廃用症候群の合併症を整理しよう
看護師国家試験 第104回 午前 第47問 / 成人看護学 / 慢性疾患とリハビリテーション看護
国試問題にチャレンジ
廃用症候群(disuse syndrome)の説明で適切なのはどれか。
- 1.二次的に低カルシウム血症を発症する。
- 2.加齢とともに症状の進行は遅くなる。
- 3.二次的に起立性低血圧を発症する。
- 4.癌患者ではみられない。
対話形式の解説
博士
今日は廃用症候群について学ぶぞい。どんな状態を指すか言えるかな
サクラ
はい、過度の安静や活動性低下によって起こる二次的障害の総称です
博士
その通り。具体的にどんな症状が起こるか
サクラ
筋萎縮、関節拘縮、骨萎縮、褥瘡などが浮かびます
博士
ほかにも循環器系として起立性低血圧、呼吸器系として誤嚥性肺炎、精神面では抑うつやせん妄もあるぞい
サクラ
起立性低血圧はどうして起こるんでしょうか
博士
長期臥床で自律神経の血圧調節能が落ち、立ち上がった時に血圧が下がってしまうのじゃ
サクラ
離床のときに注意が必要ですね
博士
段階的に体位を上げる、ティルトテーブルを使うなど工夫が要る
サクラ
カルシウムの動きはどうなりますか
博士
臥床で骨吸収が亢進し、骨からカルシウムが抜けて高カルシウム血症や尿路結石が起こりやすいぞい
サクラ
低カルシウム血症ではないんですね
博士
そうじゃ、ここを混同しないこと。加齢との関係はどう考える
サクラ
高齢者は予備能が低く、進行も早く回復も難しいです
博士
そう、だから予防が最重要じゃ。癌患者でも起こり得るかな
サクラ
疼痛や倦怠感で活動が落ちるので、当然リスクがあります
博士
看護介入として何が大事かな
サクラ
早期離床、ROM訓練、体位変換、栄養管理、心理的支援です
博士
見事じゃ。多職種連携で取り組むことが必要じゃぞ
POINT
廃用症候群は長期臥床や活動低下による多臓器の二次的障害で、起立性低血圧は代表的合併症です。骨吸収亢進による高カルシウム血症や尿路結石、抑うつ、誤嚥性肺炎なども生じます。高齢者や癌患者でも発症しやすく、早期離床と多職種連携による予防が重要となります。
解答・解説
正解は 3 です
問題文:廃用症候群(disuse syndrome)の説明で適切なのはどれか。
解説:正解は3です。廃用症候群は長期臥床や活動性低下による二次的障害の総称で、自律神経機能の低下から起立性低血圧を生じやすくなります。骨萎縮、筋萎縮、関節拘縮、褥瘡、抑うつなど多臓器に及びます。
選択肢考察
-
× 1. 二次的に低カルシウム血症を発症する。
長期臥床では骨吸収が亢進して尿中カルシウム排泄が増え、むしろ高カルシウム血症や尿路結石が問題となります。低カルシウム血症は典型的な合併症ではありません。
-
× 2. 加齢とともに症状の進行は遅くなる。
加齢に伴い予備能や適応力が低下し、廃用症候群の発症は早く、進行も急速で、回復も困難になります。進行が遅くなるのは誤りです。
-
○ 3. 二次的に起立性低血圧を発症する。
長期臥床により自律神経の血圧調節能が低下し、急に体位変換した際に血圧が下がる起立性低血圧が起こります。離床訓練の重要な障壁となる代表的合併症です。
-
× 4. 癌患者ではみられない。
癌患者でも疼痛や倦怠感、抑うつなどから活動性が低下しやすく、廃用症候群を生じやすい代表的な対象者です。みられないとするのは誤りです。
廃用症候群の主な症状には筋萎縮、関節拘縮、骨萎縮(骨粗鬆症)、起立性低血圧、心機能低下、誤嚥性肺炎、深部静脈血栓症、褥瘡、便秘、尿路感染、抑うつ、せん妄などがあります。早期離床、関節可動域訓練、体位変換、コミュニケーションが予防の基本です。高齢者は特に発症しやすく、回復に時間を要するため予防的介入が重要です。
廃用症候群の概念と二次的合併症を理解しているかを問う問題で、長期臥床のリスクを多角的に把握することがポイントです。
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