『握る』から『はさみ』まで—赤ちゃんの手はこう育つ
看護師国家試験 第115回 午前 第8問 / 必修問題
国試問題にチャレンジ
乳幼児期の手先の運動で最も早くできるようになるのはどれか。
- 1.はさみを使う。
- 2.丸(円)を描く。
- 3.ガラガラを握る。
- 4.積み木で塔を作る。
対話形式の解説
博士
サクラ
博士
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博士
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サクラPOINT
微細運動(手指の巧緻運動)の発達順序を理解しているかを問う問題。把握→つまみ→道具操作という段階性を押さえることが鍵。
解答・解説
正解は3です
問題文:乳幼児期の手先の運動で最も早くできるようになるのはどれか。
解説:正解は3「ガラガラを握る」。手指の運動発達は、大まかな動きから細かい動きへ(粗大運動から微細運動へ)、また全体から部分へ(近位から遠位へ)という原則で進む。新生児期には手のひらに触れたものを反射的に握る『把握反射』がみられ、生後3〜4か月頃にはこの反射が消失して随意的にガラガラなどの物を握ることができるようになる。これは『手掌把握(palmar grasp)』と呼ばれる粗大な握り方で、選択肢の中では最も早期に獲得される運動である。その後、9〜10か月頃には親指と人差し指でつまむ『指尖つまみ(pincer grasp)』へと発達し、1歳半〜2歳で積み木を数個積み、3歳前後で丸を模写し、4〜5歳ではさみを使えるようになる、という順序で巧緻運動が成熟していく。
選択肢考察
- ×1. はさみを使う。
はさみの操作は、親指と他指の分離した動き、両手の協調、視覚と運動の協応など高度な巧緻性を必要とし、おおむね3〜4歳以降に獲得される。選択肢の中では最も遅い発達段階にあたる。
- ×2. 丸(円)を描く。
なぐり描きから始まり、縦の線が1歳半〜2歳、円の模写は3歳前後で可能になる。視覚的フィードバックを用いた手指のコントロールが必要であり、握る動作よりかなり後の段階である。
- ○3. ガラガラを握る。
正解。生後3〜4か月ごろに把握反射が消え、自分の意思でガラガラなどを握れるようになる『手掌把握』が出現する。選択肢の中で最も早く獲得される運動である。
- ×4. 積み木で塔を作る。
積み木を積むには、つまんで持ち上げ・狙った位置で離すという『随意的な手放し(リリース)』と空間認知が必要。2個積みは1歳〜1歳3か月、塔状に数個積めるのは1歳半〜2歳ごろであり、握るより遅い。
微細運動発達の目安(DENVER II などで頻出):把握反射は新生児期から生後2〜3か月で消失/4か月頃に手掌把握でガラガラを握る/6〜7か月で手から手への持ち替え/9〜10か月で指尖つまみ(小さな物を親指と人差し指でつまむ)/12か月頃にコップから飲む・なぐり描き/18か月で積み木2〜3個/2歳で塔を6個程度・縦線模写/3歳で円の模写・積み木で橋/4歳で四角の模写・はさみで直線切り/5歳で三角形の模写。発達は『中枢から末梢へ』『粗大から微細へ』という方向性を意識すると整理しやすい。
微細運動(手指の巧緻運動)の発達順序を理解しているかを問う問題。把握→つまみ→道具操作という段階性を押さえることが鍵。
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