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平均寿命と平均余命

健康支援と社会保障制度 / 公衆衛生・人口統計

解説

今回は平均寿命と平均余命について解説します。平均寿命は人口統計のなかでも特に基本となる指標で、看護師国家試験の必修問題で繰り返し問われる重要事項です。「亡くなった人の平均年齢」ではなく、ある統計学的な定義に基づいた数値であることをまず理解しておきましょう。

平均余命とは

平均余命とは、ある年齢に達した人が、その後平均して何年生きられるかを示す期待値です。たとえば「50歳の平均余命」と言えば、50歳の人があと何年生きられるかの平均値を表します。平均余命は、ある年の年齢階級別死亡率がそのまま将来も続くと仮定したうえで、数理モデルによって算出されます。この計算のもととなるのが生命表です。

生命表とは、各年齢の死亡率から、ある集団の生存者数・死亡者数・平均余命などを年齢別に算出した統計表のことで、厚生労働省が公表しています。生命表には、毎年作成される簡易生命表と、国勢調査の結果をもとに5年ごとに作成される完全生命表の2種類があります。簡易生命表のほうが速報性が高く、看護師国家試験では「簡易生命表によれば…」という形で問われることが多いので押さえておきましょう。

平均寿命とは

平均寿命とは、0歳の平均余命のことです。つまり、その年に生まれた赤ちゃんが、平均してあと何年生きられるかを示す数値であり、決して「その年に亡くなった人の平均年齢」ではありません。国家試験では「平均寿命とは何か」を問う問題で、この定義をそのまま選ばせる出題が繰り返されています。

平均寿命は、その国・地域における保健水準、医療水準、栄養状態、衛生環境などを総合的に反映する指標であり、WHOや国連でも国際比較に広く用いられています。日本人の平均寿命は、戦後著しく延伸しました。昭和22年(1947年)には男性50.06歳・女性53.96歳でしたが、その後の医療の進歩や生活水準の向上により大きく延び、現在では男女ともに世界トップクラスの長寿となっています。

近年の平均寿命の数値

国家試験では具体的な数値も問われます。平成25年(2013年)の簡易生命表で男性が80.21年となり、統計上初めて男性の平均寿命が80年を超えた年として記憶しておきましょう。同年の女性は86.61年でした。平成29年(2017年)には男性81.09年・女性87.26年、令和元年(2019年)には男性81.41年・女性87.45年と推移しました。令和3年(2021年)は男性81.47年・女性87.57年、令和4年(2022年)には男性81.05年・女性87.09年で、新型コロナウイルス感染症の影響により前年より短縮した年もありました。直近の値はおおむね男性81年台、女性87年台で推移しており、男女差は約6年前後です。試験対策としては「男性は80年台前半、女性は80年台後半」と大枠で押さえておくと取りこぼしを防げます。

健康寿命との違い

平均寿命とあわせて理解しておきたいのが健康寿命です。健康寿命はWHOが2000年に提唱した概念で、健康上の問題によって日常生活が制限されることなく過ごせる期間の平均を意味します。2019年の値は男性72.68年、女性75.38年であり、平均寿命との差は男性で約8.5年、女性で約12年あります。この差が大きいほど、人生の終盤で介護や医療を必要とする期間が長いことを意味します。平均寿命と健康寿命の差を縮めることは、**健康日本21(第三次)**などの保健政策における重要課題となっています。

まとめ

平均余命はある年齢の人が今後平均して何年生きられるかの期待値であり、生命表から算出されます。なかでも0歳の平均余命を特別に平均寿命と呼びます。平均寿命は亡くなった人の平均年齢ではなく、その年に生まれた0歳児があと何年生きられるかの期待値である点が国試頻出のポイントです。日本の平均寿命は近年男性81年台、女性87年台で推移し、平成25年に男性が初めて80年を超えました。健康寿命との差を縮めることが現在の保健政策上の重要課題となっており、これらの定義と数値、関連用語をセットで覚えることが国家試験対策の要となります。

確認問題(穴埋め)

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  1. 1.

    ある年齢に達した人が、その後平均して何年生きられるかを示す期待値をという。

  2. 2.

    平均寿命とはの平均余命のことである。

  3. 3.

    平均余命や平均寿命の算出に用いられる、年齢別死亡率から各年齢の生存者数や平均余命などを示した統計表をという。

  4. 4.

    生命表のうち、厚生労働省が毎年作成・公表しているものをといい、国勢調査をもとに5年ごとに作成されるものを完全生命表という。

  5. 5.

    日本において、簡易生命表上で男性の平均寿命が統計開始以来はじめて80年を超えたのは平成年(2013年)である。

  6. 6.

    令和4年(2022年)の簡易生命表における日本人女性の平均寿命はおよそ年である。

  7. 7.

    令和4年(2022年)の簡易生命表における日本人男性の平均寿命はおよそ年である。

  8. 8.

    健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間の平均をという。

  9. 9.

    平均寿命と健康寿命の差を縮めることを目標の一つに掲げた近年の国民健康づくり運動をという。

平均寿命と平均余命」の過去問演習

※公式問題・正答は厚生労働省公開資料をもとに整理しています。