StudyNurse

脂質異常症の食事指導を病型別に整理

看護師国家試験 第110回 午後 第45問 / 成人看護学 / 内部環境と内分泌系

国試問題にチャレンジ

110回 午後 第45問

脂質異常症( dyslipidemia )の成人患者に対する食事指導の内容で正しいのはどれか。

  1. 1.不飽和脂肪酸の摂りすぎに注意する。
  2. 2.コレステロール摂取量は1日600mg未満とする。
  3. 3.高トリグリセリド血症( hypertriglyceridemia )では、アルコールを制限する。
  4. 4.高LDLコレステロール血症( high LDL cholesterol )では、トランス脂肪酸の摂取を促す。

対話形式の解説

博士 博士

今日は脂質異常症の食事指導じゃ。3つの病型を言えるかの?

サクラ サクラ

はい、高LDLコレステロール血症、高トリグリセリド血症、低HDLコレステロール血症です。

博士 博士

見事じゃ。では高トリグリセリド血症でアルコールを控える理由は?

サクラ サクラ

アルコールは肝臓で中性脂肪の合成を増やすので、飲むほどトリグリセリドが上がるからです。

博士 博士

その通りじゃ。節酒は25g/日以下、日本酒なら1合未満が目安じゃ。

サクラ サクラ

糖質制限も大事と聞きました。

博士 博士

うむ、単純糖質や果糖は中性脂肪を上げやすいから控えるのじゃ。

サクラ サクラ

高LDLコレステロール血症ではコレステロール摂取を制限するのですよね。

博士 博士

そうじゃ、1日200mg未満が目安じゃ。選択肢の600mgはゆるすぎるぞい。

サクラ サクラ

不飽和脂肪酸は控えるべきなのでしょうか?

博士 博士

いや逆じゃ。EPA・DHAや植物油の不飽和脂肪酸はLDLを下げるから、むしろ積極的に摂るべきじゃ。

サクラ サクラ

トランス脂肪酸は?

博士 博士

トランス脂肪酸はLDLを上げてHDLを下げる最悪の脂肪酸じゃ。マーガリンや菓子、揚げ物に多いから避けるのじゃ。

サクラ サクラ

飽和脂肪酸も動物性脂肪に多くて控える必要がありますね。

博士 博士

その通り。脂肪酸の種類で体への影響が全然違うから整理しておくのじゃ。

サクラ サクラ

タイプ別に指導内容を変えるのが肝心ですね。

POINT

脂質異常症の食事指導は病型別に考えることが基本です。高トリグリセリド血症ではアルコールと糖質の制限、高LDLコレステロール血症ではコレステロール(1日200mg未満)と飽和脂肪酸・トランス脂肪酸の制限、低HDLでは運動と禁煙が柱となります。不飽和脂肪酸(特にEPA・DHA)はLDLを下げる良い脂質で積極的摂取が推奨される一方、トランス脂肪酸はLDL上昇・HDL低下を招くため摂取を控えます。脂肪酸の種類を混同しないことがポイントです。

解答・解説

正解は 3 です

問題文:脂質異常症( dyslipidemia )の成人患者に対する食事指導の内容で正しいのはどれか。

解説:正解は 3 です。アルコールは肝臓での中性脂肪(トリグリセリド)合成を促進し、摂取量に比例して血中トリグリセリド値を上昇させます。日本動脈硬化学会の動脈硬化性疾患予防ガイドラインでも、高トリグリセリド血症の治療として禁酒または節酒(25g/日以下)が推奨されています。

選択肢考察

  1. × 1.  不飽和脂肪酸の摂りすぎに注意する。

    青魚のEPA・DHAや植物油に含まれる不飽和脂肪酸はLDLコレステロールを下げる作用があり、脂質異常症ではむしろ推奨されます。摂取を控えるべきは動物性脂肪に多い飽和脂肪酸です。

  2. × 2.  コレステロール摂取量は1日600mg未満とする。

    動脈硬化性疾患予防ガイドラインでは、高LDLコレステロール血症でコレステロール摂取量は1日200mg未満に制限することが推奨されています。600mgは緩すぎる基準です。

  3. 3.  高トリグリセリド血症( hypertriglyceridemia )では、アルコールを制限する。

    アルコールは肝臓での中性脂肪合成を亢進させ、VLDLを介して血中トリグリセリドを上昇させるため、高トリグリセリド血症では禁酒または節酒が基本指導となります。

  4. × 4.  高LDLコレステロール血症( high LDL cholesterol )では、トランス脂肪酸の摂取を促す。

    トランス脂肪酸はLDLを上昇させHDLを低下させ、動脈硬化を促進することが知られています。マーガリンや菓子・揚げ物に多く、脂質異常症では摂取を控えるべきです。

脂質異常症の食事療法の基本は、適正エネルギー、飽和脂肪酸・コレステロール・トランス脂肪酸の制限、不飽和脂肪酸(特にn-3系)・食物繊維・大豆製品の積極摂取、アルコール25g/日以下です。タイプ別に高LDLはコレステロール制限、高TGは糖質・アルコール制限、低HDLは運動と禁煙が鍵となります。

脂質異常症の病型別食事指導の基本を理解しているか、特に脂肪酸の種類とその影響を区別できるかを問う問題です。