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泣いてもじっとできない!生後6か月の赤ちゃんから尿をもらう正解アイテムとは

看護師国家試験 第115午前63

国試問題にチャレンジ

115午前63

生後6か月の男児。保護者が児の尿の色が濃いことを心配して来院し、尿検査のため採尿することになった。採尿に使用する用具を以下に示す

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対話形式の解説

博士博士
今日は乳児の採尿について学ぶぞ。生後6か月の男の子から尿検査の検体をもらう場面じゃ。学生くん、まず想像してごらん、君ならどうやって尿をとる?
サクラサクラ
うーん、コップを当てて受ければいいんじゃないですか?大人の検尿と同じように。
博士博士
ふむ、そこが落とし穴なんじゃよ。6か月の赤ちゃんは「はい、出してね」と言っても出してくれないし、座ってコップを構えることもできん。排尿の意思もタイミングもコントロールできない年齢じゃからな。
サクラサクラ
あ、確かに…。じゃあオムツを絞ればいいんですか?
博士博士
それも一見うまそうじゃが、オムツの吸収ポリマーが尿成分を吸い込んでしまい、糖や蛋白が正しく測れんし、繊維や雑菌も混ざる。検査用検体としては不適切なんじゃ。
サクラサクラ
なるほど、ちゃんと“尿そのもの”を採る道具が必要なんですね。
博士博士
そこで登場するのが乳児用採尿バッグ、いわゆる採尿パックじゃ。ビニール製の小さな袋に粘着シールが付いていて、外陰部の周りの皮膚にペタッと貼り付ける。自然に出た尿がそのままバッグにたまる仕組みなんじゃよ。
サクラサクラ
おお、それなら赤ちゃんがじっとしてなくても採れますね。男の子と女の子で貼り方は違うんですか?
博士博士
違うぞ。男児ではペニスと陰嚢全体をバッグの開口部に入れて鼠径部にしっかり粘着させる。女児では大陰唇の外側を囲うように貼るのが基本じゃ。貼る前に必ず外陰部を清浄綿でやさしく清拭して、皮膚の常在菌が混じらんようにするのが大事じゃな。
サクラサクラ
貼ったあとはずっと待つんですか?
博士博士
だいたい15〜30分ごとに確認するのが目安じゃ。長く貼りっぱなしにすると皮膚がかぶれたり、汗や蒸発で尿が濃縮されたり、雑菌が増えて検査値がブレてしまう。出たらすぐに剥がして、バッグの角を切って検体容器に移すんじゃ。
サクラサクラ
選択肢の③にあった導尿のカテーテルじゃダメなんですか?確実そうだけど。
博士博士
鋭い質問じゃな。カテーテル導尿や膀胱穿刺は無菌的で確実じゃが、痛みや尿路感染、尿道損傷といった侵襲があるから、ルーチンの尿検査では使わん。まずは非侵襲的な採尿バッグを試して、培養で厳密な無菌検体が必要なときに侵襲的な方法を考えるのが原則なんじゃよ。
サクラサクラ
じゃあ②の中間尿用カップは?
博士博士
中間尿は「最初の尿を捨てて途中の尿だけ受ける」という協力動作が要る。これは協力できる年長児や大人の方法で、乳児には現実的に不可能じゃ。だから消去法でも残るのは④の採尿バッグというわけじゃな。
サクラサクラ
選択肢①〜③が全部「赤ちゃんには無理」って整理すると、すごく腑に落ちました。
博士博士
その通り。発達段階に合った用具を選ぶ視点が看護のキモじゃよ。

POINT

排尿を自分でコントロールできない乳児で、一般的な尿検査の検体をどのように採取するかを問う問題。乳児採尿では非侵襲的な採尿バッグ(採尿パック)が第一選択であることを押さえる。

解答・解説

正解は4です

問題文:生後6か月の男児。保護者が児の尿の色が濃いことを心配して来院し、尿検査のため採尿することになった。採尿に使用する用具を以下に示す

解説:正解は 4 です。生後6か月の乳児はまだトイレでの自発的な排尿はできず、声をかけて尿を出してもらうことも、コップで受けてもらうこともできません。そのため臨床現場では、外尿道口を覆うように粘着面で皮膚に貼り付けて尿をためる「小児用採尿バッグ(採尿パック)」を陰部に装着して採尿するのが標準的な方法です。④の画像はこの乳児用採尿バッグを示しており、おむつ交換時に陰部を清拭してから貼付し、排尿があれば速やかに取り外して検体を検査容器に移すという手順を踏みます。非侵襲的で侵入感染リスクが低く、保護者の協力下で安全に行えるため、乳幼児の一般的な尿検査にもっとも適しています。

選択肢考察

  1. ×1.  

    ①は成人用の紙コップ(採尿カップ)と推測されます。コップ採尿は被検者が自分でトイレに座り、外陰部をコントロールして尿を受けることが前提となるため、首がすわって間もない生後6か月の乳児では物理的に実施できません。乳児採尿には不適です。

  2. ×2.  

    ②は中間尿用カップや蓄尿用のスピッツ・容器類と推測されます。中間尿採取は「最初の尿を捨ててから途中の尿を受ける」操作が必要で、排尿の途中で容器を差し入れる協力が求められます。意思疎通や姿勢保持ができない乳児には不向きで、この問題の状況には合いません。

  3. ×3.  

    ③は導尿用カテーテル(ネラトンカテーテルなど)と推測されます。膀胱穿刺やカテーテル導尿は無菌的に確実な検体を得られる利点はあるものの、尿道粘膜損傷・尿路感染・苦痛といった侵襲を伴うため、ルーチンの尿検査で第一選択にはなりません。先に非侵襲的な採尿バッグを試すのが原則です。

  4. 4.  

    ④は乳児用採尿バッグ(採尿パック)です。粘着部を会陰から鼠径部の皮膚に密着させて貼付し、自然排尿を待って採取します。生後6か月児のように排尿を自分でコントロールできない児に対する一般的な尿検査での標準的方法で、本問の正解です。

乳児採尿バッグを使う際の実践ポイント。(1) 装着前に外陰部・会陰部を石けんや清浄綿で丁寧に清拭し、皮膚常在菌の混入を防ぐ。男児では陰茎全体を、女児では大陰唇の外側に粘着面が密着するよう貼付する。(2) 貼ったあとは15〜30分ごとに確認し、排尿が確認できたら速やかに剥がす。長時間放置すると皮膚かぶれ・尿の蒸発・濃縮、汚染による細菌増殖が起こる。(3) バッグ採尿は雑菌混入が起こりやすいため、尿培養を厳密に行う場合は膀胱穿刺や導尿による採取が選択されることもある。(4) 採尿後はバッグの角を切って清潔な検査容器へ移す。皮膚は赤くなりやすいので、剥離時は粘着部を押さえながらゆっくり剥がし、必要に応じて保湿する。

排尿を自分でコントロールできない乳児で、一般的な尿検査の検体をどのように採取するかを問う問題。乳児採尿では非侵襲的な採尿バッグ(採尿パック)が第一選択であることを押さえる。

※公式問題・正答は厚生労働省公開資料をもとに整理しています。