StudyNurse

人口統計(高齢化・世帯構造)

健康支援と社会保障制度 / 公衆衛生・人口統計

解説

今回は人口統計のうち、高齢化と世帯構造について解説します。

人口統計の基礎

人口統計とは、国や地域の人口規模・年齢構成・世帯のあり方などを数量的に把握するための統計です。看護では、保健医療政策の背景理解や対象者の生活基盤を読み取るために必須の知識となります。 世帯構造や要介護者の状況、所得などをまとめて把握する代表的な調査が国民生活基礎調査です。これは厚生労働省が実施する調査で、3年ごとに大規模調査を行い、その間の年は簡易調査が実施されます。世帯構造や介護に関する設問は、この国民生活基礎調査を根拠として出題されます。

年齢3区分と日本の人口の推移

人口を年齢で区切るときには、0〜14歳を年少人口、15〜64歳を生産年齢人口、65歳以上を老年人口と呼ぶ年齢3区分が用いられます。 日本の総人口は近年わずかに減少傾向ですが、平成29年時点で約1億2670万人となっています。年齢3区分別に推移をみると、年少人口は一貫して減少し、生産年齢人口は1992年(平成4年)以降減少し続け、老年人口のみが一貫して増加してきました。「10年前と比べて増加しているのは老年人口だけ」という形で国試に問われやすい点です。年少人口と生産年齢人口がともに減り老年人口が増える現象を少子高齢化といいます。

高齢化率と社会区分

総人口に占める65歳以上人口の割合を高齢化率といいます。世界保健機関などの分類では、高齢化率が7%を超えた社会を高齢化社会、14%を超えた社会を高齢社会、21%を超えた社会を超高齢社会と呼びます。 日本は2007年(平成19年)に高齢化率が21%を超え、世界でも早く超高齢社会に突入しました。平成29年の高齢化率は約27.7%であり、4人に1人以上が65歳以上という状況です。今後の節目として、団塊の世代がすべて75歳以上の後期高齢者となる2025年問題があり、医療・介護需要の急増が懸念されています。

世帯構造の分類

世帯とは、住居と生計をともにする人の集まりを指します。国民生活基礎調査では世帯構造を、単独世帯・核家族世帯・三世代世帯・その他の世帯に分類します。 核家族とはアメリカの人類学者マードックが提唱した概念で、夫婦のみの世帯、夫婦と未婚の子のみの世帯、ひとり親と未婚の子のみの世帯の3つの形を指します。祖父母と親と子が同居するように、複数世代の親子関係を含む世帯は三世代世帯となり、核家族には含まれません。

世帯構造の経年変化

世帯構造は戦後から大きく変化してきました。1989年から2013年までの25年間で単独世帯は約7,866千世帯から13,285千世帯へ大幅に増加し、夫婦のみ世帯も増えました。一方、三世代世帯は減少し続け、平均世帯人員は1989年の3.10人から2013年に2.51人、令和元年には2.39人まで縮小しています。 令和元年(2019年)の国民生活基礎調査では、世帯構造の割合は単独世帯28.8%が最多で、続いて夫婦と未婚の子のみ28.4%、夫婦のみ24.4%、ひとり親と未婚の子7.0%、その他6.3%、三世代5.1%の順となっています。三世代世帯がもっとも少ない点が国試で問われます。なお核家族世帯の合計は約6割で推移しており、世帯総数は約5,178万世帯です。

要介護者の主な介護者

要介護者を主に介護している人について、平成25年の国民生活基礎調査では同居の家族が61.6%を占め、もっとも多い続柄は配偶者で26.2%でした。次いで子が21.8%、子の配偶者が11.2%と続きます。同居の主な介護者の年齢構成をみると、介護者・被介護者ともに高齢者である老老介護が増えていることが特徴です。介護の担い手が嫁から配偶者や実子へとシフトしている点もあわせて押さえます。

生涯未婚率

生涯未婚率とは、50歳時点で一度も結婚をしたことがない人の割合を指し、近年は「50歳時未婚割合」とも表現されます。2010年には男性20.14%、女性10.61%でしたが、2020年には男性28.25%、女性17.81%となり、男女ともに上昇しています。未婚化と単独世帯の増加は、高齢者の独居や介護の担い手不足とも結びつく重要な社会的背景です。

まとめ

人口統計では、国民生活基礎調査が世帯と介護を読み解く基本資料となります。日本では年少人口・生産年齢人口が減少する一方で老年人口のみが増え続け、2007年に超高齢社会へ突入し、2025年には団塊の世代が後期高齢者となります。世帯構造では単独世帯が最多となり、三世代世帯が最少で、平均世帯人員は2人台前半まで縮小しています。要介護者の主な介護者は同居の配偶者が最多で、老老介護が広がっています。生涯未婚率も男女ともに上昇しており、こうした人口・世帯の変化は看護の対象理解と国試対策の土台となります。

確認問題(穴埋め)

空欄をタップすると答えが表示されます。

  1. 1.

    世帯構造や要介護者の状況などを把握するために厚生労働省が実施し、3年ごとに大規模調査が行われる調査をという。

  2. 2.

    人口の年齢3区分のうち、15〜64歳の人口をという。

  3. 3.

    総人口に占める65歳以上人口の割合を高齢化率といい、これが21%を超えた社会をと呼ぶ。

  4. 4.

    日本では平成29年時点の高齢化率は約%であり、超高齢社会となっている。

  5. 5.

    団塊の世代がすべて75歳以上の後期高齢者となり、医療・介護需要の急増が懸念される問題をという。

  6. 6.

    国民生活基礎調査で用いられる世帯構造の分類のうち、夫婦のみ・夫婦と未婚の子のみ・ひとり親と未婚の子のみの3類型をまとめてという。

  7. 7.

    令和元年の国民生活基礎調査において、世帯構造で最も割合が高いのはであり、最も少ないのは三世代世帯である。

  8. 8.

    令和元年の国民生活基礎調査における平均世帯人員は人である。

  9. 9.

    平成25年の国民生活基礎調査において、要介護者の主な介護者で同居の家族の中で最も多い続柄はであった。

  10. 10.

    高齢の介護者が高齢の要介護者を介護する状況をという。

人口統計(高齢化・世帯構造)」の過去問演習

※公式問題・正答は厚生労働省公開資料をもとに整理しています。