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糖尿病患者さんのフットケアのポイント

看護師国家試験 第108回 午前 第87問 / 成人看護学 / 内部環境と内分泌系

国試問題にチャレンジ

108回 午前 第87問

糖尿病末神経障害による感覚障害のある患者へのフットケア指導で適切なのはどれか。2つ選べ。

  1. 1.両足部を観察する。
  2. 2.熱めの湯をかけて洗う。
  3. 3.靴ずれしない靴を選ぶ。
  4. 4.なるべく素足で過ごす。
  5. 5.爪は足趾の先端よりも短く切る。

対話形式の解説

博士 博士

糖尿病性末梢神経障害ではどんなことに注意が必要だと思う?

サクラ サクラ

感覚が鈍くなるので、傷に気づきにくいですよね。

博士 博士

その通り。神経障害に血流障害と易感染性が重なって、小さな傷でも潰瘍や壊疽に進展しやすい。これが糖尿病足病変だ。

サクラ サクラ

まず観察が大事なんですね。

博士 博士

その通り。1の両足部を観察するが正解。毎日明るい場所で足底・趾間・踵まで確認する。鏡を使うと見やすいよ。

サクラ サクラ

もう1つの正解は?

博士 博士

3の靴ずれしない靴を選ぶ。つま先に1cmほどの余裕がある、足の形に合った柔らかい素材の靴を選ぶ。購入は足がむくむ夕方がよいとされているよ。

サクラ サクラ

2の熱めの湯はダメですよね。

博士 博士

温痛覚が鈍いから熱傷のリスクが高く禁忌。湯温は37〜39℃程度、肘や温度計で確認するよう指導する。

サクラ サクラ

4の素足はどうですか?

博士 博士

踏み抜きや小さな外傷を防ぐため、室内でもスリッパや靴下を着用することが大切。白い靴下だと出血が気づきやすい利点もあるよ。

サクラ サクラ

5の爪切りは?

博士 博士

深爪は巻き爪や陥入爪を招くから、足趾の先端と同じ長さでスクエアオフカット、角を少し丸める程度にする。

サクラ サクラ

胼胝やウオノメはどうすれば?

博士 博士

自己処置せず医療者に相談する。無理に削ると傷を作り感染源になる。

サクラ サクラ

保湿も必要ですか?

博士 博士

乾燥による亀裂を防ぐために保湿剤を使うが、趾間は湿ると白癬の原因になるので避ける。

サクラ サクラ

湯たんぽも気をつけないとですね。

博士 博士

熱傷予防のため湯たんぽや電気毛布、カイロを直接足に当てない。室温やタイマーで対応する。

サクラ サクラ

フットケアは予防がすべてですね。

POINT

糖尿病性末梢神経障害患者では知覚低下・血流障害・易感染性により足病変が重症化しやすく、毎日の両足観察と足に合った靴選びが基本です。熱めの湯や素足、深爪は熱傷や外傷のリスクを高めるため避けます。スクエアオフの爪切り、保湿(趾間を除く)、湯たんぽ直接接触回避など予防的セルフケアを包括的に指導することが重要です。

解答・解説

正解は 1 3 です

問題文:糖尿病末神経障害による感覚障害のある患者へのフットケア指導で適切なのはどれか。2つ選べ。

解説:正解は 1 と 3 です。糖尿病性末梢神経障害では知覚が低下し、小さな傷や熱傷に気づきにくく、さらに血流障害と易感染性により潰瘍・壊疽に進展しやすいため、毎日の両足観察と足に合った靴の選択が基本となります。

選択肢考察

  1. 1.  両足部を観察する。

    知覚低下により傷や胼胝、発赤、水疱に気づきにくいため、毎日明るい場所で両足の足底・趾間・踵まで目視確認し、早期発見・早期対処することが推奨されます。

  2. × 2.  熱めの湯をかけて洗う。

    温痛覚が鈍いため熱傷のリスクが高く、熱湯は禁忌です。湯温は肘や温度計で確認し37〜39℃程度のぬるま湯で優しく洗うよう指導します。

  3. 3.  靴ずれしない靴を選ぶ。

    靴ずれは足病変の主要な誘因です。つま先に1cm程度の余裕があり、足の形に合った柔らかい素材の靴を選び、購入は夕方(足がむくむ時間帯)に行うのが望ましいとされます。

  4. × 4.  なるべく素足で過ごす。

    素足では踏み抜きや踏みつけによる外傷のリスクが高まります。室内でもスリッパや靴下を着用し、足を保護するよう指導します。

  5. × 5.  爪は足趾の先端よりも短く切る。

    深爪は巻き爪や陥入爪、爪周囲の傷を招きます。足趾の先端と同じ長さで、角を丸めずまっすぐ切るスクエアオフカットが推奨されます。

糖尿病足病変は神経障害+血流障害+易感染性の三位一体で重症化します。フットケアの基本は(1)毎日の足の観察、(2)清潔(ぬるま湯で洗い、指間までよく乾燥)、(3)保湿(ただし趾間は避ける)、(4)適切な爪切り(スクエアオフ)、(5)足に合った靴と靴下の着用、(6)熱傷予防(湯たんぽ・電気毛布に直接触れない)です。胼胝やウオノメは自己処置せず医療者に相談するよう指導します。

糖尿病性神経障害患者のフットケアの要点を問う問題です。熱傷・外傷・深爪を避け、観察と靴選びを重視する視点が重要です。