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医療職種の業務範囲と法

健康支援と社会保障制度 / 看護師関連法規

解説

今回は医療職種の業務範囲と法について解説します。医療や介護の現場では、医師・看護師・薬剤師・リハビリ職・介護福祉士など多くの専門職が連携してケアを提供しています。それぞれの職種は固有の法律に業務範囲が規定されており、これを逸脱すると違法行為となります。看護師として他職種と協働するためには、誰が何をどこまで行えるのかを正確に理解しておくことが不可欠です。

各医療専門職の根拠法と業務範囲

医師の業務は医師法に規定されており、診断・処方・手術などの医行為を独占的に行えます。歯科医師は歯科医師法に基づき歯科医行為を担当します。看護師・保健師・助産師の業務は保健師助産師看護師法(保助看法)に定められ、看護師は「療養上の世話」と「診療の補助」を業とします。助産師は分娩介助や新生児ケアを担います。薬剤師は薬剤師法により調剤を独占しています。

臨床検査技師は臨床検査技師等に関する法律に基づき、医師・歯科医師の具体的指示のもとで検体検査や採血を行います。診療放射線技師は放射線照射を、理学療法士・作業療法士はリハビリテーションを、臨床工学技士は人工呼吸器や血液浄化装置などの生命維持管理装置の操作を担当します。

臨床検査技師による採血

臨床検査技師は2015年の法改正以降、業務範囲が拡大されました。医師の具体的指示のもと、肘静脈・耳朶・指頭などからの検体検査用採血が可能で、原則20mL以内とされています。また鼻腔拭い液・咽頭拭い液・喀痰・糞便・尿などの検体採取も行えます。動脈採血や治療目的の採血はできない点に注意が必要です。

介護福祉士が条件下で行える医療行為

かつて医療行為は医師と看護師の独占でしたが、2011年の社会福祉士及び介護福祉士法改正(2012年4月施行)により、所定の研修を修了し都道府県知事の認定を受けた介護福祉士は、医師の指示と看護師との連携のもとで一部の医療行為を業として行えるようになりました。実施できるのは喀痰吸引経管栄養の2つに限定されます。

喀痰吸引の範囲は口腔内・鼻腔内・気管カニューレ内部の3か所、経管栄養は胃瘻・腸瘻・経鼻経管が対象です。研修は喀痰吸引等研修と呼ばれ、講義50時間と演習からなる基本研修と実地研修で構成されます。研修区分は不特定多数を対象とする第1号、気管カニューレ内吸引を除く第2号、特定の者を対象とする第3号の3つです。看護師は介護福祉士に対して指導的立場で関わり、安全な実施を支えます。これにより高齢者や神経難病患者の在宅・施設療養が継続しやすくなりました。

ケアマネジャーと社会福祉関連職種

介護支援専門員(ケアマネジャー)は介護保険法に基づく専門職で、要介護者・要支援者の居宅サービス計画書(ケアプラン)を作成し、サービス事業者や施設との連絡調整、給付管理、モニタリングを担います。資格取得には、看護師・社会福祉士・介護福祉士などの保健・医療・福祉の国家資格保持者または相談援助業務5年以上の経験者が、実務研修受講試験に合格し実務研修を修了する必要があります。都道府県知事が認定・登録を行い、5年ごとの更新研修が義務づけられています。

ケアプランには居宅サービス計画・施設サービス計画・介護予防サービス計画の3種類があり、ケアマネジメントはアセスメント→プランニング→実施→モニタリング→再アセスメントの流れで進みます。

社会福祉士は福祉相談援助、精神保健福祉士は精神障害者の社会復帰支援、介護福祉士は介護と介護指導を担います。なお身体障害者手帳など各種手帳の発行は都道府県知事、生活保護の認定は福祉事務所、要介護認定は市町村に置かれる介護認定審査会が行うことも整理しておきましょう。

まとめ

医療・介護の専門職は各々の根拠法によって業務範囲が厳密に定められています。看護師は保助看法に基づき療養上の世話と診療の補助を行い、臨床検査技師は医師の指示下で採血や検体採取を担当します。介護福祉士は研修修了と知事認定により喀痰吸引と経管栄養を実施でき、介護支援専門員は介護保険法に基づきケアプランを作成します。チーム医療を安全に機能させるためにも、各職種の法的根拠と業務範囲を確実に押さえておきましょう。

確認問題(穴埋め)

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  1. 1.

    看護師の業務である「療養上の世話」と「診療の補助」を規定している法律はである。

  2. 2.

    臨床検査技師は医師の具体的指示のもとで肘静脈などからのを行うことができ、原則20mL以内とされている。

  3. 3.

    2011年の社会福祉士及び介護福祉士法改正により、研修を修了した介護福祉士が業として行えるようになった医療行為は喀痰吸引とである。

  4. 4.

    介護福祉士が実施できる喀痰吸引の範囲は、口腔内・鼻腔内・の3か所である。

  5. 5.

    要介護者の居宅サービス計画書(ケアプラン)を作成し、サービス事業者との連絡調整を行う専門職を(ケアマネジャー)という。

  6. 6.

    介護支援専門員の認定・登録を行うのはである。

  7. 7.

    人工呼吸器や血液浄化装置などの生命維持管理装置の操作を業とする医療職はである。

  8. 8.

    要介護認定を行うために市町村に設置される機関をという。

  9. 9.

    ケアマネジメントのプロセスは、アセスメント→プランニング→実施→→再アセスメントの順に進む。

医療職種の業務範囲と法」の過去問演習

※公式問題・正答は厚生労働省公開資料をもとに整理しています。