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喘息治療の4つの基本知識を整理しよう

看護師国家試験 第108回 午後 第43問 / 成人看護学 / 呼吸器系

国試問題にチャレンジ

108回 午後 第43問

成人患者の気管支喘息(bronchial asthma)の治療で正しいのはどれか。

  1. 1.テオフィリンの投与中は血中濃度の測定が必要である。
  2. 2.副腎皮質ステロイド薬吸入後の含嗽は必要ない。
  3. 3.インフルエンザワクチン接種は禁忌である。
  4. 4.発作時にはβ遮断薬を内服する。

対話形式の解説

博士 博士

今日は成人の気管支喘息の治療について確認じゃ。選択肢ごとに押さえておくべきポイントがあるぞ。

サクラ サクラ

正解はどれですか?

博士 博士

1のテオフィリン投与中の血中濃度測定が正解じゃ。テオフィリンは治療域が5〜15μg/mLと狭くて、少し超えただけで中毒症状が出るんじゃよ。

サクラ サクラ

中毒症状ってどんなものですか?

博士 博士

軽症では頭痛・悪心・動悸、重症になると痙攣・不整脈・意識障害まで進むんじゃ。喫煙や肝機能で代謝が変わるからTDMが欠かせないんじゃ。

サクラ サクラ

2の吸入ステロイド後の含嗽はどうですか?

博士 博士

これは誤りじゃ。吸入ステロイドは口腔内に約8割が残るので、口腔カンジダや嗄声を防ぐため必ず含嗽するんじゃよ。

サクラ サクラ

うがいができない人はどうすれば?

博士 博士

口をすすげない患者では飲水でも代用できるぞ。小児や嚥下障害のある人への指導で覚えておくとよいな。

サクラ サクラ

3のインフルエンザワクチンは禁忌ではないんですね。

博士 博士

むしろ逆じゃ。喘息患者はウイルス感染で重症発作を起こしやすいから、不活化ワクチンは積極的に推奨されておるんじゃ。

サクラ サクラ

4のβ遮断薬はどうしてダメなんですか?

博士 博士

β遮断薬は気管支平滑筋のβ2受容体も遮断してしまい、気管支攣縮を引き起こすんじゃ。喘息には原則禁忌で、発作時はβ2刺激薬のSABA吸入が第一選択じゃよ。

サクラ サクラ

長期管理の基本も教えてください。

博士 博士

ICS(吸入ステロイド)が中心で、コントロール不良ならLABAやロイコトリエン拮抗薬、抗IgE抗体などを追加するんじゃ。

サクラ サクラ

患者教育ではどこを強調すればいいですか?

博士 博士

吸入手技の確認、発作時のアクションプラン、アレルゲン回避、そしてワクチン接種の推奨じゃな。自己管理能力を高めることが大切じゃ。

サクラ サクラ

治療薬ごとの注意点が整理できました。

POINT

成人喘息ではテオフィリンのTDM、吸入ステロイド後の含嗽、インフルエンザワクチン接種の推奨、β遮断薬禁忌という4つの柱を理解することが重要です。長期管理の中心は吸入ステロイドで、発作時はSABA吸入が第一選択です。薬剤ごとの副作用と対応を押さえることで、安全な喘息治療を支えることができます。

解答・解説

正解は 1 です

問題文:成人患者の気管支喘息(bronchial asthma)の治療で正しいのはどれか。

解説:正解は 1 です。テオフィリンはキサンチン系気管支拡張薬で、ホスホジエステラーゼ阻害やアデノシン受容体遮断により気管支平滑筋を弛緩させ、抗炎症作用も有します。治療有効血中濃度は5〜15μg/mL程度と狭く、これを超えると悪心・頻脈・不整脈・痙攣などの中毒症状が急速に出現するため、TDM(治療薬物モニタリング)として定期的な血中濃度測定が必須です。

選択肢考察

  1. 1.  テオフィリンの投与中は血中濃度の測定が必要である。

    テオフィリンは治療域と中毒域が近接する狭い治療係数の薬剤で、喫煙や肝機能、併用薬でクリアランスが変動します。重篤な副作用を回避するため、TDMで血中濃度を管理することが定められています。

  2. × 2.  副腎皮質ステロイド薬吸入後の含嗽は必要ない。

    吸入ステロイドは口腔咽頭に多く残留するため、局所免疫抑制による口腔カンジダ症や嗄声を予防する目的で、吸入後は必ず含嗽(うがい)を行います。

  3. × 3.  インフルエンザワクチン接種は禁忌である。

    喘息患者はウイルス感染で重症発作を誘発しやすいため、むしろインフルエンザワクチンは積極的に推奨されます。不活化ワクチンは喘息増悪の原因にはなりません。

  4. × 4.  発作時にはβ遮断薬を内服する。

    β遮断薬は気管支平滑筋のβ2受容体を遮断して気管支収縮を来すため、喘息には原則禁忌です。発作時は短時間作用性β2刺激薬(SABA)の吸入が第一選択となります。

成人喘息の長期管理は吸入ステロイド(ICS)が基本で、必要に応じて長時間作用性β2刺激薬(LABA)、ロイコトリエン受容体拮抗薬、抗IgE抗体などを追加します。発作時はSABA吸入、重症例では全身ステロイドや酸素投与を行います。テオフィリン中毒症状は頭痛・嘔気・動悸から、重症では痙攣・不整脈・意識障害に至るため早期発見が重要です。

喘息の薬物療法全般の基礎知識を問う問題です。テオフィリンのTDM、吸入ステロイド後の含嗽、ワクチン、β遮断薬禁忌という4つの柱を整理できるかが焦点です。