StudyNurse

前腕に包帯を巻いたあと、看護師がまず見るべきは「指先の冷たさ」だった

看護師国家試験 第115午前23 / 必修問題

国試問題にチャレンジ

115午前23

包帯法で前腕部を固定した場合の観察項目で適切なのはどれか。

  1. 1.悪寒の有無
  2. 2.末梢冷感の有無
  3. 3.全身倦怠感の有無
  4. 4.上腕動脈の触知の有無

対話形式の解説

博士博士
今日は包帯法のあとの観察について整理しようかの。前腕を包帯で固定したあと、何を一番に見るべきだと思う?
サクラサクラ
えーと…ちゃんと固定できているか、ですか?包帯がほどけていないかとか。
博士博士
それも大事じゃが、もっと優先される観察があるんじゃよ。包帯固定で最も怖い合併症は何だと思う?
サクラサクラ
きつく巻きすぎて…血が流れにくくなる、とかでしょうか?
博士博士
その通りじゃ!包帯がきつかったり、ケガによる腫脹が進んだりすると、固定した部位より末梢側の血流が悪くなる。これを末梢循環障害というんじゃ。
サクラサクラ
じゃあ、それを確かめるには、指先を見るのがいいんですか?
博士博士
ええ視点じゃの。手指の皮膚色、冷感、しびれ、動かしやすさ、爪を押して色が戻る毛細血管再充満時間…これらをセットで観察する。中でも「末梢冷感」は動脈血流の低下を早く拾えるサインじゃ。
サクラサクラ
だから今回の問題の答えは「末梢冷感の有無」なんですね。「悪寒」や「全身倦怠感」は全身の症状だから、包帯の合併症とは結びつかない…。
博士博士
その通り。「上腕動脈の触知」もひっかけじゃな。前腕を固定したなら、評価すべきは固定部位より末梢側、つまり橈骨動脈や指先じゃ。上腕は固定部位より中枢側じゃから優先度が落ちる。
サクラサクラ
なるほど…中枢か末梢かで、見るべき場所が変わるんですね。
博士博士
そうじゃ。整形外科や救急で覚えておきたい合言葉に「5P」がある。Pain(疼痛)、Pallor(蒼白)、Paresthesia(感覚異常)、Paralysis(運動麻痺)、Pulselessness(脈拍消失)。これはコンパートメント症候群の徴候としても国試頻出じゃ。
サクラサクラ
コンパートメント症候群って、筋肉のはいった区画の圧が上がって、神経や血管がやられる病態でしたっけ。怖いです…。
博士博士
うむ、放置すれば筋壊死や神経麻痺、最悪は阻血性拘縮(フォルクマン拘縮)に進む。だから包帯はきつすぎず、固定後は「指を1本入れる余裕」を保ち、患側と健側を比べながら CMS(Circulation・Motion・Sensation)を継続的に観察するのが基本じゃ。
サクラサクラ
患者さんにも、しびれたり痛みが強くなったらすぐ呼んでくださいね、と伝えるのが大切ですね。
博士博士
その通り。看護師の早期発見が、機能予後を左右する場面なんじゃよ。

POINT

包帯法で四肢を固定した後の観察ポイントは何かを問う問題。固定による合併症は「末梢の循環障害・神経障害」が中心であり、固定部位より末梢側の冷感・皮膚色・感覚・運動を評価することが核心になる。

解答・解説

正解は2です

問題文:包帯法で前腕部を固定した場合の観察項目で適切なのはどれか。

解説:正解は 2 です。包帯で前腕を固定した後に最も警戒すべき合併症は、巻きの強さや浮腫による末梢循環障害・神経障害です。固定された部位より末梢側(手指・手背)の皮膚色、温度(冷感)、感覚(しびれ)、運動、毛細血管再充満時間(CRT)、疼痛増強、腫脹の有無を継続的に観察します。中でも「末梢冷感の有無」は、動脈血流が阻害されているかどうかを最も早期に拾い上げられる徴候のひとつであり、適切な観察項目に該当します。

選択肢考察

  1. ×1.  悪寒の有無

    悪寒は発熱や感染症、敗血症などの全身状態を反映する症状である。前腕固定そのものに直接由来する合併症(局所の循環・神経障害)を評価する指標ではないため、この場面での観察項目として優先度は低い。

  2. 2.  末梢冷感の有無

    包帯による圧迫や腫脹で動脈血流が低下すると、固定部位より末梢側に冷感・蒼白・チアノーゼ・しびれ・疼痛増強が現れる。末梢冷感は循環障害を早期に察知できるサインであり、皮膚色・感覚・運動とあわせて必ず確認する観察項目である。

  3. ×3.  全身倦怠感の有無

    全身倦怠感は感染症や貧血、脱水、全身性疾患などで生じる非特異的な全身症状であり、前腕の包帯固定による局所合併症を評価する直接的な指標にはならない。

  4. ×4.  上腕動脈の触知の有無

    前腕を固定した場合は、固定部位より末梢側の血流評価が重要となるため、橈骨動脈や尺骨動脈の触知、手指の皮膚色・冷感・CRT を確認する。上腕動脈は固定部位より中枢側にあり、末梢循環障害の評価としては優先度が低い。

包帯固定後の観察は、いわゆる「5P(pain:疼痛、pallor:蒼白、paresthesia:感覚異常、paralysis:運動麻痺、pulselessness:脈拍消失)」を意識すると整理しやすい。これらはコンパートメント症候群の早期徴候としても重要で、見逃すと不可逆的な筋・神経障害につながる。包帯は「強すぎず・ゆるすぎず」が原則で、巻いた後は指を1本入れて確認できる程度のゆとりを保ち、固定後・体位変換後・数時間ごとに患側と健側を比較しながら循環・感覚・運動(CMS:Circulation, Motion, Sensation)を継続評価する。患者には「指がしびれる」「強く締めつけられる」「色が紫っぽくなる」などの症状があれば直ちに伝えるよう説明することも欠かせない。

包帯法で四肢を固定した後の観察ポイントは何かを問う問題。固定による合併症は「末梢の循環障害・神経障害」が中心であり、固定部位より末梢側の冷感・皮膚色・感覚・運動を評価することが核心になる。

※公式問題・正答は厚生労働省公開資料をもとに整理しています。