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眼底検査が必要な疾患を押さえよう

看護師国家試験 第105回 午後 第86問 / 成人看護学 / 健康の保持・増進と疾病の予防

国試問題にチャレンジ

105回 午後 第86問

眼底検査が必要なのはどれか。2つ選べ。

  1. 1.中耳炎(otitis media)
  2. 2.糖尿病(diabetes mellitus)
  3. 3.麦粒腫(hordeolum)
  4. 4.高血圧症(hypertension)
  5. 5.筋萎縮性側索硬化症〈ALS〉(amyotrophic lateral sclerosis)

対話形式の解説

博士 博士

第105回午後205は眼底検査が必要な疾患を2つ選ぶ問題じゃ。

アユム アユム

博士、眼底検査とは何を見る検査ですか。

博士 博士

瞳孔から光を入れて網膜、視神経乳頭、網膜血管、黄斑部を直接観察する検査で、全身で唯一非侵襲的に細動脈を見られるのじゃ。

アユム アユム

正解は何番ですか。

博士 博士

正解は2と4じゃ。2の糖尿病は三大合併症の一つである糖尿病網膜症のために、診断時と経過中の定期検査が必須なんじゃ。

アユム アユム

糖尿病網膜症の進行段階は。

博士 博士

単純、前増殖、増殖の3段階に分類される。増殖網膜症まで進むと硝子体出血や牽引性網膜剥離で失明しうる。

アユム アユム

4の高血圧症はどう関係しますか。

博士 博士

高血圧は網膜細動脈の硬化性変化を起こし、Keith-Wagener-Barker分類のⅠからⅣ度で評価できる。全身動脈硬化の重症度推定にもなるのじゃ。

アユム アユム

1の中耳炎はなぜ違うのですか。

博士 博士

中耳炎は耳鼻科疾患で、鼓膜所見や聴力検査、ティンパノメトリーが中心じゃ。

アユム アユム

3の麦粒腫は。

博士 博士

まぶたのマイボーム腺などの化膿性炎症で、眼瞼外観の観察が主。眼底検査の適応ではない。

アユム アユム

5のALSはどうですか。

博士 博士

ALSは運動ニューロン疾患で筋電図やMRI、髄液検査で診断する。眼底は正常じゃ。

アユム アユム

散瞳薬使用時の注意は。

博士 博士

数時間まぶしさや近方視力低下が続くため車の運転は禁忌じゃぞ。

アユム アユム

他に眼底検査でわかる疾患はありますか。

博士 博士

緑内障、加齢黄斑変性、脳腫瘍によるうっ血乳頭なども眼底所見が診断の手がかりになるのじゃ。

POINT

眼底検査は網膜と細動脈を直接観察できる唯一の検査で、糖尿病網膜症と高血圧網膜症の早期発見に有効です。いずれも無症状で進行するため定期検査が推奨されます。中耳炎・麦粒腫・ALSは眼底とは無関係で、散瞳後は運転禁忌である点も実務上押さえておくべきです。

解答・解説

正解は 2 4 です

問題文:眼底検査が必要なのはどれか。2つ選べ。

解説:正解は 2 と 4 です。眼底検査は瞳孔から光を入れて網膜・視神経乳頭・網膜血管・黄斑部を直接観察する検査で、全身で唯一細動脈を非侵襲的に観察できます。糖尿病では高血糖が続くと網膜毛細血管が障害され糖尿病網膜症を発症し、失明原因の上位を占めます。高血圧症では網膜細動脈の硬化性変化(Scheie分類やKeith-Wagener分類)が現れ、全身の動脈硬化の程度を推定できます。いずれも自覚症状が乏しいまま進行するため定期的な眼底検査が推奨されます。

選択肢考察

  1. × 1.  中耳炎(otitis media)

    中耳炎は耳鼻咽喉科の疾患で、鼓膜所見の観察や聴力検査、ティンパノメトリーが行われます。眼底検査は関係しません。

  2. 2.  糖尿病(diabetes mellitus)

    糖尿病網膜症は三大合併症の一つで、無症状のまま進行し増殖網膜症に至ると失明することもあります。診断時および経過中の定期的な眼底検査が必須です。

  3. × 3.  麦粒腫(hordeolum)

    麦粒腫はまぶたのマイボーム腺や睫毛腺の急性化膿性炎症で、眼瞼の外観観察と細菌感染への対応が中心です。眼底検査の適応ではありません。

  4. 4.  高血圧症(hypertension)

    高血圧による網膜細動脈硬化性変化の有無を確認し、全身動脈硬化の重症度評価や治療効果判定に用います。高血圧網膜症は無症状で進行するため定期的な検査が必要です。

  5. × 5.  筋萎縮性側索硬化症〈ALS〉(amyotrophic lateral sclerosis)

    ALSは運動ニューロン疾患で、筋電図、神経伝導検査、MRI、髄液検査などで診断します。眼球運動と視覚は比較的保たれ、眼底検査は診断に用いません。

眼底検査には無散瞳カメラによる撮影と散瞳下での直像・倒像検査があります。散瞳薬使用後は数時間まぶしさや近方視力低下が続くため車の運転は禁忌です。糖尿病網膜症は単純・前増殖・増殖の3段階、高血圧網膜症はKeith-Wagener-Barker分類のⅠからⅣ度で評価されます。緑内障、加齢黄斑変性、脳腫瘍(うっ血乳頭)なども眼底所見が診断の手がかりになります。

全身疾患で眼底変化を来す代表例(糖尿病・高血圧)を理解しているかを問う設問です。