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代謝疾患の生活指導

成人看護学 / 内分泌・代謝

解説

今回は代謝疾患の生活指導について解説します。代謝疾患のなかでも、高尿酸血症・痛風と脂質異常症は生活習慣との関連が深く、薬物療法と並行して食事や運動などの生活指導が治療の中心となります。看護師には病態の理解に基づいた具体的な指導が求められます。

高尿酸血症・痛風の病態

高尿酸血症とは、血清尿酸値が7.0mg/dLを超える状態をいいます。尿酸は血漿中での溶解度が低く、体温より低い部位では結晶化しやすい性質をもちます。高尿酸血症が持続すると、尿酸ナトリウム(MSU)結晶が関節内に析出し、好中球に貪食されることで急性の単関節炎を引き起こします。これが痛風発作です。発作は下肢末端、特に第1中足趾節関節(足の親指の付け根、母趾MTP関節)に好発し、夜間から早朝にかけての激痛で発症することが特徴です。合併症には痛風結節、尿路結石、慢性腎臓病、メタボリックシンドロームなどがあります。

高尿酸血症・痛風の生活指導

生活指導の柱は、プリン体制限、アルコール制限、十分な水分摂取、適度な運動、肥満の是正です。食事ではプリン体を1日400mg以下に抑えることが目安となります。プリン体含有量が極めて多い食品にはレバー類、白子、アンコウ肝、マイワシ干物、煮干しなどがあり、多い食品にはカツオやマイワシ、大正エビなどが含まれます。一方、卵、乳製品、野菜、イモ類、穀類、豆腐などはプリン体が少なく、積極的に選択できます。

アルコールはプリン体の供給源となるだけでなく、肝臓での尿酸産生を亢進させ、さらに代謝過程で生じる乳酸が腎臓からの尿酸排泄を低下させます。ビールはプリン体含有量が比較的多いことから特に制限が必要ですが、種類を問わずアルコール自体が尿酸値を上昇させるため、全般的に控えるよう指導します。

運動については、適度な有酸素運動が望ましく、激しい無酸素運動は避けるよう指導します。激しい運動は筋肉でのプリン体代謝を亢進させて尿酸産生を増やし、発汗による脱水でも尿酸値が上昇するためです。水分は1日2000mL以上を目安に摂取し、尿量を2L/日以上確保することで尿酸の排泄を促します。尿酸排泄促進薬を内服中は尿中尿酸濃度が上昇して尿路結石を生じやすくなるため、十分な飲水に加えて尿のアルカリ化が推奨されます。

痛風発作時の対応と薬物療法

急性発作時はNSAIDsやコルヒチン、コルチコステロイドによる消炎が優先されます。尿酸降下薬には尿酸生成抑制薬(アロプリノール、フェブキソスタット)と尿酸排泄促進薬(ベンズブロマロン)があります。発作中に尿酸降下薬を新規に開始すると血清尿酸値の急激な変動で発作が悪化するため、発作が落ち着いた間欠期に開始するのが原則です。

脂質異常症の生活指導

脂質異常症の食事療法の基本は、適正なエネルギー摂取、飽和脂肪酸・コレステロール・トランス脂肪酸の制限、n-3系不飽和脂肪酸・食物繊維・大豆製品の積極的な摂取、そしてアルコールを25g/日以下に抑えることです。タイプ別では、高LDLコレステロール血症ではコレステロール摂取を制限し、低HDLコレステロール血症では運動の励行と禁煙が重要となります。

特に高トリグリセリド血症ではアルコール制限が重要です。アルコールは肝臓での中性脂肪合成を促進し、摂取量に比例してトリグリセリド値が上昇するため、日本動脈硬化学会のガイドラインでは禁酒または節酒が推奨されています。あわせて糖質の過剰摂取を控えることも有効です。

まとめ

代謝疾患の生活指導では、病態と生活習慣の関連を踏まえ、具体的かつ実行可能な内容を伝えることが重要です。高尿酸血症・痛風ではプリン体とアルコールの制限、十分な水分摂取、適度な運動が基本となり、痛風発作は第1中足趾節関節に好発する激痛として現れます。脂質異常症ではタイプに応じた食事指導が必要で、特に高トリグリセリド血症ではアルコール制限が中心となります。薬物療法と生活指導を組み合わせ、患者が継続できる支援を行うことが看護師の役割です。

確認問題(穴埋め)

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  1. 1.

    高尿酸血症は血清尿酸値がmg/dLを超える状態と定義される。

  2. 2.

    痛風発作は下肢末端、特に(母趾MTP関節)に好発する。

  3. 3.

    高尿酸血症患者の食事指導では、プリン体摂取量を1日mg以下に抑えることが目安となる。

  4. 4.

    アルコールのなかでも特にプリン体含有量が多く制限が必要なのはである。

  5. 5.

    高尿酸血症患者には1日mL以上の水分摂取を勧め、尿量を確保して尿酸排泄を促す。

  6. 6.

    激しい運動は筋肉でのプリン体代謝亢進と脱水で尿酸値を上げるため避ける。

  7. 7.

    痛風発作の急性期に消炎目的で第一選択となる薬剤はである。

  8. 8.

    尿酸生成抑制薬の代表例としてがある。

  9. 9.

    脂質異常症の食事療法では、アルコールを1日g以下に抑えることが推奨される。

  10. 10.

    血症ではアルコールが肝臓での中性脂肪合成を促進するため、禁酒または節酒が特に重要である。

代謝疾患の生活指導」の過去問演習

※公式問題・正答は厚生労働省公開資料をもとに整理しています。