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疾病予防の段階

健康支援と社会保障制度 / 健康増進・疾病予防

解説

疾病予防の段階とは、病気の自然史(健康→発症前→発症→回復・後遺症)に沿って、どの時点でどのような介入を行うかを体系的に整理した考え方です。今回は、看護師国家試験で頻出のリーベル&クラーク(Leavell & Clark)による疾病予防の三段階について解説します。

予防医学の基本的な考え方

人間が病気になる過程は、健康な状態から始まり、危険因子への曝露、病的変化の出現、症状の発現、治療、回復または後遺症の残存へと連続的に進んでいきます。この一連の流れを疾病の自然史と呼び、その各段階に対して効果的な介入を行うのが予防医学の目的です。

リーベル&クラークは、介入の時期と目的に応じて予防活動を一次予防・二次予防・三次予防の3段階に分類しました。看護師国家試験では「具体的な取り組みがどの段階に該当するか」を選ばせる形式で繰り返し出題されており、各段階のキーワードと典型例をしっかり押さえることが重要です。

一次予防 ― 健康増進と特異的予防

一次予防とは、まだ病気になっていない健康な段階で、疾病の発生そのものを未然に防ぐ活動です。これは大きく健康増進特異的予防の二つに分けられます。

健康増進は、特定の疾病を対象とせず、全般的に健康レベルを高める活動を指します。具体的には、バランスのとれた食事、適度な運動、十分な睡眠、禁煙・節酒、ストレスマネジメント、健康教育、保健指導などが該当します。地域での子育て支援講座や、職場でのストレス対処法の講演会も一次予防に位置づけられます。

一方、特異的予防は、特定の疾病に対して的を絞った予防策をとるものです。代表例は予防接種で、麻疹ワクチンや肺炎球菌ワクチン、インフルエンザワクチンなどがこれに含まれます。そのほか、職業病対策としての防護具の着用、う蝕予防のためのフッ素塗布、事故防止のための環境整備なども特異的予防にあたります。

国の施策である**健康日本21(第三次)**は、生活習慣の改善を通じて生活習慣病の発症を防ぐことを中心に据えており、一次予防を重視した健康づくり運動です。

二次予防 ― 早期発見と早期治療

二次予防とは、発症してはいるものの自覚症状が乏しい段階で疾病を早期に発見し、早期に治療を開始することで重症化や合併症を防ぐ活動です。キーワードは早期発見・早期治療であり、国試では最も問われやすい段階です。

具体的には、健康診断、人間ドック、がん検診、特定健康診査、新生児マススクリーニング、便潜血検査、子宮頸がん細胞診などのスクリーニング検査がすべて二次予防に該当します。これらで異常が見つかった人に対して行われる精密検査や早期治療も含まれます。

精神保健の領域でも考え方は同じです。職場のストレスチェックで高ストレスと判定された人への医師面接、健康診断でうつ傾向と判定された人への面接、不登校が続く児童への家庭訪問など、不調の兆しがある対象を早期に発見して介入する活動は二次予防です。同じ「家庭訪問」でも、健康な家庭への啓発活動であれば一次予防、不調が疑われる対象への介入であれば二次予防になる点に注意してください。

三次予防 ― 機能回復と社会復帰

三次予防とは、すでに発症して治療を受けた患者に対して、後遺症を最小限にとどめ、再発を防ぎ、社会復帰を支援する活動です。キーワードはリハビリテーション・再発予防・社会復帰です。

代表例として、脳卒中後の運動機能訓練、心筋梗塞後の心臓リハビリテーション、肺炎後の呼吸リハビリテーション、糖尿病の合併症予防のための患者教育や服薬指導、がん患者への緩和ケアなどが挙げられます。職場領域では、休職した労働者に対するリワークプログラム(職場復帰支援)や復職後の適正配置が典型的な三次予防です。精神保健領域では、社会生活技能訓練(SST)やデイケアもここに含まれます。

看護師の関わりと国試対策のポイント

看護師は地域、学校、職場、医療機関のあらゆる場面で予防活動に関わります。同じ「指導」「訪問」「健診」という言葉でも、対象が健康な人か、症状のある人か、治療後の人かによって予防の段階が変わります。**「発症の前か・発症初期か・発症後か」**を軸に判別すると整理しやすくなります。一次は「ならないため」、二次は「早く見つけて治す」、三次は「悪化させない・元に戻す」と覚えておきましょう。

確認問題(穴埋め)

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  1. 1.

    リーベル&クラークは疾病予防を3段階に分類した。健康な段階で疾病の発生そのものを防ぐ活動をという。

  2. 2.

    一次予防は健康増進とに分けられ、後者には予防接種や職業病対策が含まれる。

  3. 3.

    がん検診や特定健康診査など、無症状の段階で疾病を発見する取り組みはに該当する。

  4. 4.

    二次予防のキーワードは早期発見とである。

  5. 5.

    脳卒中後の機能訓練や心筋梗塞後の心臓リハビリテーションはに位置づけられる。

  6. 6.

    三次予防の中心となる活動はであり、機能回復と社会復帰を目的とする。

  7. 7.

    職場で休職した労働者に対する職場復帰支援(リワーク)プログラムはに該当する。

  8. 8.

    ストレスチェックで高ストレスと判定された者への医師面接はにあたる。

  9. 9.

    生活習慣の改善を通じて生活習慣病の発症を防ぐことを目指す国の健康づくり運動はである。

疾病予防の段階」の過去問演習

※公式問題・正答は厚生労働省公開資料をもとに整理しています。