ。

解説:正解は1と4。幼児期(満1歳〜6歳未満)は乳児期に比べて運動量が増し、四肢や体幹の発育が進む時期であり、形態面・生理面ともに乳児期とは異なる特徴を示す。胸郭の発育に伴い、生後すぐは頭囲>胸囲であったものが生後12か月ごろにほぼ同じになり、その後は胸囲>頭囲となるため、幼児期では胸囲が頭囲を上回る(選択肢1)。また、心拍数・呼吸数といったバイタルサインは加齢とともに低下するため、幼児期の心拍数は乳児期よりも少なくなる(選択肢4)。乳児期の心拍数は120〜140回/分前後だが、幼児期には90〜120回/分程度まで低下する。これらは小児看護で頻出の基本知識であり、発達段階ごとの正常値と形態的特徴を体系的に整理しておくことが重要である。

選択肢考察

  1. 1.  胸囲は頭囲より大きい。

    正しい。出生時は頭囲が約33cm・胸囲が約32cmで頭囲>胸囲だが、生後12か月ごろに頭囲と胸囲がほぼ等しくなり、それ以降は胸郭の発育が著明となり胸囲>頭囲となる。幼児期(1歳以降)には胸囲が頭囲を上回るのが正常である。

  2. ×2.  大泉門は3歳ころに閉鎖する。

    誤り。大泉門(前頭骨と頭頂骨の間に位置するひし形の隙間)は通常生後1歳半(18か月)ごろまでに閉鎖する。3歳まで開存していれば閉鎖遅延と判断され、くる病や水頭症、甲状腺機能低下症などの鑑別が必要となる。なお小泉門は生後2〜3か月ごろに閉鎖する。

  3. ×3.  乳歯は5歳ころに生えそろう。

    誤り。乳歯は生後6〜8か月ごろから下顎中切歯から萌出し始め、2歳半〜3歳ごろに上下20本がすべて生えそろう。5歳ごろは永久歯への生え替わりが始まる時期であり、第一大臼歯(6歳臼歯)の萌出が間近に迫っている時期である。

  4. 4.  1分間の心拍数は乳児期よりも減少する。

    正しい。心拍数は新生児期に最も多く(120〜140回/分)、成長に伴い心臓のポンプ機能が発達し、1回拍出量が増加するため、心拍数は徐々に減少する。幼児期では90〜120回/分程度、学童期では80〜100回/分前後となり、思春期以降に成人と同程度(60〜80回/分)となる。

  5. ×5.  体重あたりの必要水分量は乳児期よりも多い。

    誤り。体重あたりの必要水分量は乳児期が最も多く、成長とともに減少する。乳児期は1日120〜150mL/kg、幼児期は1日100mL/kg前後、学童期は1日80mL/kg程度である。乳児は体重あたりの体表面積が大きく不感蒸泄が多いこと、腎濃縮力が未熟で尿量が多いことから水分必要量が多い。

小児の成長発達では『発育の指標』として身長・体重・頭囲・胸囲・大泉門・歯の萌出・バイタルサインの変化を年齢別に整理しておくと国試対策に有効である。覚え方の一例として、頭囲と胸囲の関係は『生まれた時は頭でっかち、1歳で逆転、その後は胸が勝る』と理解するとよい。また大泉門は『1歳半で閉じる』、小泉門は『生後すぐ(2〜3か月)に閉じる』と対で覚える。バイタルサインは『年齢が上がるほど心拍数・呼吸数は減り、血圧は上がる』が原則。水分必要量は『小さいほど(体重あたり)多い』、これは体表面積比と腎機能の未熟性に由来する。乳歯20本は『2歳半で完成』、永久歯32本(親知らずを含む)は青年期にかけて生えそろう。

幼児期(1〜6歳未満)の形態的・生理的特徴を乳児期と比較して理解しているかを問う問題。頭囲と胸囲の逆転時期、大泉門閉鎖時期、乳歯萌出完了時期、心拍数・必要水分量の年齢変化など、小児看護の基本データを正確に把握することが求められる。

※公式問題・正答は厚生労働省公開資料をもとに整理しています。