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セルフケア行動を継続する支援のコツ

看護師国家試験 第105回 午後 第42問 / 成人看護学 / 慢性疾患とリハビリテーション看護

国試問題にチャレンジ

105回 午後 第42問

セルフケア行動を継続するための支援で適切なのはどれか。

  1. 1.看護師が患者の目標を設定する。
  2. 2.目標は達成が容易でない水準にする。
  3. 3.行動の習慣化が重要であることを伝える。
  4. 4.これまでの経験は忘れて新たな方法で取り組むよう促す。

対話形式の解説

博士 博士

今日はセルフケア行動をどうやって長く続けてもらうかという支援の話じゃ。慢性疾患の患者さんには特に大事なテーマじゃぞ。

アユム アユム

博士、セルフケアって患者さん本人が自分の健康管理をすることですよね。

博士 博士

その通りじゃ。糖尿病の食事療法、高血圧の服薬、透析患者の水分管理など、生活の中で継続することが治療効果を左右するのじゃ。

アユム アユム

正解の選択肢は3の『行動の習慣化が重要であることを伝える』ですね。なぜ習慣化がそんなに重要なんですか?

博士 博士

行動は繰り返されることで意識せずにできるようになる、つまり習慣になるのじゃ。歯磨きのように生活に組み込まれれば、意志の力を使わず継続できるのじゃよ。

アユム アユム

選択肢1の『看護師が患者の目標を設定する』は、なぜダメなんでしょうか?

博士 博士

セルフケアは本人が主役じゃ。他人に決められた目標では動機づけが生まれず、自己効力感も育たん。看護師は助言者じゃぞ。

アユム アユム

選択肢2の『目標は達成が容易でない水準』も違うんですよね。

博士 博士

高すぎる目標は失敗体験を生んで自信を失わせるのじゃ。スモールステップで少し頑張れば届く水準にするのがコツじゃ。

アユム アユム

選択肢4の『これまでの経験は忘れて新たな方法』も不適切ですね。

博士 博士

患者さんの過去の生活経験は貴重な資源じゃ。それを活かしてこそ、無理なく継続できる方法が見つかるのじゃ。

アユム アユム

なるほど、主体性・達成可能性・経験活用・習慣化がポイントなんですね。

博士 博士

その通りじゃ。行動変容ステージモデルでは維持期に入るまで6か月以上かかるといわれておる。逆戻りも想定しながら根気よく支えるのが看護師の役割じゃぞ。

POINT

セルフケア行動の継続には患者自身の主体性と習慣化が鍵です。目標は患者が達成可能な水準で自ら設定し、過去の経験を活かしながら日常生活に組み込みます。看護師は動機づけを支え、成功体験を重ねられるよう助言する立場で関わります。行動変容には時間がかかるため、逆戻りも想定した長期的視点が重要です。

解答・解説

正解は 3 です

問題文:セルフケア行動を継続するための支援で適切なのはどれか。

解説:正解は 3 です。セルフケアとは患者自身が自らの健康管理に主体的に取り組む行動のことで、慢性疾患やリハビリテーション看護において中核となる概念です。行動変容理論では、新しい行動を長期に継続するためには『習慣化』が不可欠とされており、日常生活の中に自然に組み込まれることで意識的な努力なく続けられるようになります。看護師は動機づけを支え、具体的で達成可能な目標設定を支援し、成功体験を積み重ねられるよう関わることが大切です。

選択肢考察

  1. × 1.  看護師が患者の目標を設定する。

    セルフケアは患者本人が主体となって取り組むものです。看護師が一方的に目標を決めると、患者の動機づけや自己効力感が育たず、継続につながりません。看護師は情報提供や助言を行い、患者自身が実行可能な目標を立てられるよう支援する立場です。

  2. × 2.  目標は達成が容易でない水準にする。

    達成困難すぎる目標は失敗体験を生み、自己効力感を低下させて継続意欲を奪います。スモールステップ法のように、少し努力すれば達成できる水準の目標を段階的に設定し、成功体験を積み重ねることが継続の鍵です。

  3. 3.  行動の習慣化が重要であることを伝える。

    行動は繰り返されることで習慣化し、無意識レベルで継続できるようになります。習慣化はセルフケア継続の最も重要な要素であり、生活リズムに組み込むことで長期的な行動変容が定着します。これを患者に伝えることは適切な支援です。

  4. × 4.  これまでの経験は忘れて新たな方法で取り組むよう促す。

    過去の経験は患者の価値観や生活パターンと結びついた貴重な資源です。これを否定するとアイデンティティや自尊心を損ない、動機づけが弱まります。これまでの生活習慣を踏まえ、実行可能な方法を一緒に検討することが大切です。

セルフケア支援ではオレムのセルフケア理論や行動変容ステージモデル(前熟考期・熟考期・準備期・実行期・維持期)が有用です。維持期に至るには平均6か月以上の継続が必要とされ、逆戻りも想定した支援が求められます。動機づけ面接や自己モニタリング(記録をつける)、家族のサポート、スモールステップでの目標設定などが継続を後押しします。

セルフケア行動の継続支援における基本原則を問う問題です。患者の主体性と習慣化の重要性を理解しているかが焦点です。