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『できる』『できない』を法律で整理!医療職の業務範囲

看護師国家試験 第106午前77

国試問題にチャレンジ

106午前77

医療職や介護職の業務で法律に規定されているのはどれか。

  1. 1.介護福祉士は訪問看護ができる。
  2. 2.薬剤師は薬を処方することができる。
  3. 3.臨床検査技師は肘静脈から採血ができる。
  4. 4.看護師は病院の管理者となることができる。
  5. 5.診療放射線技師はエックス線写真に基づく診断ができる。

対話形式の解説

博士博士
今日は医療職の業務範囲を問う問題じゃ。誰が何をして良くて、誰が何をしてはいけないか、法律で明確に決まっておる。
サクラサクラ
わたし、この手の問題が苦手なんです…似たような選択肢ばかりで混乱してしまって。
博士博士
コツがあるのじゃ。まず『独占業務』を押さえる。医師しかできない業務は?
サクラサクラ
診断、処方、手術…ですか?
博士博士
その通り!医師法第17条で医行為は医師独占と定められておる。これが最大の基準線じゃ。
サクラサクラ
なるほど。じゃあ選択肢2の『薬剤師は薬を処方できる』は誤りですね。
博士博士
正解。薬剤師は『調剤』はできるが『処方』は医師・歯科医師・獣医師だけ。処方と調剤の違いはよく出る。
サクラサクラ
選択肢5の『診療放射線技師がエックス線写真に基づく診断』は?
博士博士
これも診断は医師の独占業務じゃから誤り。技師は撮影するけれど、読影=診断はできない。
サクラサクラ
選択肢4の『看護師が病院の管理者』は?
博士博士
医療法第10条で『病院の管理者は原則医師』と決まっておる。看護師は看護部長までじゃ。
サクラサクラ
選択肢1の『介護福祉士が訪問看護』は?
博士博士
訪問看護は医療職の業務じゃ。看護師・保健師・助産師・PT・OT・STが提供する。介護福祉士は訪問介護じゃな。
サクラサクラ
『訪問看護』と『訪問介護』、似てて紛らわしいですね。
博士博士
うむ、一文字違いじゃが業務内容は大きく違う。看護は医療、介護は生活援助じゃ。
サクラサクラ
ただし介護福祉士も喀痰吸引はできると聞いたことが…
博士博士
良く知っておるな。2012年の法改正で一定の研修修了者は医師指示下で喀痰吸引と経管栄養ができるようになった。ただし訪問看護そのものはできない。
サクラサクラ
じゃあ残るのは3の『臨床検査技師は肘静脈から採血ができる』ですね。
博士博士
その通り!臨床検査技師等に関する法律第20条の2で、医師の具体的な指示のもと採血(肘静脈等)ができると定められておる。原則20mL以内じゃ。
サクラサクラ
2015年にも法改正があったと聞きました。
博士博士
そうじゃ。鼻腔拭い液や咽頭拭い液、喀痰、糞便、尿など、検体採取の範囲が拡大された。コロナ禍でPCR検査の検体採取にも活躍したのう。
サクラサクラ
整理するとすごく分かりやすいです!
博士博士
国試では『独占業務』と『指示下で可能な業務』を区別するのがポイントじゃ。医師の指示があれば看護師や技師が実施できる業務も多い。
サクラサクラ
採血は看護師もできますよね?
博士博士
もちろん。保健師助産師看護師法第5条の『診療の補助』に含まれる。看護師と臨床検査技師、両方ができるのじゃ。

POINT

各医療職・介護職の法的業務範囲を問う問題。『処方と調剤』『診断と検査』『看護と介護』の境界と、医師の指示が必要な業務を整理しておくことが重要。

解答・解説

正解は3です

問題文:医療職や介護職の業務で法律に規定されているのはどれか。

解説:正解は 3 の『臨床検査技師は肘静脈から採血ができる』です。臨床検査技師等に関する法律(第20条の2)により、臨床検査技師は『医師又は歯科医師の具体的な指示』に基づき、検体検査のための採血(肘静脈、耳朶、指頭等からの採血)を行うことができます。採取できる量は原則20mL以内と定められています。また2015年の法改正により、検体採取(鼻腔拭い液、咽頭拭い液、鼻腔洗浄液、喀痰、糞便、尿、皮膚・毛髪・爪の表面からの採取など)も可能になりました。

選択肢考察

  1. ×1.  介護福祉士は訪問看護ができる。

    誤り。訪問看護は『看護師・保健師・助産師・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士』が提供できるサービス(健康保険法・介護保険法に基づく)。介護福祉士は訪問介護(生活援助・身体介護)を行うが訪問看護は業務範囲外。ただし一定の研修修了者は、医師の指示下で特定の医行為(喀痰吸引・経管栄養)が認められている。

  2. ×2.  薬剤師は薬を処方することができる。

    誤り。薬を『処方』できるのは医師・歯科医師・獣医師のみ(医師法第22条、歯科医師法第21条)。薬剤師は処方箋に基づいて『調剤』を行い、服薬指導や薬歴管理を担う。処方と調剤の区別は国試頻出。

  3. 3.  臨床検査技師は肘静脈から採血ができる。

    正しい。臨床検査技師等に関する法律第20条の2により、医師の具体的な指示のもとで採血(肘静脈等)が可能。原則20mL以内。

  4. ×4.  看護師は病院の管理者となることができる。

    誤り。医療法第10条で『病院又は医師が常時3人以上勤務する診療所の管理者は、原則として医師であること』と規定されている。看護師は病棟師長・看護部長にはなれても病院全体の管理者(院長)にはなれない。

  5. ×5.  診療放射線技師はエックス線写真に基づく診断ができる。

    誤り。診断は医師・歯科医師の独占業務(医師法第17条)。診療放射線技師は医師の指示のもと放射線の照射・撮影・画像情報処理などを行うが、診断(読影)はできない。

各医療専門職の業務範囲は法律で明確に定められている。医師法:診断・処方・手術などの医行為独占/歯科医師法:歯科医行為/看護師:保健師助産師看護師法で療養上の世話・診療の補助/助産師:助産師・保健師助産師看護師法で分娩介助・新生児ケア/薬剤師法:調剤独占/臨床検査技師:検体検査・採血/診療放射線技師:放射線照射/理学療法士・作業療法士法:リハビリ/臨床工学技士:生命維持管理装置の操作/介護福祉士:介護(喀痰吸引・経管栄養は研修修了者のみ、医師指示下)。いずれも『医師の指示』が前提の業務と、独占業務を区別することが重要。

各医療職・介護職の法的業務範囲を問う問題。『処方と調剤』『診断と検査』『看護と介護』の境界と、医師の指示が必要な業務を整理しておくことが重要。

※公式問題・正答は厚生労働省公開資料をもとに整理しています。