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包帯法と三角巾

基礎看護学 / 創傷管理・呼吸ケア

解説

包帯法とは、創部や患部を保護・支持・圧迫・固定・整復する目的で包帯を用いる基本手技です。今回は包帯法と三角巾について解説します。

包帯法の目的と種類

包帯法には主に五つの目的があります。創部を外的刺激から守る保護、関節や軟部組織を支える支持、出血や浮腫を抑える圧迫、骨折や脱臼部位の固定、変形を矯正する整復です。臨床で使用される包帯には、伸縮性のある伸縮包帯、強い圧迫力で深部静脈血栓症(DVT)予防などに用いる弾性包帯、頭部や四肢を覆うネット包帯、応急処置や上肢固定に用いる三角巾、そして木綿地でできた巻軸包帯などがあります。それぞれ目的や部位に応じて適切に使い分けることが重要です。

包帯法の原則

包帯を巻く際には六つの原則を守ります。第一に部位や目的に合った種類・幅の包帯を選ぶこと、第二に末梢から中枢に向かって巻くこと、第三に均一な圧で巻くこと、第四に血流を妨げないこと、第五に関節可動域を確保すること、第六に皮膚トラブルを観察することです。特に弾性包帯によるDVT予防では、末梢ほど強く中枢に向かって徐々に圧を弱める段階的圧迫(gradient compression)が基本となります。また伸縮性包帯は引き伸ばさず、転がすように巻いて皮膚面にフィットさせます。巻き始めと巻き終わりは同一部位に重ねる環行帯で固定するのが原則です。

代表的な巻軸包帯の巻き方

巻軸包帯の最も基本となるのが環行帯で、同じ位置にぴったり重ねて輪状に巻く方法です。巻き始めと巻き終わりの固定に必ず用いられ、ずれ防止と起点づくりの役割を果たします。前腕内側中央部のように太さがほぼ一定の部位には、斜めに少しずつずらして重ねる螺旋帯(らせん帯)が適しています。前腕や下腿のように太さが変化する部位には、巻きながら折り返して皮膚にフィットさせる折転帯を用います。肩・股関節・母指など関節部位には麦の穂のように交差させる麦穂帯(スパイカ)、膝関節や肘関節など屈曲部位には亀甲帯を使用し、関節可動性を保ちながら固定します。

三角巾による上肢の固定

三角巾は、応急処置や脱臼・骨折、術後の安静保持、片麻痺患者の患側上肢保護などに用いられます。前腕を吊って肘関節を固定する場合、三角巾の底辺(長辺)を体幹側に縦に置き、頂点を肘関節側に向けます。健側の肩から斜めに底辺を垂らし、患側肘下に頂点が来るように広げ、前腕を中央に乗せて両端を首の後ろで結びます。頂点側は肘の位置で結び、前腕全体を包みます。このとき肘関節は約90度屈曲位とし、前腕はやや挙上して水平に吊るのが基本です。頸部の結び目は痛み予防のため正中を避けて一方に寄せます。また手指は必ず露出させ、色調・温度・しびれ・腫脹など循環状態を観察できるようにします。長時間の固定では結び目によるしびれや皮膚障害、肩こり、循環障害が生じるため、定期的に観察と調整を行います。

まとめ

包帯法は保護・支持・圧迫・固定・整復を目的とし、末梢から中枢へ均一な圧で巻くことが原則です。部位の太さや形状に応じて環行帯・螺旋帯・折転帯・麦穂帯・亀甲帯を使い分けます。三角巾による上肢固定では、肘関節約90度屈曲位で前腕を水平に吊り、手指を露出して循環観察を継続することが重要です。

確認問題(穴埋め)

空欄をタップすると答えが表示されます。

  1. 1.

    包帯は原則として( )から( )に向かって巻く。

  2. 2.

    巻軸包帯の中で、同じ位置にぴったり重ねて輪状に巻く最も基本的な手技を( )という。

  3. 3.

    前腕内側中央部のように太さがほぼ一定の部位に適した巻軸包帯の巻き方を( )という。

  4. 4.

    膝関節や肘関節などの屈曲部位に用いる包帯の巻き方を( )という。

  5. 5.

    肩・股関節・母指など関節部に用い、麦の穂のように交差させて巻く方法を( )という。

  6. 6.

    深部静脈血栓症予防に弾性包帯を用いる際、末梢ほど強く中枢に向かって徐々に圧を弱める巻き方を( )という。

  7. 7.

    三角巾で前腕を吊る際、肘関節は約( )度屈曲位とする。

  8. 8.

    三角巾固定中は循環状態を観察するため、( )を露出させる。

  9. 9.

    三角巾で前腕を吊るとき、頸部の結び目は痛み予防のため( )を避けて一方に寄せる。

包帯法と三角巾」の過去問演習

※公式問題・正答は厚生労働省公開資料をもとに整理しています。