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保健師助産師看護師法

健康支援と社会保障制度 / 看護師関連法規

解説

今回は保健師助産師看護師法について解説します。看護職として働くうえで、自分たちの資格や業務を支える根拠となる法律を知っておくことは欠かせません。看護師国家試験でも必修問題として毎年のように出題される重要分野ですので、条文の位置づけや関連法令との違いまで含めて整理していきましょう。

保健師助産師看護師法の概要

保健師助産師看護師法(略して保助看法)は、1948年(昭和23年)に制定された看護職の身分法です。この法律は、保健師・助産師・看護師・准看護師の4つの資格について、免許・国家試験・業務範囲・義務などを定めており、看護職の活動の最も基本的な枠組みを示しています。看護に関連する法律はいくつもありますが、「資格そのもの」を規定するのが保助看法であると押さえておきましょう。

4つの資格の定義

保助看法では、各資格を次のように定義しています。保健師とは、厚生労働大臣の免許を受けて、保健師の名称を用いて、保健指導に従事することを業とする者をいいます。助産師は、厚生労働大臣の免許を受けて、助産または妊婦・じょく婦・新生児の保健指導を行うことを業とする女子と定められています。助産師が女子に限られている点は国試で問われやすい知識です。看護師は、厚生労働大臣の免許を受けて、傷病者もしくはじょく婦に対する療養上の世話または診療の補助を行うことを業とする者をいいます。准看護師は、都道府県知事の免許を受けて、医師・歯科医師または看護師の指示を受けて、療養上の世話または診療の補助を行うことを業とする者です。看護師の免許は厚生労働大臣、准看護師の免許は都道府県知事が与えるという違いも頻出ポイントです。

免許と欠格事由

看護師になるためには、国家試験に合格し、厚生労働大臣に免許を申請して看護師籍に登録される必要があります。免許は登録によって効力を生じます。籍に登録された事項に変更が生じたときは30日以内に訂正を申請しなければならない点も覚えておきましょう。

相対的欠格事由

保助看法第9条には、免許を与えないことがある事由として相対的欠格事由が定められています。具体的には、(1)罰金以上の刑に処せられた者、(2)保健師・助産師・看護師・准看護師の業務に関し犯罪または不正の行為があった者、(3)心身の障害により業務を適正に行うことができない者として厚生労働省令で定めるもの、(4)麻薬・大麻・あへんの中毒者、の4つです。これらは「絶対に免許を与えない」という絶対的欠格事由ではなく、厚生労働大臣が個別に判断して免許の可否を決める「相対的」な性質である点が非常に重要です。2001年の法改正により、かつての「目が見えない・耳が聞こえない・口がきけない者」といった絶対的欠格事由は、人権尊重の観点から相対的欠格事由へと改められました。この改正により、障害の程度と業務遂行能力を総合的に判断する仕組みになっています。

行政処分

免許取得後に欠格事由に該当した場合や、看護師としての品位を損なう行為があった場合には、厚生労働大臣は戒告・3年以内の業務停止・免許取消の行政処分を行うことができます。再教育研修の受講が義務づけられる場合もあります。

業務独占と名称独占

保助看法は、看護職の業務を保護するために業務独占名称独占を定めています。業務独占とは、その資格を持つ者でなければ法律上その業務を行ってはならないことをいいます。看護師は「療養上の世話」と「診療の補助」を業務独占しています。助産師は「助産」を業務独占しています。一方、名称独占とは、その資格を持たない者がその名称または紛らわしい名称を使用してはならないことをいいます。保健師は名称独占の資格と位置づけられており、保健師でない者が「保健師」やこれに紛らわしい名称を用いることは禁止されています。

守秘義務

保助看法における最も重要な義務の一つが守秘義務です。第42条の2には「保健師、看護師又は准看護師は、正当な理由がなく、その業務上知り得た人の秘密を漏らしてはならない。保健師、看護師又は准看護師でなくなった後においても、同様とする」と規定されています。違反した場合は6か月以下の懲役または10万円以下の罰金が科される可能性があります。看護師を辞めた後も守秘義務が継続するという点は国試で頻出です。 ここで注意したいのは、助産師の守秘義務は保助看法ではなく刑法第134条に規定されているという点です。歴史的経緯から助産師の守秘義務は医師・薬剤師などと同じく刑法で定められており、引っかけ問題として頻繁に出題されますので確実に区別しておきましょう。守秘義務における「正当な理由」とは、本人の同意がある場合、感染症法・児童虐待防止法などに基づく法令上の届出、第三者の生命保護が必要な場合などを指します。

特定行為に係る研修制度

2015年からは、診療の補助のうち厚生労働省令で定める特定行為を行う看護師に対して、特定行為に係る研修の受講が義務づけられました。これは医師の手順書に基づいて高度な医療行為を実施できる看護師を計画的に養成するための制度で、保助看法の改正により導入されたものです。

関連法令との区別

看護関連の法律は複数あるため、それぞれの守備範囲を整理しておくことが国試対策の鍵となります。保助看法は資格・免許・業務・義務など看護職そのものを規定します。看護師等の人材確保の促進に関する法律(人確法)は、看護職員の確保・養成・離職時の届出・ナースセンター事業などを規定しており、離職時にナースセンターへ届け出る努力義務もこちらの法律によります。医療法は医療機関の開設・管理・医療安全管理体制を、個人情報保護法は患者情報の取り扱いを、労働安全衛生法は健康診断などをそれぞれ規定しています。「何がどの法律に書いてあるか」をセットで覚えておくと、選択肢で迷いにくくなります。

まとめ

保健師助産師看護師法は、看護4資格の免許・国家試験・業務・義務を定める看護職の身分法です。免許付与に関しては第9条の相対的欠格事由(罰金以上の刑、業務に関する犯罪・不正、心身の障害、麻薬等の中毒)を押さえ、業務独占(看護師の療養上の世話と診療の補助、助産師の助産)と名称独占(保健師)を区別しましょう。守秘義務は第42条の2に規定され、保健師・看護師・准看護師に適用される一方、助産師は刑法第134条が適用される点が引っかけポイントです。看護師でなくなった後も守秘義務が継続することも忘れず、人材確保法や医療法など関連法令との役割分担とあわせて整理しておけば、国試の必修問題で確実に得点できる分野となります。

確認問題(穴埋め)

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  1. 1.

    看護師・保健師・准看護師の守秘義務は、保健師助産師看護師法第に規定されており、業務上知り得た人の秘密を正当な理由なく漏らしてはならない。

  2. 2.

    保健師助産師看護師法第9条に定められる、罰金以上の刑に処せられた者などに対し免許を与えないことがある事由をという。

  3. 3.

    助産師の守秘義務は保健師助産師看護師法ではなく、第134条に規定されている。

  4. 4.

    看護師の免許はが与え、准看護師の免許は都道府県知事が与える。

  5. 5.

    保健師助産師看護師法において、看護師の業務は傷病者もしくはじょく婦に対する療養上の世話またはと定義されている。

  6. 6.

    看護師等の人材確保・養成・離職時の届出などを規定する法律はである。

  7. 7.

    保健師助産師看護師法第9条の相対的欠格事由には、罰金以上の刑、業務に関する犯罪・不正、心身の障害により業務を適正に行えない者、およびが含まれる。

  8. 8.

    看護師は守秘義務に違反した場合、6か月以下の懲役または以下の罰金が科される可能性がある。

保健師助産師看護師法」の過去問演習

※公式問題・正答は厚生労働省公開資料をもとに整理しています。