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フィジカルアセスメントの基本

基礎看護学 / バイタル・フィジカルアセスメント

解説

今回はフィジカルアセスメントの基本について解説します。フィジカルアセスメントとは、看護師が五感を用いて患者の身体状態を系統的に観察・評価する技法であり、視診・触診・打診・聴診の4つを基本とします。国試では各技法の特徴と適切な順序、得られる所見の解釈が頻出です。

4つの基本技法

視診

目で観察する技法で、皮膚色、呼吸様式、姿勢、形態、左右対称性などを評価します。チアノーゼや浮腫の有無、顔貌、体型のバランスなど、最も侵襲が少ない方法です。

触診

手で触れて評価します。リンパ節腫脹、腹部腫瘤、皮膚温、ツルゴール、脈拍、浮腫、圧痛などを確認します。指腹を用いて両側を比較しながら、大きさ・硬さ・可動性・圧痛を評価することが原則です。浮腫の有無は視診で見当をつけ、圧痕の有無を触診で確かめます。

打診

身体表面を叩いて生じる音から、内部の空気・液体・固形物の分布を推定する技法です。音の種類は次のように分類されます。

  • 鼓音:胃泡や腸管ガスなど含気量が多い部位で聴かれる、太鼓のような音。
  • 濁音:肝臓・脾臓・心臓・便・腫瘤など充実臓器で聴かれる鈍い音。
  • 清音:正常な肺野で聴かれる音。
  • 過共鳴音:気胸や肺気腫で含気量が増加した際に聴かれる。
  • 絶対濁音:大腿や骨など、空気を全く含まない部位で聴かれる。

肝濁音界は右前腋窩線で第7肋間から肋骨弓下1〜2cmまでが目安です。

聴診

聴診器で内臓音を聴く方法で、呼吸音、心音、腸蠕動音、血管雑音などを評価します。腸蠕動音は5分以上聴取して減弱・消失を判断します。

アセスメントの手順

一般的な手順は、問診→視診→触診→打診→聴診の順で、侵襲が少ない順に進めます。ただし腹部のみは例外で、問診→視診→聴診→打診→触診の順となります。これは触診や打診の刺激により腸蠕動が変化してしまうため、聴診を先行させる必要があるからです。

便秘・腹部の評価

便秘患者では腹部膨隆に加え、広範な鼓音(鼓腸)が腸管ガス貯留の指標となります。一方、反跳痛(Blumberg徴候)、筋性防御、打診痛は腹膜炎を示唆する重要所見です。腹水の評価には打診を用い、移動性濁音や波動を確認します。

評価項目と対応技法

リンパ節腫脹は触診、皮膚色やチアノーゼは視診、心拍数や脈拍は触診と聴診、呼吸音や腸蠕動音は聴診で評価します。観察は左右対称、健側から患側の順に行い、検査前には手指衛生と手指の温度確保を忘れないことが大切です。

確認問題(穴埋め)

空欄をタップすると答えが表示されます。

  1. 1.

    フィジカルアセスメントの4つの基本技法は、視診・・打診・聴診である。

  2. 2.

    腹部のアセスメントでは、触診や打診で腸蠕動が変化するため、視診の次にを行う。

  3. 3.

    胃泡や腸管ガスなど含気量の多い部位を打診すると、が聴かれる。

  4. 4.

    肝臓や脾臓など充実臓器を打診すると、が聴かれる。

  5. 5.

    気胸や肺気腫など含気量が増加した肺野では、打診でが聴かれる。

  6. 6.

    腸蠕動音の減弱・消失を判断するには、分以上聴診する必要がある。

  7. 7.

    便秘で広範な鼓音が聴かれる状態をといい、腸管ガス貯留の指標となる。

  8. 8.

    腹膜炎を示唆する所見で、圧迫を急に解除した際に痛みが増強することを(反跳痛)という。

  9. 9.

    肝濁音界は右前腋窩線で第肋間から肋骨弓下1〜2cmまでが目安である。

  10. 10.

    身体観察は左右対称に行い、原則としてから患側の順に進める。

フィジカルアセスメントの基本」の過去問演習

※公式問題・正答は厚生労働省公開資料をもとに整理しています。